実渕誕生日2014

実渕さんのお誕生日のようです。
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お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

……目の奥で鬱陶しくざわついてやがる。だが、いつもみたいな成長の兆しじゃねぇ。…この気持ち悪い花の事なんざ、何も分かりゃしねーけどな。 コイツが生えてなけりゃ、何か分かったんだろうか。ふはっ、矛盾極まりねぇな。

2014-09-23 00:00:22
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「あら、お祝いしてくれるの?……ありがとう。 どうしてかしらね、とても嬉しい言葉の筈なのに、今年は何も心に沁み込まない。……だから、あの子に会いたくなんて、ないわよ」

2014-09-23 00:10:10
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「産まれる事が悪い事、だなんて思いたくはなかったわね。ううん、私の話じゃないのよ。お祝いの言葉を無碍になんて出来る訳無いじゃない。 けれど考えてしまうわ、……私のせいかしら、あの子のせいかしら。ただ、それすらも愛しいけれどね。温かみだけが全てじゃないわ」

2014-09-23 05:58:28
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

……いつ振りだ?こんなに穏やかに眠れて朝を迎えられたのは。 ただ、日光を感じた瞬間には、もういつもと何も変わらなかった。何も、変わらない。ずる、ずると、生えて、伸びて、這って、昨夜の、分まで、成長は、侵食は、

2014-09-23 08:00:34
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

朝日を浴びた、右目の花弁は、瑞々しく艶やかで、なにも、いつもと、かわらない。  安穏とした静寂な朝の気配の中で、ただ、痛い、……痛い、何でっ、…こん、なに、……ッぐ、ぁ、

2014-09-23 08:00:40
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「玲央、浮かない顔だね。何を考えている?」 「やぁね、聞かなくても分かってるくせに」 「まさか。流石に人の思考回路を完璧に読み取る事は難しいよ」 「征ちゃんって嘘つきなのか、そうじゃないのか、たまに分かんなくなるわ」 「それは玲央の捉え方次第かな」

2014-09-23 18:45:49
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「行ってくればいいじゃないか。誕生日に、一番欲しいものを貰えていないんだろう?」 「行けるなら行ってるわよ。それが出来ないからここにいるのよ」 「それもそうか。……玲央らしくもない、と思っていてね」 「私らしくない、かしら?結局は好きな子に翻弄されているだけなのよねー」

2014-09-23 18:48:58
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「いつもの玲央はもっと行動的だよ」 「……征ちゃんも、だけどね。征ちゃんのせいで嫌な夢を見たような記憶があるわ」 「! ……そうか。それはすまなかったね。じゃあお詫びに、今日は玲央の背中を押そうかな」 「あら、どうやって?」

2014-09-23 18:51:50
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「誰かが彼の傍にいないと、その悪夢がこの世界の現実になるかもしれないね」 「征ちゃん、背中の押し方が猟奇的よ!押してんじゃなくて刺してるわよそれ!」 「こうするのが確実かと思って」 「ホントたまに物騒よね征ちゃん!……まぁ、そんな事させるわけにはいかないわ」

2014-09-23 18:55:07
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「その気になったかい?」 「ええ。刺されたくらいじゃ死なないから」 「ゾンビのようだね」 「綺麗じゃないし気持ち悪いから止めてくんない?」 「そうだね、美しい玲央には相応しくない喩えだった。……お誕生日おめでとう、玲央」 「……ん。ありがとね、征ちゃん」

2014-09-23 18:59:09
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「もしかしたら、どこでも見れない花宮さんを、この僕が見れるかもしれないね。彼にとっても玲央にとっても、最も望んだ結末への道程が見えたのはいつ以来かな。 ……他の誰がそれを望んでいるかは、知らないけどね」

