ラバウル少佐日誌:AL/MI作戦編其ノ参

艦これ二次創作小説です。 空母艦娘及び航巡艦娘のキャラ崩壊、あと若干のグロ注意です。
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檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「成る程……それは痛ましい事件でしたね、龍驤」 広い和室の真中に、ぽつりと彼女は正座していた。 血色を失い土気色になった顔を俯かせ、雨の日の捨て子犬の様に身を震わせる龍驤。 一段高くなった部屋奥に鎮座する赤城は、彼女を目の前に少し困った風の表情を見せる。#ラバウル少佐日誌(26)

2014-09-16 00:25:10
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「スマン……こんな、空母艦娘全員の誇りに泥を塗る様な……!」 「いいえ、龍驤さん」 加賀が、彼女の言を塞ぐ。 「私達一航戦の誇りにさえ、泥が引っ掛かったも同じです」 「ああああうう……」 どす、どす、と龍驤は頭を畳みに打ち付け始める。#ラバウル少佐日誌(27)

2014-09-16 00:34:20
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「まあまあ、加賀さんもそんな突き放す様な事言わないでさあ」 「あなたと赤城さんは甘過ぎるわ。幾ら『私達の』龍驤とはいえ、この様な失態……」 「うーん。でも、私ならそんな事になったら、そのまま食い逃げしますけどね、加賀さん」 加賀は溜め息をついた。#ラバウル少佐日誌(28)

2014-09-16 00:38:49
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「でも、これは由々しき事態ですよ、赤城さん、加賀さん。たった一人の航巡如きが私達を踏みつけにして、艦隊の支配権を奪おうとしてるんですから」 「あなたの心配性は杞憂が過ぎるわ、蒼龍」 「でもこのままは良くないよ、加賀さん」 「ええ、そうね、飛龍」#ラバウル少佐日誌(29)

2014-09-16 00:43:49
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

腕組みする加賀は…… 「瑞鶴の時の様に『摘んで』しまいましょう」 ぼそりと酷く冷たい調子で呟く。 瑞鶴の名を聞いた部屋の左に座る飛龍と蒼龍は、瞳が震えていた。 部屋の右に座る翔鶴は顔を俯け嗚咽を上げ始めた。 だが彼女の隣、当の瑞鶴は静かに目を瞑るだけだ。#ラバウル少佐日誌(30)

2014-09-16 00:48:59
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「顔を上げて、龍驤」 「はいっ!」 見開いた目には涙の溜まった、必死の形相の龍驤。 その目は、深海棲艦よりもおぞましい感情に満ちていた。 「……少し加賀さんと3人で話がしたいわ。他の皆は、今日はおやすみなさい」 「え、でも……」 「大丈夫よ、飛龍」#ラバウル少佐日誌(32)

2014-09-16 00:55:42
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

すごすごと戻る飛龍、彼女の手を引く蒼龍、そしてよろける翔鶴の肩を抱き、最後に部屋を出たのは瑞鶴だった。 「……ケジメ、つけますさかい」 「良い心意気ね」 「そういう事じゃないわ、加賀さん、龍驤」 勝手に結論を急ごうとした二人を、赤城は食い止める。#ラバウル少佐日誌(33)

2014-09-16 01:10:22
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「私に良い考えがあるの」 「と言いいますと?」 「三人の時くらい敬語はやめて欲しいわ、龍驤」 「あー……うん、ごめんな」 「それで、どの様な考えが?」 加賀の顔が、赤城に近付く。 その怪訝でありながら、然し確信も抱かれた表情に、赤城は優しい笑顔を返す。#ラバウル少佐日誌(続く)

2014-09-16 01:14:40