ブーブス・バンド海賊版「エピソード：愛しのブロンディ」

ブーブス・バンド・ブートレグ @BSSB_bootleg

「お掃除終わったよ」ブロンディがやってきたが……おや、表情がおかしいぞ？それをちらりと横目で見て、フォクシーが新しいタバコをくわえる。カキン！シュバッ！ジッポーをジーンズのふとももに擦りつけて点火！「アタシにも」ジェーンが言うと、フォクシーは火の着いたタバコを投げる！　27

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「ギャーッ！」タバコはジェーンの前に割り込んだブシェーミの頭にヒット！脂じみた頭から煙が上がる！「熱い！誰か消してくれ！」暴れまわるブシェーミに「オリャーッ！」タックルするジェーン！押し倒したブシェーミの頭をはたく！「オラーッ！オラーッ！」「痛い！痛い！助けてくれ！」　28

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「ほ、ほら、お兄ちゃんが大変だよ……」ブロンディが隣に立つシャーリーに言うが……「あら、まあ」シャーリーは目を丸くしただけで、ブロンディの手を離そうとしない。それどころか、いちゃいちゃと指を絡めながら、夢見るような瞳でブロンディを見つめるばかり……これは、ま、まさか？　29

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「そんなことより、お部屋でお話しましょう」シャーリーは言って、ブロンディの手を引いて居間を出ると階段を上がり始めた。「うんとね、えっと、お兄ちゃんは……」「フォクシーさん、お願いします」「あいよ」フォクシーが応える。「今日は『赤毛のアン』の続きを……」「実技はなしでね……」　30

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実技？なんだろう？「ギャーッ！踏むな！踏まないで！」ブシェーミの悲鳴よりも、シャーリーの言葉が気になるぞ。……すたすたと階段を登り、ひきずるようにブロンディを自分の部屋に連れ込んだシャーリーは、後ろ手にドアを閉め、丁寧に鍵をかける！ガチャリ！その音にブロンディが震える！　31

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いったいどうしたブロンディ!?セクシー子鹿のように奔放な彼女が、今はこのダサい少女のなすがまま！そういえばシャーリーの部屋もすごくダサくて、開拓時代からあるようなベッドと勉強机、本棚には本がいっぱい！たくさんの本のにおいにブロンディは不安になった！勉強がきらいなのだ！　32

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……数時間後！日が落ちて、月が照らすレンガづくりの建物は学校！田舎のダサい学校だ！その廊下をコツコツとヒールの音が響く……女教師が歩いている。窓ガラスから差し込む光に氷のような美貌が浮かび上がる！彼女の顔を……どこかで見たことが？　33

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女教師は金縁メガネを直しながら、「図書室」と書かれた部屋に入る……その手には小型ライト！明かりを手にした女教師は、ぴっちりしたスカートに包まれた均整のとれたヒップを揺らしながら本棚の間を歩く……ヒップが揺れる……高い靴音……ヒップが揺れる……靴音が止まった！　34

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「……グート！」女教師が漏らした言葉は……ワッツ？英語ではないぜ！？「グート、グート、グファンデン！」彼女が芸術的なヒップをヒールのかかとで潰しながら屈み込み、ライトで照らした背表紙は……『アンネの日記』！「くだらない読み物に偽装などするから取り違えるのだ……！」　35

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『アンネの日記』を嫌い、英語でない言葉を話すこの女教師の正体は……？女教師は官能的な動きで細い指を差し伸べると、二つ並んだ『アンネの日記』の一冊を引っ張りだした。表紙を改め、中身をめくる……「ニイー……」呟いて、本棚に戻す。もう一冊を取り出す……「ニィー」本棚に戻す。　36

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女教師は勢い良く立ち上がる！ムッチリしたヒップが形を取り戻す。その場できびすを返した女教師は、カツカツと靴音たかく図書室の入口へ向かい、カウンターの奥へ。貸出帳をライトで照らしながら目で追い……「……グファンデン！」金縁メガネの奥の目が女豹のように輝く！……その時！　37

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「誰だ？」ライトが女教師を照らす！「キャッ」女教師は甘い悲鳴！「おや、歴史のせんせいじゃないか」制帽を片手で押し上げながら、ライトを構えた警備員が言った。「どうしたんです、こんな夜中に」「ちょっと……調べ物を」「いけませんなあ、こんな夜中に女性が一人で、しかも美人の……」　38