2014-09-23 19:00:39
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

『……もしもし』 ……ンだよ結局連絡取りに来たのかよ、……今日はすこぶる体調悪ィんだけど。 『えっ。まこちゃん、今日が何の日か知ってるの?』 お前の誕生日じゃなかったか?オメデトウ。 『……!』 切るぞ。……痛いんだよ、朝からずーっと。 『待って!お願い、切らないで!』

2014-09-23 22:51:12
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

頭に響く、…っぐ、静かに話しやがれ。 『ご、ごめんなさい。でも、だってまこちゃん、今、おめでとうって……』 お前はオレを何だと思ってやがる……。 『っごめん、ごめんなさい……嬉しい、嬉しいの。今日貰ったどんな言葉より、どんなプレゼントより……嬉しい』

2014-09-23 22:54:28
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

……え?お前、もしかして泣いてんの?うわ、ドン引きせざるを得ねぇ…… 『う、う、うるっさいわね!まこちゃんのせい、でしょ、……だって、まこちゃんが、私の誕生日を喜んでくれるなんて、夢にも思ってなかったのよ』 喜んではねぇよ。つーか、誕生日位祝ってやってもバチは当たらねーだろ。

2014-09-23 22:57:02
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

『……やだ、イイ子ちゃんへの転身?』 ほんとお前、オレを何だと思ってんの? 『世界中の人間の悪意を掻き集めたクソ野郎、かしら』 否定はしねーけど。 『しないのね。……でも本当にありがとう。今日の事、絶対に忘れないわ、最高の誕生日よ』 それはどーも。

2014-09-23 23:02:04
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

(気付けば、眼窩の奥が根底となっている痛みは消えていた。 そして感じたのは、でろりとした、何かが熔ける様な気持ちの悪さ。花弁が、下を向いた) 『……でも、後何年掛かるのかしら。まこちゃんが言う通り棺桶に近付いたのは事実だけど、所詮私の先は長いのよ』 ……あ?

2014-09-23 23:06:25
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

『本当に嬉しい。生まれ落ちた私の死を望んでくれて。 大丈夫よ、捻くれたまこちゃんの事だもの、アンタの言葉の裏なんて分かり切ってるわ。ありがとう』 ……実渕、お前、……ふはっ、オレも人の事言えねーけどよ。捻くれてるにも程があるだろ。 『何言ってんのよ。私は早く死にたいのよ』

2014-09-23 23:08:50
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

『どう考えても、まこちゃんに先は無いものね。だから早く死にたいの。でも嬉しい、嬉しいわ、私にも早く終わって欲しいのよね。大丈夫、心配しないで?一緒に終わりましょ』 ……実渕?お前今、どこにいる? (夜も更けて閑静な窓の外から、足音が聞こえた。 そんな筈はない、……そんな筈はない)

2014-09-23 23:12:27
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

『ねぇ、まこちゃんから、誕生日プレゼントくれない?もうすぐ今日が終わっちゃう。 征ちゃんに背中を刺されたからね。今日じゃなきゃ駄目みたい』 ……誰が、やると思ってる? 『そう言わないで?貰うわよ。予測はしてたでしょ?私の事、よぉく分かってくれてるものね。欲張りだって』 ……!!

2014-09-23 23:14:53
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「少し先の未来がズレ込んだだけよ。それに、誕生日を記念日にするなんて、素敵だと思わない? 征ちゃんにも、誰にも、渡さない、見せないわ。」

2014-09-23 23:16:17
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

(ぐちゃ、)「あら、彼岸花。……運命的ね、神様に愛されてるのかしら?私が。出来上がり過ぎよ」 「食べて、無くして、そして終わりにしましょうか。まこちゃん、辛かったでしょ?……ありがとう。最高の誕生日で、締めくくれるわね」

2014-09-23 23:22:16
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「……嗚呼。結局見れなかったか。 道程が見えるだけでも、軽く奇跡なんだろうね。……キセキにも歩めない道程だ、所詮冠を無くしてしまった人間には無理か。残酷だね」

2014-09-23 23:48:50