お花宮ちゃん誕生日2014

2014年1月12日の、お花宮ちゃんの一日。
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お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

【赤花】『花宮さん。お誕生日おめでとうございます』 (日付が変わった瞬間のコール音。今日が何の日か、どれだけ下らない日かという事は理解していたが) 『嗚呼すみません、先に名乗るべきでしたね。赤司征十郎です』 (電話を掛けてきた人物が誰か、という予想は外れてしまっていた)

2014-01-12 00:01:10
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

……テメェ、何でオレの番号知ってんだよ。実渕か? 『まさか。玲央はあなたが思っているよりもずっと、あなたを大切にしていますよ』 気色悪い事言ってんじゃねーぞ。それに要件は済んだろ、切るぞ。 『はい、夜遅くにすみませんでした。良い一日を』 (そして、呆気無く通話は切れた)

2014-01-12 00:11:33
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

(携帯を放り投げ、耳にまとわりつくような感覚を振り払おうとベッドに潜る。忌々しく咲く花がシーツに擦れ、痛みを感じて顔が歪んだ。すると、そのタイミングで、また携帯が鳴る) 『言い忘れていました。不躾を重ねて申し訳ないのですが、贈り物をさせて頂きました。花宮さんへのお祝いです』

2014-01-12 00:25:13
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

(謀ってか偶然か、玄関前からごとり、という音が聞こえた。怠い身体を起こして窓から外を見れば、玄関には明らかに先程まではなかった箱。自宅前となれば無視する訳にも行かず、舌打ちしてその箱の正体を確かめに行く) ……花瓶と、剪定鋏。 (箱を開けた瞬間、感じたのは)

2014-01-12 00:36:55
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

(外の寒気に晒されてるせいではないと断言出来る、震え。畏怖。恐怖。 分かり易過ぎる何の捻りもない嫌味ならよかった。鼻で笑い捨てる価値も無い。だが、アイツからのコレは違う。) (何の色付けも誤魔化しも無い。ただ、箱の中のそれだけ。それだけが、赤司の絶対的な意思)

2014-01-12 00:48:20
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

……類は、友を……。 (内容物は勿論、化粧箱すら高級品の品格しか漂わせていない。その雰囲気がまた、『本物』だという事を、静かに主張してくる。 この場に赤司はいない。なのに、アイツからの異様な感情に、皮膚組織を、筋繊維を、ひとつひとつ、じわじわ、裂かれて行く)

2014-01-12 00:58:03
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

……オレはまだ、壊れちゃいねぇよ。 (重圧に振り解き、開いた唇から漏れ出したものは、きっと普段通りの憎まれ口。 化粧箱をがつんと思い切り蹴飛ばせば、ぶるり、震えた身体を抱き締める様にしながら、家の中へと引き返した。)

2014-01-12 01:03:24
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

あー……、くっそ。ロクな日になりゃしねぇな。

2014-01-12 01:16:47
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

【今花】「花宮、おはよーさん」 ……朝から人の通学路で待ち伏せですか?しかも何ですか、それ。 「誕生日プレゼントに決まっとるやん。両手いっぱいの花束、なんてベタ過ぎたかもしれんけど」 分かり易過ぎる嫌がらせありがとうございます、クッソつまんねーよ。 「辛辣やなぁ」

2014-01-12 07:57:59
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

アンタ、センター試験一週間前じゃないんですか?随分暇を持て余してるんですね。 「誕生日祝う為に、貴重な勉強時間割いて来たったんやないか」 要りません。帰れ。 「いつまで経っても素直にならんのー、花宮は」 バカですかアンタ。…耳にするだけで吐き気しかしねぇよ。

2014-01-12 07:58:17
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「ははっ、それが目的やし。やっぱ、ソレ生えてからあかんわ花宮」 ……。 「なぁ花宮、ほんまは花宮は、もう死んでもうたとか無いよなぁ?これ如きでそない露骨に嫌な顔、昔はせーへんかったやん。おもろないわぁ」 ……別に、アンタを楽しませる気は更々無い。

2014-01-12 07:58:27
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「知っとるわボケ。 ……なぁ花宮、負けんなや。人体に寄生する花なんか、…そりゃ後にも先にも聞いた事無いけど、花宮真はそんなモンに支配される程か細い神経してへんやん。ちゅーか、お前以上に神経図太い奴そうそうおらんて」 余計なお世話です。その花持って、とっとと帰って下さい。

2014-01-12 07:58:38
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「はいはい、確かにセンターも近いしなぁ。朝の少しの時間も正直惜しいんや」 そこまでして嫌がらせしたかったんですか、本当は暇人ですよね。 「だから、ちゃう言うとるやろ。誕生日ぐらい素直に人の言う事信じたらどうや……まぁ、ええか。それでこそ花宮やし」 (今吉さんは溜息を一つ、吐いた)