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警備員は生肉を目の前にぶら下げられた野良犬のように舌を出す。「俺が下宿までお送りしますよ。調べ物は終わったんでしょう？」「ええ、今、ちょうど……」「なにをお探しだったんです？」ずかずかと近寄り、女教師の肩に手を置く警備員。「ちょっと、生徒のことで……」「生徒？」　39

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「ええ、シャーリー……さん？」「ああ、シャーリー、あの農場の！」女教師のパッドの入った肩を執拗に撫でさする警備員。「あの娘はいい娘ですよ……お兄さんとふたり暮らしで、ご両親は亡くなられて、健気に……そういえばあそこの奥さんはとってもいいヒップをしていた……ちょうど」　40

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「ちょうど？」「ちょうど、あなたみたいにね」警備員の手が女教師の芸術的なヒップに伸びる。「アーン、もうこんな時間！」女教師がするりと身をかわす。「お腹が空いてしまいましたわ！どこかでご飯を食べなきゃ」「そんならいい店を知ってますよ」「あら、じゃあそこでソーセージでも」　41

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「ええ！ええ！美味しいソーセージをね！ほおばって！」図書室を出る女教師を追って、警備員が舌なめずり。「ジューシーで肉汁たっぷりのやつを、アツアツのうちにね！」「……シュヴァイニゲル（汚いブタめ）！」「今、なんて？」「なんでもないですわ……さ、参りましょ」……その頃！　42

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農場の食卓では、我らがブーブスが豪勢な夕食をとっていた！「チキン取って」「あいよ、フォクシー」「トマトジュース……おかわり」「もうねえよ！」「はい、ブロンディさん、アーン」「あ、うん、アーン……」「どうですか？美味しいですか？」「うん、美味しいよ……」「よかった！」　43

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「切らしてるですって？」ドールハウスがじっとりした目でブシェーミじみた男を睨む。「……使えないレンフィールドね。犬に変えてやる」「チキンもねえぞ」「そんな！」ブシェーミが見れば、ジェーンが丸焼きチキンの骨を大皿に戻すところだった。「……ジーザス！」十字を切るブシェーミ。　44

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「あんたらが食べすぎなんだ！地下貯蔵庫にはもうこの冬を越すための食料がない！」「買えば？」「ささ、もっと食べて、ブロンディさん」「えっと、シェーリーちゃん、あのね、あたし赤ちゃんじゃないから、自分で食べれるから」「そんな！あたしのこと嫌いですか！」「そんなことないよ……」　45

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ブシェーミは妹の方を見て……「オーマイガッ……」大きくため息。どうしてこんなことに……彼のモノローグが始まる。シャーリーはいい子だった。兄妹二人、支えあって生きてきた。農場の仕事を手伝いながら勉強も欠かさない妹は俺の誇りだった。いつか立派な人間になれるように学校にも……。　46

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それが！あの日を境に変わってしまった！そりゃテレビに出てくるようなイケてる女の子じゃないが、健気で可愛く、勉強がだい好きだったシャーリー……それが、あのおかしなナチスに連れて行かれてから……このブーブス・バンドとか名乗るおかしなやつらに助けだされてから……いや、違う！　47

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こいつだ！ブシェーミはブロンディを睨む！このブロンディとかいう雌牛みたいなおっぱいの女だ！こいつがシャーリーを助けた時から、シャーリーは変わってしまった！健気で、清純な俺の妹は……この、都会からきたロックンロール女にぞっこん惚れ込んじまった！イースターのウサギみたいに！　48

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なんてこった！シャーリーがブロンディに惚れてるだって！でもそれは二人を見れば判ること！家にいる時はずっと手をつないでいたし、部屋ではなにやらあやしい個人授業！そして……みんなは知ってる、ブロンディは男好き！だけど女は？……そう、彼女はそっちの趣味だけはなかったんだ！　49

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だから……「じゃあ、あたしのこと好きですか」「ええと、うんと」「はっきりしてください！あたしはブロンディさんが好き！」「ええとね、シャーリーちゃんはかわいいけど」「ブロンディ……もうそれ以上やめときな」「かわいい！本当ですか！」「……厄介ね」「おい、ポテトもなくなったぞ！」　50

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「もうがまんできない！」バン！シャーリーが立ちあがった！「続きを！続きをしましょう！」「ちょ、ちょっとシャーリーちゃん……」「今すぐ続きを！お勉強です！知らないこととかいけないこととか教えて下さい！」「た、助けてフォクシー……」「ウープス」フォクシーは肩をすくめた。　51