閻羅王に翻弄される男の話

創作脳があらぶったので日々こつこつ書いています。 閻魔王の補佐をしていたという逸話が残っている小野篁の話。 思いついた順に書いているので時間軸とかバラバラ。 続きを読む
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(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

IDカードを忘れ事務室に戻ると、男がまだ一人必死にキーボードを叩いていた。「残業か」声をかければ達観した視線が迎える。「また裁判があるからな」「お前も大変だな、一番初めに死んだばっかりに」「何、慣れてるさ」閻羅は疲労に笑う。さて、次に振り分けられる魂は如何様か。 #twnovel

2010-11-14 19:17:41
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

こないだの閻魔ネタを相方を改めて泰山府君に置き直し短編化しておいた。

2010-11-16 21:08:55
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さっきの閻魔ネタの続きだけど、閻魔含む十王と泰山府君と小野篁かき集めてしゃかしゃかすると壮大な萌えと燃えが来ると思うんだけど誰か書かないかな? あ、私か!の結果↓

2010-11-16 23:19:34
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

唖然とした、とは的確な表現である。審判は一時後には開始。なのにこの未処理の山は何だろう。何故肝心の御仁はいらっしゃらないのか。停止しそうな思考を叱咤し、懸命に彼の行きそうな先を抽出する。《書記》にバレたら大変だ。まずは日頃の心労を込めて叫ぶ。「仕事しろ、閻魔!」 #twnovel

2010-11-16 23:18:47
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

超有能な閻魔と超適当な閻魔どっちがいいかな。あと個人的には閻羅って言い方のほうが好き。ちなみにさっきのの視点は篁のつもりー

2010-11-16 23:21:51
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

小野篁もえ。猫の子の子猫、獅子の子の子獅子。

2010-11-16 23:27:32
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篁書くなら紫式部白居易も入れたい。篁物語なんてあるのか。読んでみたい。

2010-11-16 23:33:13
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「火急か」回廊にて声をかけられ血の気の引く思いがした。「命を賜り、所用を」努めて冷静に応えるが、その眼が細まる度にボロが出そうになる。「時に閻羅だが」泰山王は含み笑う。「今日は珍しく物静かにいるようだ。流石は沙汰の前と云う所。のう篁」今や事態は一刻を争うらしい。 #twnovel

2010-11-17 01:21:27
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

寒天の下に漸く探し人を見る。腰に下げた時計の砂は僅かで、それが落ち切る前に私達は戻らねばならない。「お前も座れ」無視を貫けど彼の暢気さに変化はない。「ちゃんと務めを果たして下さい。貴方にしか出来ない任だ」「数時位見逃せ、何せ、俺はもう何千年と働いて来たのだから」 #twnovel

2010-11-17 20:45:32
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私の中で閻羅王の設定が確立した瞬間である。がんばれ篁。

2010-11-17 20:47:37
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「貴方は数時と仰った」遂に死者として彼の前に立つ。初めて見る閻羅の王たる姿に気圧されつつも論ずる。「貴方には取るに足らぬ刹那でも、私達生在る者には永劫なのだ。我として二度と繰り返せぬ生の最後を無碍にするのか」愉快そうに王が笑う。「残念ながら、もうお前も此方側だ」 #twnovel

2010-11-17 20:58:07
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

「計らって欲しい?」閻が怪訝な声をあげた為、男は一から説明を繰り返さねばならなかった。「まさか野狂から頼みとは」椅子で胡座をかき、悪戯に笑む。「それで、答の程は」「是だ。彼女の書く物語は面白いからな」「もう少し考えては如何か」「悔しければお前も色事等書いてみろ」 #twnovel

2010-11-18 00:53:55
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

獅子は何れが好きか等とふざけたことを聞かれたので、精一杯の批難を込めて睨んだ。「盗み見とは悪趣味ですね」「それは人聞きの悪い。だが、『嵯峨無し』は拙いだろう」これには曲げることは出来ぬと応えた。閻はにたりと頬杖を突く。「お前、いつか流されるぞ」「望む所です」 #twnovel

2010-11-19 00:35:59
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

毎夜の如き務めに上がったにも拘らず、仕えるはずの閻羅王は物語などに興じている。「珍しく机に向かっていると思えば」「何を言う。文学とは善いものだぞ」そう言って繰る本の表紙には見覚えがあった。「私は歌の方が好きですがね」何となしに、今日ばかりは仕方ないと息を吐いた。 #twnovel

2010-11-19 00:52:14
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

「お前は漢詩を嗜むか」大和男を捕まえて何事かと聊か面食らいながら、篁は肯定を返す。見れば、王は海を隔てた隣国の詩を眺めている。「何か詠めと仰りますか」「否、お前に会いたいと言う者がいるらしい」名を耳にして、先達ての遣り取りを思い出す。「酔狂な奴だと思っただけだ」 #twnovel

2010-11-21 00:05:40
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

「泰山府君!?」余りにも大声で驚く為に、珍しく閻のほうが眉を寄せる。「それはあの泰山府君ですか」「生者には何人も泰山王が居るのか」「いえ、まさか大層な方にお目にかかれると思わなかったもので」「お前、自分が誰の前に居るか忘れてないか」そう零し、閻羅王の頬が膨れる。 #twnovel

2010-11-21 00:16:04
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

「魂を選別するとは、どのようなものですか」昔、愚かにもそう訊ねたことがあった。若輩者の言葉に閻は心底愉快そうに笑った。「あれは至極簡単だ」紅い唇がにやりと上がる。「手に取った時、大人しくしていないものを地に放ればいい。後は勝手に己が生涯を想うだろう」喉音が響く。 #twnovel

2010-11-23 22:56:34