日本海に面したキャンプ場で巨人の死体を見つけた

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アドリア海 @keizi80

この前日本海に面した海辺の町に行って 砂浜にあるキャンプ場で泊まってたんだけどひどく怖い思いをした 巨人の死体を見つけた 砂に埋もれた巨人の骨を見つけてしまったのだ

2014-09-03 23:21:46
アドリア海 @keizi80

地表に露出していたのは頭蓋骨から背中にかけての一部の骨だったけれど そこまでですでに自分の身長近くはあり

2014-09-03 23:22:40
アドリア海 @keizi80

仮にそいつが普通の人間と同じ体の構造、また比率を有していたと仮定した場合 最終的には3.5メートルにはなるかと思われるまごうかたなき人骨だった。 それはひどく黒ずんではいたけど、何万年も前の化石というわけではなくて

2014-09-03 23:24:20
アドリア海 @keizi80

所々に開き、砂の入り込んだ新鮮な細孔からは そいつがつい最近まで人体の中でカルシウムの塊として存在していた気配が濃厚に伺えた。 ひどく生々しく、作り物のようにも見えなかった。

2014-09-03 23:28:27
アドリア海 @keizi80

しかしながらそれが本物の人骨であるとした場合、地球上に身長4メートル近い 人間がつい近年まで存在していて、どういうわけかこの日本海の地で朽ち果てていたという 非現実を受け入れざるを得ないこととなるのであり

2014-09-03 23:29:41
アドリア海 @keizi80

自分はしばらく己が居座る地平の在り処を見失い、呆然と立ち尽くした。 それで恐ろしいなあとは思ったのだけど、そんな骨が埋まってるなどと通報すれば 異常者と思われるのではないかという警戒心が先走ったし

2014-09-03 23:32:10
アドリア海 @keizi80

実際に警察が駆けつけその得体の知れぬ骨と相対した場合今度は何らかの曲解を経由して どこぞの殺人事件の容疑者にリストアップされる恐れもあった。

2014-09-03 23:32:53
アドリア海 @keizi80

最終的に自分はやはりこの世に巨人など存在するわけもなく、 したがって今目の前に埋まっているこの物体はフェイクあるいは幻影にすぎず

2014-09-03 23:33:40
アドリア海 @keizi80

したがってまともに相手にする必要性はないのであり、無視して帰ってかまわない という結論に達し、その日の昼前にはテントを畳んで撤収した

2014-09-03 23:34:31
アドリア海 @keizi80

ただその異様な光景は時間がたっても脳裏から離れることは無く 帰路の途上、軽食目的で立ち寄った喫茶店にて、思い切って同行していた連れに話してみる気になった

2014-09-03 23:41:10
アドリア海 @keizi80

自分が骨を発見したとき友人は近くにおらず、またその時点にいたるまでまで誰にも 骨のことは口外していなかったから、当然彼は人骨のことは知らないはずだった

2014-09-03 23:42:45
アドリア海 @keizi80

問題の喫茶店はちょうどキャンプ場のあるサイドから県境を一つ越えた地点に 建っており、今考えると心のどこかにここまでくれば「何か」に 追ってこられることもないだろうといった気の緩みが生じ 自分の口を割らせる上で効果を発揮していたように感じられる

2014-09-03 23:44:52
アドリア海 @keizi80

それでその話をすると友人は目を輝かせて 「お前なんでそんな面白いこといわなかったんだよ。それ動画サイトに上げたら 人気者になれるぞ」 とくらいついてきた

2014-09-03 23:48:00
アドリア海 @keizi80

さらに友人は「今すぐ引き返そう」とわめくのだけどそこから引き返したら2時間はかかるし それで再び家を目指せば帰宅できるころには日付が変わってしまうので自分は かたくなに拒んだ

2014-09-03 23:51:22
アドリア海 @keizi80

翌日には予定があったので睡眠時間を確保したかったし、そんなものにはもう できるだけ関与したくないという思いが強かった

2014-09-03 23:52:23
アドリア海 @keizi80

すると友人は「場所だけでも」と強くせがむものだから 自分は仕方なくあらかたの場所を伝えてその日はそれでお開きとなった 車が自分のものだったので友人もそれ以上強くは出れなかったのか、意外と素直に引き下がり 以降の車中では暢気に眠りこけていた

2014-09-03 23:53:16
アドリア海 @keizi80

そんなことがあったものだから、彼も謎の人骨については興味を失ったものとばかり思っていたので 翌日の夜になり彼から電話がかかってきて 「お前本当に巨人の骨を見たの」 といわれたときは驚いた

2014-09-03 23:54:00
アドリア海 @keizi80

どうやら友人は昨日帰宅するや朝一で再び例のキャンプ場へ舞い戻ったらしい 「骨とかないんだけど」 そういわれてしまうとまあ確かにそんなものがこの世に実在するわけがないのだし あれはただの白昼夢だったのかなあという気もしてきた

2014-09-03 23:55:31
アドリア海 @keizi80

そんなものを見た自分の精神状態に不安を感じ、近いうちに心療内科でも受診したほうがいいのかなとすら考えていると 「代わりになんか掘り返した跡があるんだけど」 と友人は続けてきた

2014-09-03 23:56:16
アドリア海 @keizi80

「お前が見たときも掘った痕跡はあったの?」 よくわからないと伝えると友人はスマホで撮影した画像を送信してきた すると確かにショベルカーか何かで強引に掘り返したらしき巨大な穴が砂浜にぽっかり開いている様子が映っていたので自分は驚いた

2014-09-03 23:58:16
アドリア海 @keizi80

自分の記憶を探る限りそんなものはどこにも存在していないはずだった 「お前さ、監視されてたんじゃねえの」 と友人は続けた

2014-09-04 00:05:48
アドリア海 @keizi80

「監視ってどういうこと?」 「だからお前が巨人の骨が埋葬されていることに気づいたやつが 掘り返しに着たんだよ」 「何のために?」 「それは巨人の骨の第一発見者の座を横取りされたくないからだよ」 そんなことを言い出すものだから自分はこれはもう相手にするだけ無駄だと諦めた

2014-09-04 00:06:46
アドリア海 @keizi80

浜辺に刻まれた掘り返し跡はそれはそれで気になりはしたが、 だからといって彼が主張するような陰謀論に付き合う気には到底なれなかった それは余りにも現実味を欠いた憶測だった

2014-09-04 00:07:27
アドリア海 @keizi80

友人はなおもしばらくその場にとどまって調査を進めると言い張った その男はかねてより雑誌記者志望だとか称しており、

2014-09-04 00:08:14
アドリア海 @keizi80

その割りに実家の飲食店の手伝いをしつつろくな業績を上げることもできず 日々鬱積を募らせているようだったのだが、この期を絶好の機会とでも 判断してしまったのかもしれない

2014-09-04 00:09:57