アームヘッド第二章、パニッシュメント3

エクジコウとの決戦。そしてエピローグです。過去編からの続きとなります。
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マキータ @makitateriz

◎ファントム◎ アームヘッドが進化するにつれ、人工知能でアームヘッドを操縦するシステムが発展した。やがて一部のアームヘッドはパイロットを乗せずとも自律行動が可能となった。だがそれはアームヘッドの最終反乱の引き金となった。古代の意思は確実に明確に目覚めていった。彼らこそ真の支配者。

2014-08-18 21:01:08
マキータ @makitateriz

アームヘッド・ヴァーシズ、第二章パニッシュメント(第五部) アフター・ザ・レジェンド編 ファントム・アウェイクニング

2014-08-18 21:03:08
マキータ @makitateriz

カッフェ。ウエイトレスが注文を取りに来る。「ハッピードーナツセット五人前」「アイスコーヒー、一つ」俺たちはあれからまたしばらく旅をした。もはやムスタングは襲ってこず気楽な旅だと言えた。だがエクジコウの襲来は一刻一刻と近づく。「ファントムっていうアームヘッドを知っているか」

2014-08-18 21:06:32
マキータ @makitateriz

不意に幸太郎が言った。「ファントム...?」「人工知能搭載型無人アームヘッドだ」「それがどうかしたのか?」「村井研究所のライバル菊田重工のファントムがエクジコウと交戦したことがある」「それが...」「そのファントムの名はラグナロク、スカージ同様にセブンシスターズだ」

2014-08-18 21:10:04
マキータ @makitateriz

「スカージと同格のアームヘッド...」「それをエクジコウは撃退した」「奴はスカージよりも強いのか?」「どこで彼が撃退されたかわかる?」ウエイトレスが話に割り込む。「誰だお前?」幸太郎の口にドーナツを突っ込みウエイトレスが幸太郎の質問に答えた。「私はエイワズ、人間型ファントムよ」

2014-08-18 21:13:39
マキータ @makitateriz

「人間...型?」「アームヘッドはもうこれだけのサイズに小型化できるようになったわけ」「じゃあ一体誰がしゃべっているんだ?」「私よ!私自身よ!私はもう一個の人格だわ」「失礼したな...」俺は困惑する。融合?それとも?「まあいいわ、ニンゲンに私たちの気持ちはわからないわ」

2014-08-18 21:17:03
マキータ @makitateriz

「モグモグ...確かにトンドルにいると言うはなしは何度か聞いたが、お前がわざわざ伝えてきた意味は?」エイワズは胸元を見せる。メイド・イン・キクダの刻印。「ムライにも手伝って貰いたいわけ。すでにやつらの手先がやって来ているわ」続く。

2014-08-18 21:23:44
マキータ @makitateriz

ファントム・アウェイクニング2 村井研究所と菊田重工はライバル関係にもあるが、ファントムの共同開発など協力している分野もある。御蓮にある研究所、そこに俺たちは来ていた。「くー、久しぶりの御蓮だぜー」幸太郎が背を伸ばす。研究所のシャターが開き中へ入る。エイワズに研究員達が挨拶する。

2014-08-19 20:59:22
マキータ @makitateriz

「もう、人間型ファントムって受け入れられているのか...」「ここではね、進んでいるでしょう?」アームヘッド格納庫へと向かう。「ファントムの他に研究していた新型を届けて貰いたい」白いアームヘッドが目に入る。"バルドル"。「バルドルは神話機関搭載型アームヘッド、そして複座機」

2014-08-19 21:02:44
マキータ @makitateriz

「バルドル...」「ホッドミーミルの最終機、アームコアから直接エネルギーを取り入れ、ダブル調和システムを試験導入しているってお父様、菊田武蔵博士が言っていたわ」「俺たちに乗れるのか?」「パイロット互換調整が可能で他のアームヘッドとは違うの」「なんだそれは...」

2014-08-19 21:05:58
マキータ @makitateriz

「あなた方に戦わせたくない人達がいるみたいね、この機体はお嬢さんに渡してと言う算段よ」「雪那にか」「どうして?誰が?」「さあね」...そして、バルドルに乗り戦場に向かうと巨大なアームヘッド。天まで届くかのような巨木。俺と幸太郎はアームヘッドを渡し決着を眺めた。

2014-08-19 21:09:06
マキータ @makitateriz

ムライユキナの気迫に気圧された俺たちはバルドルを明け渡した。だが複座機には二度と乗るまい。とくにコイツと一緒は二度と。続く。

2014-08-19 21:10:39
マキータ @makitateriz

フォールン・エンゼル 俺はしばらく御蓮に居つくことになった。これは偽名での滞在である。かつてのリズのパイロット、マキータ・テーリッツが敵対国についたとなればリズは黙っていまい。この秘密を知るものは多くない。幸太郎や村井所長、新しい同僚たち。研究所直属部隊マーダーエンゼルだ。

