病理医ヤンデル先生の「総合臨床医 ドクターP」を終えて

「北海道・病理夏の学校」において、病理医ヤンデル先生の「総合臨床医 ドクターP」という医学生・研修医の参加する企画が行われました。 その雑感報告と、病理医についてのお話です。
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病理医ヤンデル @Dr_yandel

「北海道・病理夏の学校」において「総合臨床医 ドクターP」という企画を行いましたが、その雑感を少々述べさせていただきます。 ow.ly/i/6dACx

2014-07-14 12:27:27
病理医ヤンデル @Dr_yandel

学生さんや研修医さん達が20~30人ずつのグループ3つにわかれ、わたくしの司会で進行する「NHK・ドクターG的なカンファレンス」でディスカッションを行い、診断をしていくという企画をやりました。

2014-07-14 12:28:57
病理医ヤンデル @Dr_yandel

臨床情報(IDや現病歴、社会歴、既往歴からはじまり各種診断結果・検査所見など)をわたくしが段階的に提示し、4ステップをかけて少しずつ小クイズを行い、最後には診断を述べさせるというプロセスで、学生さんたちの「医学に対する勉強の仕方」がだいぶよく見えた気がします。

2014-07-14 12:29:38
病理医ヤンデル @Dr_yandel

「検査値ひとつが異常値である」ということにとらわれすぎている学生さんがかなり多いですね。D-dimerが高値だから肺塞栓かも、血小板が低くないからDICの可能性が低い、等という言葉はある種の真実をはらんでいますが、検査の感度・特異度や尤度比を考えるとそういう発言は減るはずです。

2014-07-14 12:30:54
病理医ヤンデル @Dr_yandel

診断・検査の「尤度比」を用いる診断手法については、以前も紹介した2冊の本を読んで勉強することを強くおすすめします。 「私は咳をこう診てきた」 amazon.co.jp/exec/obidos/AS… 「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」 amazon.co.jp/exec/obidos/AS…

2014-07-14 12:33:33
病理医ヤンデル @Dr_yandel

医療者の行う業務には「診断」「治療」「(患者や病棟の)維持」があります。看護師であれば維持の側面が大きい、放射線技師であれば診断の側面が大きい、など。病理医はこの中でも「診断」にかなり特化した部門ですが、世の中には病理医を「顕微鏡診断に特化した部門」と勘違いするむきがあります。

2014-07-14 12:35:20
病理医ヤンデル @Dr_yandel

「治療」「維持」についての実務を大幅に減らした上で「診断」に特化した病理医としてチカラを発揮するには、「顕微鏡を使った仕事」という固定観念を超えて、「病理医であるからには臨床診断学を極めるのだ」という覚悟と努力が必要です。

2014-07-14 12:36:32
病理医ヤンデル @Dr_yandel

そのことをわかって欲しくて、今回の夏の学校ではあえて「組織病理」をほとんど説明しませんでした。しかし、そのためか学生さんや研修医・大学院生からもらった感想の多くは「大変おもしろかった、参考になった、病理という仕事に興味を覚えた」という内容でした。ある程度性交したかなと思っていまs

2014-07-14 12:37:17
病理医ヤンデル @Dr_yandel

引き続き、特殊な職業でありやりがいのある職業であり可能性の塊である「病理」という世界に興味をもってほしいとは思いますが、わたくしは夏の学校を終えて再びゲスでちんこなアカウントに戻りますので、病理医に夢を持って頂いた上でわたくしに対する夢や希望は捨ててください。ではまた。

2014-07-14 12:38:19