茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1321回【チョキチョキの思い出】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート１３２３回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、なんか思い出したこと。

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ぼくは、News sourceという公開リストをつくっている。 twitter.com/kenichiromogi/… 今朝、ここに、へんなニュースが流れてきた。失言おじさんのニュースなのだが、そのジェスチャーを見て、あーっと思い出した。 i100.io/6Xp8NtU

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両手を挙げ、チョキチョキみたいにするジェスチャー。これ、最初に目撃した瞬間を鮮明に覚えていて、２０歳過ぎのとき、日米学生会議に参加したとき、アメリカのたしかシカゴあたりで、アメリカ人が、この「チョキチョキ」をやっているのを見て、「なんだ、これは！」と思ったのだった。

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「バルタン星人みたいだ！」と思って、「しかし、アメリカ人が、バルタン星人やるはずがない！」と考えて、それから、いろいろな人が案外頻繁にこの「チョキチョキ」をやるのを見て、しばらく経ったあとに、文脈から、「あっ、そうか、クオーテーションマークか！」と気付いたのだった。

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両手をあげてチョキチョキすることが、”　　”　のかたちをしているから、クオーテーションマークの意味になる。「いわゆる」というか、「言うなれば」というか、そういう意味で使うチョキチョキだが、最初にチョキチョキを見て、その後数回くらい、このチョキチョキがなんだかイヤだった。

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今朝のニュースのオジサンもそうだけど、チョキチョキしている人が、なんだかドヤ顔っぽく見えたのである。賢い議論しているボク、とか、ちょっとニュアンス考えている私、みたいに見えたのと、日本語にはないジェスチャーだから、いかにも英語っぽいというか、バタくさいというか、そう思えた。

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思うに、あれは、初めて見たチョキチョキ（日本の学校の英語教育では、たまたま習っていなかった）に対する、脳の驚きの反応であると同時に、拒絶反応だったのだろう。ところが、ここからが情けなくて、アメリカ人がチョキチョキやっているのを見て、自分もチョキチョキやりたくなってしまった。

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最初は、「チョキチョキなんて絶対にイヤだ！」「チョキチョキやっている自分なんて、考えられない！」と思っていたのが、「いや、チョキチョキもいいかもしれない」「ちょっと使ってみるか」に変わっていった。そして日米学生会議のある日、ニューヨークだったかもしれぬが、ついにやってしまった。

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国際関係か何かについて話していて、いわゆる「平和主義」みたいな感じで、チョキチョキやってしまった。両手をあげて、チョキチョキした瞬間、何か、自分が今までと違う存在になったような気がした。そして、相手のアメリカ人が特別なことではないようにスルーしたのに、ほっとしてがっかりした。

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本当にどうでもいい、小さな話なんだけど、一つのジェスチャーと出会って、それを自分もやってしまって、何か変わった気がした、青春の思い出である。ちなみに、ボクは最近はチョキチョキはあんまりやらない。でも、今度、またやってみてもいいかなと思う。みなさんもチョキチョキ思い出ありますか？

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以上、連続ツイート１３２３回「チョキチョキの思い出」をテーマに、９つのツイートをお届けしました。