人類進化SFとしてのニンジャスレイヤー
- tomo1109_Reffi
- 3793
- 0
- 3
- 1
『かつてこの世界に、ニンジャはカツ・ワンソーしかいなかった。彼は全ニンジャの祖であり、ニンジャにとってのニンジャ存在、すなわちヌンジャであった。』
2014-07-14 03:21:43読み返してみると、別にカツ・ワンソーが最初からニンジャあるいはヌンジャだったという記述はどこにもないのか。世界の創造者とも書いてないよな。あくまで全ニンジャの祖であるとしか。カツ・ワンソーも元々モータルで、ヌンジャに「なった」可能性もあるわけか。
2014-07-14 03:23:58世界の構造(レイヤー)を理解・認識し、それを元に世界を書き換え、現実を改変するメソッドを開発した最初のモータルがカツ・ワンソーなのだとしたら面白いな。修行によってリアルニンジャに「なれる」わけだから、あながち間違ってはいないかもしれない。
2014-07-14 03:37:01そうなると、コトダマを駆使したと思われる松尾芭蕉やミヤモト・マサシも半分ニンジャみたいなもので、実はモータルとニンジャの境目というのは非常に曖昧なのではないか、みたいな話になってくる。
2014-07-14 03:39:03強いて言うなら、自らの肉体に不可逆の改変を施した(人間であることをやめた)のがニンジャである、という定義になるか。つまり、ニンジャとは、ポストヒューマンである。おお、SFだ。
2014-07-14 03:42:14洋の東西を問わず、超能力者モノではそういう言説が良く出てくるよな。特殊な存在である能力者は社会から迫害されるんだけど、実は自分達こそが選ばれた新しい存在である、という。
2014-07-14 03:44:54どのレベルで認識してるか、というのはオブジェクト指向のアナロジーで理解すると良いのかもしれない。ある関数が存在していたとして、それをブラックボックスとしてただ使っているのか、中身をきちんと理解して、必要に応じて書き換えもできる技術を持った上で使っているのか、という。
2014-07-14 03:54:32ディセンションしたニンジャの大半は前者だよな。で、ジツの応用範囲が広いニンジャほど後者に近い。ヌンジャたるカツ・ワンソーは、多分ゼロから何もかもコーディングできるスーパーハッカー、みたいな。
2014-07-14 03:56:17ニンジャは子を成せない、という話もポストヒューマンだと考えるとしっくりくるよな。人間という種であることを辞め、不老(?)長寿の存在になったわけで、つまりニンジャというポストヒューマン種は子を成す必要がない。
2014-07-14 04:00:45ニンジャは自らのミーミーを伝播することを子を成すのと同様であるとみなす、というのも、SF的に考えると納得がいく。DNAという形で遺伝情報を次世代に受け渡すのではなく、ミーミー、すなわち情報遺伝子を次世代に受け渡す新種の生命である、と。
2014-07-14 04:03:08ただ、そう考えると、宿主として情報遺伝子を受け渡す存在が必要なわけで、ニンジャとはまるでウイルスのような生存戦略を持ったポストヒューマン種であるという見方もできるのか。つまり、情報を受け渡す相手は、人間に限らない。
2014-07-14 04:06:31お、この考え方は綺麗にまとまる気がしてきた。SFとして実にすわりが良い。つまり、ニンジャは肉体を持つ必要性すらないということだもんな。
2014-07-14 04:09:17人類がやがて肉体を捨て、あたかも神の如き精神生命体へと進化するその階梯の途上に、ニンジャという種が存在している。古今東西、多くの人類進化モノSFで語られているお約束の一つ。ニンジャスレイヤーは、サイバーパンクSFであると同時に、人類進化SF、ポストヒューマンSFである、と。
2014-07-14 04:12:33なんかある種の公式というか、この考え方を原則として適用すると、忍殺のあれやこれやを綺麗に読み解ける気がするなぁ。
2014-07-14 04:20:49江戸期以降にニンジャが衰退したのも、生物種としての進化の袋小路に陥ったと解釈することもできるのかな。情報生命としてウイルス的な生存戦略を取ったのはいいんだけど、一足飛びにそこに行くには不完全で色々無理が生じた、みたいな。
2014-07-14 04:32:29アセンション/ディセンションとは、そうした進化の袋小路を脱する為の、ニンジャ版人類補完計画であった。おお、うまくまとまる。
2014-07-14 04:35:03これって、ニンジャスレイヤーは次世代のアメリカン・コミックであるという論点ともシームレスに繋がるよなぁ。
2014-07-14 04:40:51まあ、これがニンジャ真実です、というわけではなくて、こういう文脈での読み解き方もできますよ、という、ニンジャスレイヤーの持つ多面性の一つなんだと思う。
2014-07-14 04:44:28