- Il2_Ilyushin
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最後に最終シリーズ66。排気管が片側3本から4本になり、下部冷却器の形状が変更されています。LaGGで一番洗練されたモデルであり、性能は他国の主力機と同水準と言える物まで上がっています。 p.twipple.jp/eFyNh
2014-08-02 20:02:01性能が上がったとは言え、同じエンジンを搭載するYakシリーズと比べると空戦性能はまだ劣る物であり、生産効率を上げるために生産中止になる事もあり得ました。
2014-08-02 20:03:22そこでラヴォーチキンは思い切った行動に出ました。空冷エンジンへの換装です。本来なら空冷エンジンに合わせた新しい機体を設計すべきですが、新たに設計し試験…量産をするとなると時間がかかり過ぎます。
2014-08-02 20:05:50M-82エンジンが比較的重いエンジンだった事もあり作業は難航しましたが、ラヴォーチキンとそのスタッフの尽力により何とか形になりました。空冷LaGGの誕生です。武装は今までより強化され、ShVAK 20mm機関砲を二門、機首に装備しました。
2014-08-02 20:09:45そのままのナンバリングで言えばLaGG-5となりますが、当時3人の設計者のうち2人は既に離れていたのでG(グドコフ)とG(ゴルブノフ)が外れ、La…。3の次である5が合わさりLa-5となりました。試作段階ではLaG-5とかであったらしいですけど…。
2014-08-02 20:11:47最初のLa-5はエンジンより後ろがほぼLaGG-3と同じでした。不要となった胴体下部の冷却器の有無程度の差です。工場での生産を円滑に転換させるためですね。 p.twipple.jp/OIlt9
2014-08-02 20:15:50La-5は実戦テストを兼ねて、戦力増強を求めていたスターリングラードへと送られました。結果、La-5はBf109Fに比べ垂直・水平での運動性、速度等がいまだ劣っているとされました。しかしLaGG-3よりは良いとされ、上昇性能などもそれまでのソ連機より高い物とも評価されています。
2014-08-02 20:18:03La-5は搭載したM-82に問題が多く、最大出力が限定されていた事なども足を引っ張る原因でした。 p.twipple.jp/0Ywtx
2014-08-02 20:21:23ドイツ機と比べ劣っていたとはいえ、ドイツ戦闘機との性能差をある程度埋めた事は確かでした。ラヴォーチキンは機体に更なる改良を加え、エンジンも運転制限の無くなったM-82Fを搭載した”La-5F”を開発しました。これにより性能はかなり改善されています。
2014-08-02 20:22:41La-5Fは後方視界改善の為、水滴風防に近い物へ変更されました。それ以外はあまり変化はありませんね…。 p.twipple.jp/0hVln
2014-08-02 20:24:13La-5シリーズの本命がASh-82FN(M-82からASh-82に改称)を搭載した”La-5FN”です。出力が1850hpに向上。また翼内の燃料タンクを廃止により横転性能なども改善されました。
2014-08-02 20:28:11La-5FNが投入されたのはクルスク戦からです。ドイツの新型戦車Tiger, Panther…ソ連もPTAB成型炸裂弾などの新兵器、そして多くの戦力投入した、一大攻防戦です。La-5FNもそんな兵器たちと共に戦いへ臨みました。
2014-08-02 20:30:30実戦テストとして第32親衛航空軍団に送られたLa-5FNは、7月4日から8月26日までの間に354ソーティを行い、Fw190 x21、Bf109 x2、Ju88 x5、He111 x3、Ju87 x1、合計33機を撃墜。損失が6機という驚異的な戦果を挙げています。
2014-08-02 20:31:47初期と比べ格段に向上したLa-5FNは、ついにドイツ機と互角か、それ以上に戦える物となっていました。ソ連のパイロット達にも大きな自信をもたらしました。
2014-08-02 20:33:24(…クルスクでの航空戦全体で見ると、まだソ連側の損失がかなり大きいですけどね…それでも新型機がドイツ機相手にまともに対抗できるようになった、というのは大事な事なのです)
2014-08-02 20:34:26La-5FNはカウル脇の排気口の形状が変更されていますね。単排気管状にまとめられていた物が、縦に並べられるように配置されています。(左がFN、右がF) p.twipple.jp/1X7jR
2014-08-02 20:36:171944年になり、La-5FNはさらにいくつかの改良が施されました。この改良型はLa-5 1944年標準とされる予定でしたが、改修が大きなものとなった為新しくLa-7とナンバリングされ、量産されました。
2014-08-02 20:39:39細かい箇所はいくつかあるでしょうが…主な改修は冷却器の移動でしょうか。機首下部にあったものが、液冷機のように胴体下部、後ろよりの箇所へ移されました。一番大きな改修点であり、見分けるポイントですね。 p.twipple.jp/z1UQ4
2014-08-02 20:41:41La-7はバグラチオン作戦でデビューしました。こちらも一か月の間に55機撃墜、損失8機という驚異的戦果を挙げています。…実戦テストを行ったのがベテランぞろいの部隊と言うのもありましたが、機体性能が優れていた事は間違いないでしょう。
2014-08-02 20:43:38La-7には今までのLaと同じ20mm二門搭載のものと、三門に増やされたものがありました。後者は新型の20mm機関砲B-20を装備したものでした。ShVAKの約半分の重量ながら、ほぼ同性能という優れた火器でした。(耐久力等捨てた部分もありましたが)
2014-08-02 20:46:07更なる改良により性能の向上したLa-7…そして火力向上で総合的な性能は更に高まりました。La-7はYak-3と共に「最も優れたソ連レシプロ戦闘機」の一つとされています。
2014-08-02 20:48:36La-7と言えば…ソ連のエースの一人、ゴジェドゥープ氏がB-17に群がるドイツ機を蹴散らしていたところ、護衛のP-51Dに敵機と間違われ襲われ、氏も相手をBf109と誤認し反撃…。1機を撃墜、もう1機を爆散させたエピソードがありますね…。恐ろしいのです…
2014-08-02 20:50:20La-7もYak-9Uの様に改良に改良を重ねられた結果の機体と言えるでしょう…。ラヴォーチキンの機体は、最初はとても優れているとは言えない物でしたが、ただ中高度でドイツ機を上回ることだけを追求した結果、ついに目標の相手を凌駕するに至ったのでした…。
2014-08-02 20:55:13