アーバン・レジェンド・アブナイ #4

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナムアミダブツ!イシカワは為す術無く、このまま発狂マニアックの手で凄惨な死を迎えるのか!?その時……(((左手がいける…?)))脳内物質分泌が持続する中、イシカワの精神が発狂一歩手前でチューンされ、冴えた。拘束具を一カ所ずつ動かし、左手部の軋み音の微かな違いに気付いたのだ! 23

2014-09-19 01:07:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

密かに手首を捻る。シゲオは気付いていない。いけそうだ。あと少し時間があれば!だがもう質問は、あの日の終わりへと差し掛かろうとしている!(((ナムサン……!)))「大金はシャバに隠したな?趣味でドネートしているのは嘘だな?」減点覚悟でイシカワは叫んだ。「本当だ!証拠がある!」 24

2014-09-19 01:10:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「証拠がある?」シゲオは配膳カウンターにハンドドリルを置き、拘束寝台を振り向いた。(((ナムサン……こっちに来るな……来るなよ……!)))イシカワは祈りながら左手を動かし、同時に返事を返す。「そうだ!そのIRC端末で接続できるぞ!俺のアカウントを言う!」死のマルチタスクだ! 25

2014-09-19 01:14:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

何故かシゲオは却下しなかった。イシカワは手首を必死で捻りながら、息をついた。「いいか!俺がこれから言う会員制の難病ドネートIRCに接続してくれ!アドレスは……!」「……」シゲオは目を警備マッポのIRC端末に落とす。アカウント情報入力中に、イシカワの左手が……拘束を脱する! 26

2014-09-19 01:21:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

イシカワが拘束され、端末を操作できないのが、逆に幸運であった。彼は口頭でゆっくりと情報を告げる。その間に左手を忍ばせ、次は腰の拘束具へ。「パスワードは」シゲオが問うた。イシカワが答えた。通った。アカウントは実在したのだ!「……」シゲオは手を震わせ、画面を食い入るように見た! 27

2014-09-19 01:27:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「履歴を……頼む!」イシカワが問う。腰の拘束が外れた。身を起こし……右手へ!「見ている」シゲオが声を震わせ言った。「最後の履歴を知らないんだ!お、俺のドネートで、彼女は助かったのか?ツキヨ=サンだ」「……助かった」「ブッダ!」イシカワは感情の爆発に堪えきれず、嗚咽を漏らす! 28

2014-09-19 01:33:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何てこった……何てこった」シゲオは座り込み、IRC端末を見ながら頭を抱えた。「つまり……奴は悪魔の軍勢ではない…?」「これで解ってくれたか!?俺にはシャバの埋蔵金なんて無い!」イシカワは寝台の上に乗ったまま、ついに全拘束を脱した!無論、狂人に対し細心の注意を払ったままで! 29

2014-09-19 01:43:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フゥーッ、フゥーッ……そんなはず無い…ありえない事だ……いや!だが!もしかすると!」シゲオは何かおかしな様子で自問自答を始めた。イシカワはこのまま説得を続けるべきか考え、その選択肢を一瞬で否定した。シゲオはこちらに全く注意を払っていない。イシカワは密かに、寝台を、降りた。 30

2014-09-19 01:46:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「俺は嘘をついていたぜ!」シゲオが目を落としたまま笑った。イシカワは忍び歩きを止めた。「オイランが俺の姉だと言ったよな!あれは嘘だ!嘘だと解っていたよな?」「大丈夫だ、落ち着け」「気に食わねえパラディンを殺し、取り分を増やす方便さ!皆、俺のような人間ばかりと思っていたぜ!」 31

2014-09-19 01:51:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

イシカワは返事をせず、戸口へと忍び歩いた!バチバチとLEDボンボリが火花を散らした!「とんだ勘違いだった!俺は天使の軍勢になんざ、属していなかった!俺はやっぱりこれだったんだ!」シゲオは顔の人工皮膚を裏返し、傷だらけのスラッシャーになって笑った!「俺は悪魔の軍勢にいた!」 32

2014-09-19 01:55:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「全て辻褄が合った!ツキヨという女が天使の軍団長!お前に命令を下し操っていたのだ!」シゲオは狂気とニンジャめいた暴力殺戮衝動に支配された!ナムサン!過去のNRSが彼の精神に異常を与えているのは明らか!「お前の脳内には天使どもが使う最新バイオ兵器の設計図だ!今取り出して……」 33

2014-09-19 02:03:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シゲオは赤熱したハンダごてを持ち、立ち上がった!そしてストレッチャー寝台へ歩み寄る!「……」シゲオは短い沈黙の後、再び怒りに泡を吹き、娯楽ホールの戸口を振り返った!「……イシカワアアアア!逃げたなアアアアアア!」「アイエエエエエエ!」イシカワは既に暗い廊下を駆け抜けていた! 34

