秋本音楽事務所『安芸門徒楽団vol.1』全曲解説③最終章

秋本音楽事務所 @akimotonari

本日、遂にアルバム『安芸門徒楽団Vol.1』(AMO-9894)リリース！10人中、絶対2~3人は気に入るはずの会心の一枚ですので、1,500円ですがよろしければ。 pic.twitter.com/dFlp6IzEX2

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『安芸門徒楽団Vol.1』アルバム解説！ もう発売から1ヶ月以上たちますが、お陰様で売り上げの方は…。名盤は売れちゃいけません！ 村山タイソンとバチ山からバトンを受けて、忘備録とタネ明かしというつもりで長く濃く今後不定期に書いていきます。望まれてないからこそやるのがAMＯ。

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皆さん寝る時間になったので、ぼちぼち始めます。 曲ごとのレビューでは書けない内容も随時入れます。歴史好きはつい制作過程を時系列で延々と述べがちなので、それは何か別の機会に。 まずは概要から。

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『安芸門徒楽団vol.1』１　コンセプト 目指したのはドタバタ音楽喜劇。架空バンドの体裁はサージェントペパーズ、シンメトリーな構成は 加爾基 精液 栗ノ花、タイトルは多羅尾伴内楽團、全体的にはナイアガラトライアングルとLET'S ONDO AGAIN。根底はナイアガラ追悼盤。

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『安芸門徒楽団vol.1』２　裏方 影の主役はマイク＆タイソンのご両人。極力一発録音とした音作りの村山タイソン、アートワークやお笑い監修などの津田マイク。この両軍師の采配によりアルバムが具現化。そしてバッチグー山本。マスタリングは勿論、実は15の内4トラックの録音・Mixを担当。

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『安芸門徒楽団vol.1』３　悩み 1月に開始した録音は、ドウゲンが3月中で広島を去ることも決まっており、またスタジオ代軽減のためリズム隊の録音を早く終える必要がありました。しかし、特にベースの選手などの日程調整で毎回悩みました。また未知数のトラック8についても相当悩みました…。

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４　曲順 1月12日のミーティングの時点で、録音どころか曲も殆どできてもいないのに全15トラックの大まかな順番を決めていました。録音終盤に最終決定しましたが、できた曲どれもここしかないという位置にはまり、一同異議なし。オムニバス色を払拭し「流れ」ができました。 次からは曲のお話。

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５ 「AMOファンクラブ」 冒頭は2003年から変貌を続けたテーマ曲。｢お前はアホか？｣の使用は本家から駄目出しされ、皮肉で節と歌詞を逆にして「私はアホだ」。ベタなブルース進行でもドウゲンはG直後のC7を殊更嫌がりました。AMOの臭気を凝縮しましたが、Fanclubはできません。

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「AMOファンクラブ」補足 エンディングは、私が何度もピタッと止めろといっても「あ･ほ･だ～」と伸ばしてしまうタケウチ君の自分への嘆きと選手達からの失笑！

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６「シャイニングスター☆き・ら・ら」 続いてモリソンぽくないシガスカオ風？16ビートファンク。が、アレンジを決める作曲者からはデモも詞もコードも出されず、その場でくみちゃんが手振りで演奏進行の合図する無茶なリハが本チャン録音に…。が、ラップとラッパで化けました。あとドラムも素敵！

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7 「good music good life」 ドウゲンらしく絶望感をひたすら嘆くのみ。でもたまに楽しいことがあると知って少し安心。ドウゲン移住前後の録音であり、トウサンのベース、モリソンのガットギター、公美ちゃんのペットどれも切なく儚い。それでも毎日はやってくるんですね。

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8 「不正疑惑」 当初マイクの提案でスキットを入れる話があり、TR4,12はコントに。4月にイズミさんとやったコントをベースに台本を書き、タイソンの提言でライブ録音。森繁の社長を目指したものの、サトシのアドリブ攻撃にたじたじ！フリップ、お客さん、時事ネタどれも再現不可能です。

