#日刊小説 まとめ
82:エスティは、そこで見ているといい。いざとなったら、女王陛下から頂いた剣の力と、契約の力を使ってもいいがね。伯爵、君はエスティを守り給え。こいつら程度なら僕一人でも大丈夫だ。 ホームズはそう言いつつファイティングスタイルを取る。 #日刊小説
2014-08-10 06:44:1183:非論理的な動きをしてくる相手の大ぶりの一撃を姿勢を低くして避けると、相手のみぞおちに強烈なブローを叩き込む。 まず、一人……! 何やら喚きながらやってくる男の拳をサイドステップで躱すと、足払いで転ばせてから踵に全体重を載せて踏みつける。 男が悲鳴を上げる。 #日刊小説
2014-08-10 06:47:2284:危ない! エスティの叫び。ホームズにの背後から、火かき棒を持った男が襲いかかろうとしていた。 だが、次の瞬間、男の肩に矢が刺さり、激痛に耐えられず火かき棒を落とした男に、ホームズは強烈な蹴りを放った。 助かるよ伯爵! その矢を放ったのは、レナードだったのだ。 #日刊小説
2014-08-10 06:49:4985:エスティが見ると、レナードは奇妙なクロスボウを手にしていた。それは、とても重そうで、小さな缶やリボルバー拳銃のような、矢を入れた装置が組み込まれていた。 ガス圧で、動くのさ。 レナードは短く説明する。 そしてレナードは、矢を連射してホームズの援護を行うのだった。 #日刊小説
2014-08-10 06:52:5386:さて、あらかた制圧したかな。 静かになった室内を、ホームズは見渡す。そして、用心深く周囲に視線を配りながら、邸内の探索を行う。 男たちのやってきた部屋に入ると、そこには魔法陣が描かれ、ゴーグルで確認すると歪みが溜まっていた。 拙い! 出るぞ! レナードが叫んだ。 #日刊小説
2014-08-10 06:55:5587:それは、コウモリ人間のような姿をしているが、顔には3つの真っ赤に燃える瞳がひとつに合わさったものがあった。 「闇を彷徨うもの」か! ホームズがその正体を即座に看破した。 ああっ…… エスティがその化け物のあまりのおぞましさに気を失いそうになる。だが―― #日刊小説
2014-08-10 07:05:3688:エスティは女王の紋章の刻まれた短剣で自らの腕を傷つけると、なんとか正気を保つ。 エスティ! 平気です!! レナードとエスティの掛け合い。その間にもホームズは自室から持ちだした本を開いてその内容を読み上げ始める。朗々とした声が響くと、室内の温度が上昇し始めた。 #日刊小説
2014-08-10 07:12:2089:エスティがホームズを見やると、彼はその小節に炎を纏っていた。 熱くないのかしら…… どこかば違いなエスティの心配を他所に、ホームズは闇を彷徨うものに殴りかかる。 距離が遠くて届かないはずのその一撃は、ホームズの拳から炎が放たれたことで怪物に命中した。 #日刊小説
2014-08-10 07:14:5790:魔術の炎か…… レナードが感心する。 私も!! エスティは聖アンドレの加護が込められた短剣に祈りを捧げる。すると、武器と鎧で全身を固めた騎馬に乗った半透明の戦士たちが、室内に現れた。 アカイウスの英霊軍――かつて聖アンドレが力を貸した王の軍勢だった。 #日刊小説
2014-08-10 07:19:10