自転車も漫画も好きだけど僕にアオバ自転車店シリーズは勧めんといて！

呟かなかった例だと

並木橋通りじだいのどこの巻だったか折り畳み自転車を進める回(確かブロンプトン)の話でおっさんが『折り畳み自転車なら飲酒運転しても平気だから』みたいなこと平気で言ってたり(飲酒運転だよ！)。

並木橋通りアオバ自転車店20巻の中だけでチョッパー風自転車は良き物、ノーブレーキピストを悪しきものとして描いてるんだけど両方とも日本の法律ではアウトだよっていう。両方ともまともな前後ブレーキが付いて無い（あとエレクトラは普通自転車のサイズ内に収まってないと思う）

アオバ自転車店10巻内ではノーヘルのロードで通学したり公道でエンジン付き相手に違法競争をしたりしてたキャラがピスト相手に道路でのモラルを説いてて『お前が言うな』という。
だいたいノーブレーキの危険性を身をもって教えるためにノーヘルでノーブレーキの自転車に乗せるってのは傷害事件だよ。いや、死んだり重大の残る危険性を知っててやらせたんだから殺人未遂になるのでは。殺人未遂級の私刑を整備不良しそうな子にやるのはモラル的にも漫画的にもダメだろ。
（おまけにその子なんか競輪目指したりするし…　違法行為上等のヒルクライマーがトラック競技？？ちょっとよくわからない。）

自転車部時代の実体験をもとになのだけれど…

高品質云々でベタ褒めされているブリジストンでもホームセンターとかに売ってる格安モデルはやっぱり値段なりで特に他社製品より優れてるとも劣ってるとも思えないんですよね。大学の頃はメンテの練習として知り合いの自転車を片っ端から実費で修理してたりしたのだけれどロゴが違うだけで工場同じなんじゃないかなって安物自転車は多かったしリムに段差はあるし自分だったら怖くて速度出せないようなブレーキだったし。

あと、オールドパーツ類に関しては触った感じだとサンツアーのシュパーブプロとか当時の自転車パーツとしては確かに優秀な方だったと思うけれど淘汰されて久しいということは補修部品が出ないということだし、現代のチェーンで使うには想定してるチェーンが硬すぎるから完調でも当時ほどの性能は期待できないし長期在庫の当時ものチェーンがまともに動くか動いたとして次の交換の時どうするかとか…　どっちにしろ現代においてバリバリ乗る用途には適さないというかはっきりと盆栽向けの部品だと思う。

そういえばピストにブレーキといえば並木橋通りアオバ自転車店の作中でノーブレーキピストが危ないということを示すシーンでピストが急制動で事故るんだけど…　そのシーンで『前輪に強力なブレーキを装着してないとできない』ジャックナイフ状態になって車に突っ込むのですが…　

もしかしてだけど…

もしかしてだけど…

宮尾岳先生ピストはもちろんの事ネタにした自転車の大半写真とかのディティールの取材は綿密にしてもちゃんと試乗してないんじゃないの？

強いて言えば速度が出てる時にバックを踏み切れなくって体の方がペダルに押し上げられて投げられるような形で事故ることはあるけど、その場合は後輪が地面に接しててかつ押し上げてるペダル側に捻りこまれる形になる(なった)。

ほかにも『自転車が軽い！進むー！』みたいなシーンでありえないギア比になってたり、バランスとるのも立こぎも困難なトレンクルやストライダで自転車にそんなに打ち込んでない人が振り向いたり立こぎしてたり片手運転するシーンもあった気が。

漫画的表現ですっていわれりゃあそうなんだろうけど、あとがきとかで散々正しい自転車の描き方でご高説垂れててそれなの…　いや、さすがにこれはイチャモンかもな。

まぁ、そもそも作品が面白ければどんなに正しくなくても倫理観が違っても文句言いつつ楽しく消費して金を落とす主義ではあるんですが…　アオバに関しては第1期の3巻目までかなぁ。

倫理や作劇の正しさなんてのは面白さの前には無力なもんで時代劇とか海外のビッグバジェット映画なんて日本の常識や倫理とあってること自体珍しいし、ルパンやゴルゴははっきりテロリストだしレクター博士はサイコパスだけど何度も楽しく見るわけじゃないですか（僕は）。作劇に関してもスターウォーズとかトロンとか倫理的にも映画内文法でも『なんじゃそりゃ』ってなもんですが面白いし何度も見れるわけですよ（僕は）。あとはスプライスやダークナイトみたいに倫理の根本が狂ってるのを楽しむ作品もあるわけで。

あー、でも『だったらお前が作れよ』って云われちゃうのかな？独りよがりな作品を世に送り出す人って必ずそう云うこと言いますよね。吉本芸人が映画監督やるときとか。