情熱大陸風にヤンデレを

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俺のヤンデレ観とはいったい。

ニノウデ @nOSIBERIA

ヤンデレ=猟奇的な女の子 というのはいただけない。

2014-08-11 09:20:11
ニノウデ @nOSIBERIA

ヤンデレ話、超したい。語りたい。朝っぱらからどうかと思うけど。

2014-08-11 09:35:32

なんか始めた。

ニノウデ @nOSIBERIA

今回の情熱大陸は恋する少女、ヤンデレの魅力に迫る。

2014-08-11 10:01:58

''ピロロロロロロロ……\スッチャチャスッチャッスッチャチャスッチャッ/
テッテ テッテッテー''

ニノウデ @nOSIBERIA

桜も花を落とし、青い葉を力いっぱいに広げた六月。 恋する少女ヤンデレ、十五歳。彼女は校門の前で「ある人」を待っていた。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:07:34
ニノウデ @nOSIBERIA

――誰を待っているんですか? 「大切な人です」 ――恋人? 「では、ないですね。まだ片思いですから」 ――まだ、ということは…。 「ええ、いずれは…ふふっ」 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:09:00
ニノウデ @nOSIBERIA

頬を微かに赤くして笑うヤンデレは、誰から見ても可愛らしい。まさに、恋する少女だ。 彼女が待っていたのは「片想いの人」。彼について訊くと、色々なことを教えてくれた。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:10:38
ニノウデ @nOSIBERIA

「身長、体重、スリーサイズ、足のサイズ、手のサイズ、家族構成、趣味、特技、好きなもの、嫌いなもの……それに、どんな女の子が好みか、とか」 彼について熱心に話している間も、目はしっかりと校舎の出入り口を見つめている。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:12:25
ニノウデ @nOSIBERIA

三十分程、校門で待っていたが、彼は現れなかった。 「今日は裏門から出たんですかね。あの人、気紛れだから…」 『気まぐれ』。そう、嬉しそうに、だが寂しそうにつぶやいた。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:14:04
ニノウデ @nOSIBERIA

「今日は諦めて、早く帰りましょう」 がっかりはしない。自分が勝手にしていることだから。 「それに、他にすることもたくさんありますから」 恋する少女には、一分一秒だって惜しいのだ。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:20:03
ニノウデ @nOSIBERIA

「この部屋はほとんど作業場みたいな感じです。カモフラージュとも言うかな?」 意外にも、彼女の部屋は「まとも」だった。 「好きな人の写真を部屋中に貼るような人もいるみたいですけど…私はそういうのはあんまり。だって、あの人を呼べないじゃないですか」 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:26:31
ニノウデ @nOSIBERIA

彼女はPCを立ち上げた。デスクトップの壁紙は初期設定のままだという。 ――今は、何の作業中なんですか? 「音声の編集です」 ――音声? 「録音した彼の声を編集して、いつでも聴けるようにウォークマンに入れておくんです。そういえば彼もウォークマン派なんです」 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:31:14
ニノウデ @nOSIBERIA

彼との共通点を見つけると、それが小さなものでも嬉しい。波形を見つめながら、彼女はそう語った。 「この音声編集も、なかなか大変ですよ。学校で録ると彼以外の声も入っちゃいますから」 彼女の作業は夕飯のあとも続いた。ようやく編集を終えると、彼女はメールを打った。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:35:08
ニノウデ @nOSIBERIA

――そのメールは彼へ? 「あ、いや…まあ、そうなんですけど、未送信のままにしておくんです」 ――それはどうしてですか? 「その…アドレス、交換したわけではないので、いきなり送れないですよ」 ――どのくらい(未送信のメールは)あるんですか? 「300通くらい…」 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:37:55
ニノウデ @nOSIBERIA

ヤンデレは形を大事にするタイプだ。いきなり『はしたないまね』はできない。 「でも、いいんです。アドレスなんてものじゃなく、私たちはもっと深いところで繋がってますから」 布団へ潜り込んだ彼女は小さく、『そうだったらいいな』とつぶやいた。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:42:33
ニノウデ @nOSIBERIA

ヤンデレの朝は早い。 ――今、四時半ですね。 「そうですね」 ――ずいぶん早いですが。 「お弁当作って、シャワー浴びて、それから身だしなみも整えるんです。彼に気に入ってもらえるように…これくらい早起きのうちにも入りませんよ」 彼女は二人分の弁当を作り始めた。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:45:10
ニノウデ @nOSIBERIA

駅のベンチ、それも目立たない隅っこで、ヤンデレは彼を待っていた。最寄駅が同じだと知ったときは本当に嬉しかったと言う。時間をちらちらと確認する彼女の表情はどことなく浮かない。 ――どうかしたんですか? 「最近、一緒に登校できないんですよ」 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:50:40
ニノウデ @nOSIBERIA

7時半。駅に人が増え始める。ヤンデレの目はただ一人、彼だけを捉えていた。いや、彼の隣にいる女の子を。 「あの子、今日も一緒に居る」 彼の隣に居るのは、ヤンデレとは対照的なショートカットに明るい雰囲気の女の子だ。 「幼馴染だからってあんなにベタベタしちゃって…」 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:53:22
ニノウデ @nOSIBERIA

ヤンデレが乗ったのは、二人の乗った車両の隣。彼らの方をちらちらと覗きながら、唇をきつく噛んでいた。 ――悔しい? 「当たり前じゃないですか」 ――彼女のことは知っていた? 「ええ、リサーチ済みです」 ふっとため息を漏らして、彼女はイヤフォンを耳に付けた。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 10:56:18
ニノウデ @nOSIBERIA

ヤンデレは成績は良い方だ。文武両道、いや、文恋両道。目指すのは彼にふさわしい女性。 「つらいことも、彼のためって考えると全然つらくないんです」 授業の一時間は全力だ。勉強の時間を他でかけたくはない。だが、時々彼の方を見てしまうのは、彼女が恋する少女だからか。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 11:01:54
ニノウデ @nOSIBERIA

昼休み。一日の正念場の一つであるとヤンデレは言う。 「彼は今まで昼食は2パターンです。コンビニで買ったパンか、食堂。今日はコンビニの袋がないので食堂へ行くつもりだったんでしょう」 ならなぜ弁当を作ったのだろうか。疑問はすぐに彼の声で解けた。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 11:04:35
ニノウデ @nOSIBERIA

「財布がない!」 財布一つで大騒ぎだ。周囲の友人たちは『ご愁傷様』と笑って、彼を残して次々と食堂へと向かった。 「では、行きましょうか」 ヤンデレは弁当を二つ持って、彼の傍まで歩いて行った。 「あ、あのっ、お弁当作り過ぎちゃったので…良かったら一緒に…」 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 11:07:04
ニノウデ @nOSIBERIA

至福の時。机を向かい合わせに並べて、自分の手料理を食べてもらえる。 「この場合、重要なのは後ろめたさを相手に感じさせることです」 ――後ろめたさ? 「貸しを作ることです。男の人って、そういうの大事にしますからね」 彼の表情を見ると、確かにどこか曇っている。 #ヤンデレ情熱大陸

2014-08-11 11:12:55