【@tsudaり】JASRACシンポジウム2010「独自進化は問題か?新たなデジタル市場の開拓に向けた日本型の取り組み」
岸「電子書籍、米国でも盛り上がってるが垂直統合のAmazonとApple。日本は端末はiPadとシャープのガラパゴスくらい。ほかにはケータイなどいろいろあるが、日本は垂直統合がいいのか水平分業がいいのか?」
2010-11-18 15:42:54角川「今はまだ電子書籍の点数が少ない。恐らく3年か5年かのうちに星の数くらいまで増えていく。数が増えればその分読んで欲しくても読まれなくなる。今はバブルだから電子書籍出せば話題になるが来年にはただ出すだけでは話題にはならなくなる」
2010-11-18 15:44:40角川「その中で知や文化の多様性を確保するには、プラットフォームも多様でなければならない。うちはサブカルに強いグループ。もっと真面目な本ばかりのプラットフォームも、もっとくだけた本ばかりあるプラットフォームがあっていい。それが併存するのが日本型のモデルじゃないかと思う」
2010-11-18 15:45:38杉本「どんなに垂直なり水平で整備しても、ユーザーがそのサービスに興味を持たないと意味がない。電子書籍がネットで使われることが前提となったときに書籍という単語を使うのはどうなの?という根本的問題もある。音楽はアナログからデジタルになったが、音楽は音楽として楽しまれている」
2010-11-18 15:46:50杉本「音楽と比べて電子書籍は電子書籍という単語が先走り過ぎている。我々がやりたいのは、本をネタにしてニコニコのようなリアルタイムコミュニケーションをしたい。そういうものがはたして書籍なのか? 電子書籍を語る上で、まずそのあたりの定義、正しい用語の使い方をした方がいいのでは」
2010-11-18 15:49:56佐々木「出版の大量生産大量販売という文化がネットとの齟齬を生んできた。今後のコンテンツビジネスはネット社会の中でネットネイティブに対してどうやって創作者の作品を届けるのかということがポイントになる」
2010-11-18 15:53:14佐々木「日本はJASRACのように権利者と利用者が一度契約すると一体となっていく。こんなのは日本だけ。これが水平分業型日本のプラットフォームの形ではないか」
2010-11-18 15:54:00佐々木「コンテンツを権利者が出すときに、価格や出し方など細かいところの決定権を権利者が持てるということ。これが日本型プラットフォームのキモではないか」
2010-11-18 15:54:56角川「僕はグーグルやアップルに負けない日本の産業界であるべきだと思っている。日本の産業界に覚醒してもらいたいし、今は惰眠をむさぼっているのではないか。覚醒するために黒船が来たのはいいことではないかと思っている」
2010-11-18 15:57:04角川「アップルにソーシャルゲームを提供した業者で大きな利益を得たという企業をきかない。コンテンツを提供しても回収できないのではクリエイターが育たない」
2010-11-18 15:58:39菅原「10年前佐々木さんとは灰皿を投げ合った仲だが、今この時代になって一緒にできるようになったことは大きな意味があると思ってる。例えばiTunesからの徴収問題。米国の人は米国独自の判断でこれでいいだろうという適当な楽曲報告を行うが、細かくやっている日本ではそれではだめ」
2010-11-18 16:00:58佐々木「ネット配信するには元々のマスターと、配信用のマスターの2つが必要。昔は出版社がそれを配信会社にわたしていて拡散していた。モバイルブック・ジェーピーが立ち上がったあとは、そこが整理されるようになった」
2010-11-18 16:06:27佐々木「ネット上の中抜き議論で無視されがちなのは、ネットでも安全かつ適正に流通させるためには多くのコストが必要ということ。中抜きするから印税率高くするということも難しい」
2010-11-18 16:09:41佐々木「ネットネイティブが過半数を占める時代には、著作物に対する価値観は変わってくる。この10年は著作物に対する付加価値を低くするようなことをしてきた。著作物に対する付加価値を高めていくことが重要」
2010-11-18 16:13:18佐々木「リアル本と電子書籍は共存できる。音楽の世界はCDは落ちているが、コンサートの来場数は増えている。アーティストと空間を共有したいというマーケットがある。CDもショップで買うより、ライブ会場で直接アーティストと会話しながら買うようなところが伸びている」
2010-11-18 16:15:00角川「プロの作家に小説界は支えられている。しかし、大衆の中から才能も出てきている。ソーシャル化とはその中の才能を伸ばすこと。作家が作るプレミアコンテンツ。大衆が作るソーシャルコンテンツ。これからの編集者の仕事はソーシャルコンテンツをプレミアコンテンツに成長させることだろう」
2010-11-18 16:20:21杉本「僕らのコンテンツのあり方は動画を見てもらうことではない。動画をネタにコミュニケーションしてもらうこと。コンテンツの楽しみ方はいろいろなあり方が必要」
2010-11-18 16:24:50菅原「音楽の権利だけみると、ものがない利用も多いので三次元的展開をしている。コンテンツホルダーがそれぞれの仕組みをどう使っていくのかということが重要」
2010-11-18 16:27:42佐々木「出版界にはJASRACにあたるような組織がない。音楽におけるJASRACのような権利処理プラットフォームが出版産業にも必要になるだろう」
2010-11-18 16:33:22角川「電子書籍を知れば知るほど書店は生き残ると思う。書店に行くというのは本を求めに自発的に行くということ。プル型。電子書籍は積極的にプッシュがなけれ買われない。書店に来てる人は本を買いたいと思ってきている。Amazonのロボット推薦より書店のレコメンドは大きな力を持ってる」
2010-11-18 16:44:53