2014-09-19 02:10:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「全て辻褄が合った!ツキヨという女が天使の軍団長!お前に命令を下し操っていたのだ!」シゲオは狂気とニンジャめいた暴力殺戮衝動に支配された!ナムサン!過去のNRSが彼の精神に異常を与えているのは明らか!「お前の脳内には天使どもが使う最新バイオ兵器の設計図だ!今取り出して……」 33

2014-09-19 14:45:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シゲオは赤熱したハンダごてを持ち、立ち上がった!そしてストレッチャー寝台へ歩み寄る!「……」シゲオは短い沈黙の後、再び怒りに泡を吹き、娯楽ホールの戸口を振り返った!「……イシカワアアアア!逃げたなアアアアアア!」「アイエエエエエエ!」イシカワは既に暗い廊下を駆け抜けていた! 34

2014-09-19 14:45:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッ!ハァーッ!」イシカワは暗い閉鎖棟を死に物狂いで駆ける!シゲオを振り切るため、小刻みに角を曲がりながら!鉄格子窓からの明かりで辛うじて視界を確保。構造がニワトリ棟と同じならば、ここは3階だ。外は激しい重金属酸性雨!雷光!ネズミ棟に近づくマグライト光の群!救援か!? 35

2014-09-19 14:53:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

マグライト光の群れは1ダースほど。中庭からネズミ棟に向かって近づいてくる。捜索中らしく、光は全方向に向けられ歩みは遅い。もどかしいほど遠い!「助けてくれ!ここだ!」イシカワは錆びた鉄格子を掴み、3階の割れた窓から必死に助けを求めた!凄まじい重金属酸性雨が彼の声を塗り潰す! 36

2014-09-19 14:59:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イシカワアアアアアア!」後方、廊下の角から再び追跡者の獣じみた叫び声が聞こえる!「ニューロンを見せろォオ!」「アアアアーッ!」イシカワは窓の鉄格子を必死で揺らすも、破壊不能!これ以上のタイムロスは死!「アアアアアアアアーッ!」イシカワは救援呼びかけを諦め、再び走り出した! 37

2014-09-19 15:04:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BLAMN!イシカワが廊下を曲がり切った直後、彼の後方をマッポガンの銃弾が掠める。ナムサン!シゲオは片手に銃、片手に赤熱ハンダごてを持ち、異常興奮状態で追跡してくる!「アイエエエエエエ!」イシカワは非常階段がシャッター封鎖されている事に気付き、別ルートを探して廊下を駆ける! 38

2014-09-19 15:09:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」朽ち果てて床に転がった防弾フスマを踏み越え、イシカワは警備職員用の事務室へ!ここは広く、出入口も2カ所あり、ガラス窓からは2階の室内運動場を見渡せる作りになっていた。ガラスを割って飛び降りるか?「イシカワアアアアアア!」廊下から追跡者の声! 39

2014-09-19 15:14:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

イシカワは室内運動場を一瞥した。この高さから飛び降りて、逃げ切れるのか?負傷したら?他に道は無いのか!?奴は鍵束を持ち内部構造にも精通している!裏をかかねば逃げ切れぬ!「イシカワアアアア!」「アアアアーッ!」CRAAAAASH!床に放置されたフクスケを投げつけガラスを粉砕! 40

2014-09-19 15:21:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……フゥーッ!フゥーッ……!」追跡者が警備室に入ってきた。室内を猛獣めいた目つきで見渡し、赤熱ハンダごてを掲げながら、割れたガラスの方向へ向かう。(((ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ!)))イシカワはそれを後方から見ていた。イシカワは何処に!?部屋の隅のロッカーの中だ……! 41

2014-09-19 15:26:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

イシカワは口を手で押さえ、息を殺し、放置ロッカーの歪んだスリットからシゲオの挙動を観察していた。何故飛び降りなかったのか?上からの銃撃に対し無防備になるからだ。銃を持つスラッシャーに背をさらして逃げるのは無謀すぎる。それに運動場の扉が封鎖されていたら、結局は袋小路と同じだ。 42

2014-09-19 15:30:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

視界は極めて悪い。だがサイバネ聴覚は敵の位置をソナーめいて感知できる。「……フゥーッ……フゥーッ!」シゲオは割れた窓から顔を出し、青いサイバネ義眼で闇の中をサーチ。それから腰の鍵束を弄り、唸る。逃走ルートを計算しているのか?(((ブッダ……頼む……!)))イシカワは祈った! 43

2014-09-19 15:35:13