2014-08-20 19:48:34
マキータ @makitateriz

マーダーエンゼルには俺のような訳ありのメンバーが多い、アームヘッドで研究所を襲ってきた元テロリストすら加わっているらしい。そのような組織なのでかつてのオラクルス(かつての名だ)時代から裏切り裏切られの歴史が続いている。マーダーエンゼルは対アームヘッド戦のエリートであり切り札だ。

2014-08-20 19:52:37
マキータ @makitateriz

裏切りの歴史でさえそのトライアルに過ぎない。そして俺のテストが始まった。目の前の少女、村井雪那が俺を試す。続く。

2014-08-20 19:54:14
マキータ @makitateriz

フォールン・エンゼル2 再びカッフェ。俺がいるのは御蓮中枢都市皇京だ。といっても首都特別区部ではない、市町村側の西のほうである。目の前には冷たい目の少女村井雪那である。「いつものをくれ」「ドーナツ五人前ですね」エイワズが答える。「いつもいるのか...」「アイドルを目指してるので」

2014-08-21 20:58:56
マキータ @makitateriz

「私はロールキャベツを頼むわ、あとペペロンチーノとハンバーグ、ゼリーフライもお願いね」「かしこまりました」「ペペロンチーノ...」「食べたいの?」俺は代替特異点を思い出す。「いやいい」「分けてあげないからね」「あ、はい、どうぞ」ずいぶん頼むな...。「ところでアムヘ上手いの?」

2014-08-21 21:02:50
マキータ @makitateriz

「うーん、まあ唯一の特技だな」「お父さんに勝ったってのは本当?」「お父さん?幸太郎のことか」「そう、村井幸太郎」「へー、結構似ているな」「...。え、そう」雪那の表情がなぜか緩む。「あれはほとんど俺の敗けのようなものだ」「そうよね、リズの三下がセイントメシアに勝てるわけないもん」

2014-08-21 21:06:15
マキータ @makitateriz

ちょっと俺はムッとする。どうやら表情にも出たらしい。「私と勝負しなさい、あなたの自信とやらを打ち砕いてあげるわ」「自信だなんて...」とはいったもののセイントメシア以外には負ける気はしない。だが雪那もまたセイントメシアの乗り手だったのだ。続く。

2014-08-21 21:08:58
マキータ @makitateriz

フォールン・エンゼル3 夏!俺は船の上。南の島へ向かう。だがバカンスではない。度入りサングラスの幸太郎がクルーザープールサイドのチェアーでフルツミクスジュースを飲んでいるがバカンスではない。少なくとも俺にとっては。雪那はプールで泳いでいるがバカンスではない。筋肉質のボディガード。

2014-08-22 21:42:55
マキータ @makitateriz

ボディガードはこちらを見ている。身長は高い。サングラスをしている。筋肉質の体。「ギョウコウも泳いだらどうだ」「兄さん、僕が泳げないの知ってるでしょう」ボディガードではないのか。「マキータさん、村井行幸です、よろしく」筋肉質がいう。「どうも」「もうすぐ着きますよ」

2014-08-22 21:45:59
マキータ @makitateriz

クルーザーの後ろにはアームヘッド輸送船。南の島でテスト演習をするのだ。相手は村井雪那である。セイントメシアが相手だがこちらもセイントメシアだ。負ける気などない。南の島で演習をするのはそこが研究所の私有地でまわりに迷惑をかけずにできること、それと機密の防衛のためだ。

2014-08-22 21:49:03
マキータ @makitateriz

やがて船が港につく。別荘と港だけの小さな島だ。埋め立てたような低い島でとくに珍しい動物もいない。「今日はもう遅いので寝てください、明日演習ですよ。まあ形式的なものです。あまり緊張しないでくださいね。あとドーナツです」「ありがとう」雪那と幸太郎はもう部屋にいった。次の日。続く。

2014-08-22 21:53:19
マキータ @makitateriz

フォールン・エンゼル4 翌朝!早起きした俺は昨日目ざとく見つけたイミテーション滝へと向かう。一度シュッギョというものをやってみたかったのだ。しかし滝に近づくと水しぶきのスプラッシュ音に加えてうなりごえが混じる。滝が割れている。いや一人の男がいる。「おはようございますッ」行幸だ。

2014-08-23 18:44:36
マキータ @makitateriz

イミテーション滝というのはプールの飛び込み台めいた構造物の上から水を落とす、何が目的なのかよくわからない構造物だ。「グッドモーニング、ミスターテーリッツ」行幸が挨拶する。「おはようございます」「もういいのですか?兄も雪那ちゃんも朝弱いのでテストはたぶん昼過ぎになりますよ」

2014-08-23 18:48:23
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