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9 「ダイナマイト」 タイトルと全く乖離したサウンドと歌声。OLの気持ちを歌ったそうですが、よく聴くとこれは絶望感？でもシリアスでもナンセンスでもないこの浮遊感こそサトシの世界。バスドラは初め3号さんのアイデアで後日トウサンが叩きましたが、タイソンがミックスで辛苦しましたねー。

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10 「阿呆まつり」 Tr6は同名主催ライブのテーマ曲として作り、タイトルは藤山寛美、サトシとの掛け合いはナイアガラ、メロディーはロイオービソンとパロディだらけ。録音は初日の1月19日。3月16日にリードギターとラッパとコーラスを追録し、頭に鳴ってた通りの音が入り感無量でした。

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11 「うぃ〜くえんど」 3MCとなったSGP。3者各人の生活をリリックにしたオムニバスストーリーなのに、サビで上手く一体化する斬新な構成。バチ山邸での録音は、面白いアイディアが出るとその場で録音していくスリリングなもの。結果、私もマイクの指導の元、曲紹介をすることに。今が幸せ！

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12 「隣の人」 アルバムの中心Tr8は、SGPからの流れが偶然か必然かバッチグー！1.12の協議でユウタから官能小説朗読の提案に、一同悪ノリ。タイソンとは何度も議論し悩み、出てきた台本をファミレスでマイクと叩き、大幅修正しフリップでの公開録音へ。正直本人も私もヒヤヒヤでした。

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13 「クロワッサン」 朗読の汚れを浄化するTr.9。録音帰りにくみちゃんに何か作る？と打診しできた「居候」を本人が没にし、作り直した自動車教習所の唄。ナイアガラ→スペクターを意識し、女性ポップスなのでトウサンにあのリズムで叩いてもらいました。今聴くと松たか子「黄昏電車」に近い。

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14 「I wana be your saturday night」 本作で人気の名曲は3.16から4回に分けて録音し、更に東京でドウゲンがギターを追録。タイソン、モリソンと私で入れたダサい合唱が楽しすぎてOKテイクに。基本サトシの采配で、唄のアクセントの強調だけは助言しました。

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15 「グラジオラス」 録音直後にスタジオへ着いたら一同「来なくてよかったのに」…。ザ・モリソン節！ですが同名曲が他に2曲あり。アルバム中最もディープなパートで、3号さんのノイズが暗鬱感を増幅するため、ミックス時はそこをめぐるモリソンとのせめぎ合いでした。ライブでも観てませんね。

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16 「女性問題」 暗鬱な空気からエンディングへの転換点。次曲へ繋ぐために女性と音楽を絡めたネタを構想。当初オザケンネタだけの台本を書いたものの、マイクに相談して修正。私の結婚話は事前にタイソンがサトシに推した模様。終盤のエルヴィス！は下半身絡みのアドリブ。5.22フリップ録音。

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「女子好」 女子という漢字を見てて浮かんだタイトル。不愉快なことをネタにして、徹底した言葉遊びをしつつ、暗に批判した「裏がある」1曲。じょし、がある、を極めた歌詞は相当練りました。お気に入りだったトウサンとドウゲンとのAMＯトリオで録音した唯一の音源で、雑談も含めて全て一発録音！

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歌詞原稿を発見。こんな馬鹿げたことに何日もかけてどれだけ時間を浪費したか、今更ながら実感。 pic.twitter.com/A9MXPiPgR7

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18 「グッドバイ」 録音初日の最初の曲がグッドバイだったとは何かの因縁。最初にアルペジオをガイドVcなしで1人延々と弾きました。タイトなリズムにリバーブの浮遊感が、生きたくはないのに死にたくない感情を象徴。この曲が終盤にあるからアホが活きます。ドウゲンはその後リアルグッドバイ！

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「グッドバイ」といえば昨年の9.29、マリーナホップでの甲冑ライブが忘れられません。 この恰好で二人で「死にたくない、死にたくない」とハモりましたね～。 pic.twitter.com/6ze7UmkPYG

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