2014-01-12 07:58:43
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「まぁこれ、受け取れや。人の好意は無碍にしたらあかんで」 (結局無理矢理、馬鹿みたいにデカい花束を押し付けられた。まさかその場に投棄する訳にも行かず、さっきの今吉さんのそれより大きな溜息を吐いた。瞬間) 「すまんのー、誕生日分からんくて。取り敢えず、宿主と同じって事でええ?」

2014-01-12 07:58:51
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

……は?…アンタ、……何、言ってんだ? 「いや、せやから、この花の誕生日。分からへんし、けど花宮と一体化してるんやったら一緒でもええかなーって。生えてきた日が誕生日なんかもしれんけど」 ひっ…!さ、わるな!!

2014-01-12 07:58:57
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「あ、勘違いせんといてな~。ワシは勿論、花宮、お前も祝いに来たんやで。可愛い可愛い後輩が産まれて来た日や、めでたくない訳あれへんやん」 「産まれて来てくれな、その顔も見られへんかった。……はは。自分、今めっちゃええ顔してるで」 「じゃあの花宮、誕生日おめでとさん。」

2014-01-12 07:59:03
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「今年も、素敵な一年になったらええなぁ?」 (オレの横を通り過ぎる時、擦れ違いざまに囁かれた呪いの言葉。ようやく身体が動いて今吉さんが去って行った方向を振り向けば、既にあの人はオレの事を見てもいなかった。)

2014-01-12 07:59:07
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【黄花】「あれ、花宮さんじゃないっスか……って、何してんスか!?」 ……黄瀬。部活行く途中だ、ちょっと考えりゃ分かんだろバァカ。 「いやそうじゃなくて!何スかその花束!あ、もしかして花宮さんもファンの女の子からの襲撃に遭ったりするんスか?」 も、って何だよ一緒にすんな。

2014-01-12 11:07:36
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「いやー、正直学校行く前に嵩張るプレゼント貰うのって大迷惑っスよね!何回も経験あるんで分かるっスよー」 だからお前と一緒にすんなっつってんだろ。 「あはは、そうっスね。オレと花宮さんじゃ、頭に詰まってるモン、比べ物にならないっスよね!」 まぁ、一応聞くか……お前はどうしたんだ?

2014-01-12 11:07:39
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「んー、駅のゴミ箱とかにポイっス。正直邪魔でしかないんで。小さいものなら普通に嬉しいしありがたいんスけどねー、ここまでデカいと迷惑って気持ちが勝っちまうっつーか」 それは駅に迷惑だろうが、…今すぐ捨てちまいたいけど。 「あれ、普通に真面目っスね?コート外では素で優等生なんスか?」

2014-01-12 11:07:42
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

オレはいつでも優秀だけどな。 「言うっスねー。……緑間っちとかはすげー嫌ってるみたいだけど、オレはそんなに花宮さんの事嫌いじゃないっスよ」 はは、そりゃどーも。本当なら駒にでもなってみろよ。 「お断りっス。……オレがもし霧崎に入学してたら、話は変わってたかもっスねー」

2014-01-12 11:07:45
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「で、その花ホントにどうしたんスか?今の花宮さんに好き好んで近付く女の子なんかいないだろうし」 ……押し付けられたんだよ、中学の先輩に。誕生日祝いだとよ、ほんっと素晴らしいプレゼントだぜ。 「ふーん、でも似合ってるっスよ。最初、花増えすぎじゃねぇ!?なーんて思っちまったけど」

2014-01-12 11:08:07
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

お前、可哀想なのは頭脳だけじゃなくて視力もだったんだな。 「ヒドッ!……あ、やべ、もうこんな時間!仕事遅れそうじゃないスかっ、久々なのに!」 ふはっ、そのまま遅刻して干されちまえ。 「洒落になんないっスよやめて!んじゃ、またどっかで会えたら!」

2014-01-12 11:08:09
お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「あ、誕生日おめでとーっス!」 (駅前。人が雑多に入り乱れ、その雑踏に今にも掻き消されそうながら、走り去った黄瀬の声はオレの耳に届いた。無意味な明朗さが鬱陶しい。 明らかに薄っぺらく、取って付けたような言葉だが、本質は形骸化していないような気もした。) ……あんな駒は、ごめんだ。

2014-01-12 11:08:11
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【霧崎花】……あ?山崎、お前部室の前で何つっ立ってやがる。 「えっ花宮!?……つーか何だよその花、いやそんな事より今はちょっと中は都合悪いっつーか」 どーせ下らない事でも企画してんだろ、いいから退け。部活始めらんねーだろうが。 「や、マジで今は…!」

2014-01-12 13:27:22
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