ホワイトバレンタイン！2014

お花宮ちゃんの残骸 @ohanamiya_bot

「ホワイトバレンタインね」 嫌な予感しかしねーからその口縫っとけ頼むから。

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「花宮！花宮！ハッピーバレンタインオレ達の愛受け取「らねー、帰れ」 「え……」 本気でショック受けたような顔してもな？もう分かってるからな何だその異様にデカい箱は！学習しろ！頭ん中ババロア詰まってんのはテメー等だ！ 「案外元気そうで安心した」 「つーか見舞われた方が元気だな」

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「そこは問題ねーし。アレでしょ？花宮、誕生日ケーキ、味には問題無かったっしょ？」 まぁ、味はな。 「オレら、張り切り過ぎて……確かにケーキをあんだけ一日で食えってのは酷だったよなー、メンゴメンゴ」 その件はもう思い出したくねぇ……古橋、んな顔すんじゃねーよ鬱陶しい追い出すぞ。

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「つー訳で！今回は前回の反省を生かしてみました、原ちゃん頭良い「あ、花宮、今回オレ関わってないから」「……知らなかった」「一応！止めとけって言ったからな！」 クーリングオフは「不可だよん！」 お前らほんと見舞いに来た癖に見舞うっつー意思がないよな、止めろよ。ザキふざけんなよ。

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「やっぱオレかよ！」 「まーまー、苦情はせめて見てから言ってよねー。オレ頑張ったんだし」 その無駄な頑張りほんっとどーにかなんねぇの？ 「ならない！無駄を楽しむって大事な事だと思うのオレ。つー訳で、はいっご開帳ー！（ぱかっ）」

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……魔法瓶？うっわ大量にあるじゃねーか。 「そ。開けてみてー」 すっげーカカオの匂い… 「ホットチョコレート！材料はもちカカオ100%だよ、これなら保つっしょ。オレちゃんと考えたんだからね！」 こんなに作ってご苦労なこった。練習しろ。 「花宮いねーから何か身が入んないっつーか」

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ま、どうでもいーか。好きにしろよ。健太郎、任せたぞ。 「……ねむい」 「まーまー、これ飲んで元気出して？オレの手作りとか、頭軽そーな女に逆チョコしてやったら喜んで股開きそーな位なんだし」 それ聞いて飲みたくなるヤツがどこにいるんだよ。

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「んー、花宮、痛いんでしょ？すっげー。痛いのとは別のもあるだろうけど、学校にももう来ねーし。 そんな状態の花宮でも、液体なら飲めるかなーって。ほら、これって愛じゃね？クーリングオフとか言わないでよねー」 ウゼェ…。何、お前、実渕にでも毒されたのか？お前ら交流あったっけか。

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「無い事も無い、みたいな？」 「あ。実渕来るんじゃねーの」 「やっべ、オレら超お邪魔虫じゃん！」 お前らも実渕もまとめて帰ってくれりゃ安泰なんだがな！ 「あっ実渕来るの否定しなかった！あっちー、まぁホットチョコレートだし溶けてるからいいけど！」 「青筋立ってきたからもう止めとけ」

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「んじゃね花宮！また会いに来る！」 来んな。 「えー、だってオレの愛って歪んでるし！花宮の嫌がる事超したくなる」 ふはっ、そーかよ。 「花宮の教育の賜物だな」 「……オレも何か作ってくれば良かった。また来る」 「じゃーね、……えーっと、お大事に！」 最後だけ取ってつけやがって。

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「……言わなかったんだな？」 「まーね。花宮が気付いた時を楽しみにしてる！真っ直ぐ喧嘩売んのももう芸が無いしー？」 「お前の事、最近ますます分かんねー…」 「だって花には水やって育てるモンじゃん？花宮はスキだし、あの花にもどんどん育って欲しいし。 オレの愛、超良質じゃねー？」

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まぁ、来るとは思ってた。 「でしょうね。突然押し掛けた時の反応が薄くなってきたもの」 帰「らないわよー。そこは変わらないのね？」 チッ、……オマエにやるチョコなんかねーよ。思い上がるな。 「あら。貰いに来た、ってよく分かったわね？残念だわ。まこちゃんからのチョコ、欲しかったのに」

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本気で貰えると思って来たんなら、お前の中にこそ咲いてんじゃねぇの？ 「まさか。 咲いてんのはアンタの方でしょ？」 ……ふはっ。お前の方か、喧嘩売りに来たのは。 「あらやだ、私そんなに野蛮じゃないわよ。好きな子に会いに来ただけじゃない！でもね、まこちゃん」

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「思い上がってんじゃないわよ」

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……、　っ！ 「ねえ、凄くカカオの匂いがするわね。霧崎の子達が来てくれたのかしら？良かったわね、まこちゃん。集る虫が蜜を集めてきてくれて」 「アンタ、自分を何だと思ってんの？さぞかし御高尚な所に座してるつもりなのかしら。すっかり呑まれちゃったのね、非現実に」

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んな訳あるか。……ああそうだな、集ってくるのはお前みたいな気持ちわりぃ虫ばっかりだ。類は友を呼ぶ、なんて、今となっちゃ信じたくねーな。 「あら、類、って認めたくないの？アンタみたいな薄暗いとこでしか生きてけないゲス野郎に集まるのは、同じとこに好んで住んでる奴ばっかりよ」

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（強いて言えばその言葉が終わった瞬間。ふ、と、挑発的に歪んだ笑みはなりを潜め、いつものように体良く整った笑顔が、浮かぶ） 「……とても、綺麗になったわ。世間から見たらおぞましくしかないけど、ねぇ。私は好き。大好きよ」 （とろぉり、蕩ける笑顔。蔦のせいか？　疼痛が、走る。）

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「……違うのよ。詰りに来た訳じゃないわ。ねぇまこちゃん、私って欲張りなのよ。知ってるでしょ？」 ……何を今更言ってやがる。誰でも、言われなくても分かってるっつーの。 「そうよね！だからね、私、バレンタインを全部楽しみたいの。まこちゃんからチョコレート、貰いたいし、あげたいわ」

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はぁ？無理だっつーの、バァカ。少なくともオレからやるモンなんかねーぞ。 「私だって、まこちゃんにあげるチョコ、用意してないわよ」 ふはっ、矛盾も甚だしいな。 「いいえ。全部、って言ったでしょ？バレンタインのもう一つの楽しみがあるじゃない。 チョコを、手作りするっていう」

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は？１から作る気かよ…… 「えぇ！　私、ずっと思ってたのよ。まこちゃんのお花さんからとっても甘い蜜が吸えて、まこちゃんの唾液は脳が溶けそうな位甘くて。それなら、血は、どうなのかしら、って」 （ずきりじくりぎしり。　焼け付く様な手足の痛みは内なる悲鳴に呼応でも、している気か）

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「チョコレートソースって、固まった血の色にも似てる気がしない？見た目は少し悪いかもしれないけど、まこちゃんの血だもの。それだけで愛おしいし、甘くなくたって全部食べてみせるわ！」 ……おまえ、…な、に言ってる？ その鞄、何入れてやがる…？ 「お肉用の包丁だけど？」

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（普段と何ら変わりない。その声色に仕草は、オレを追い詰めようと削り取ろうとした意図的な悪意なのか） 「元々お花さんのせいで痛いんでしょう？なら、もう分からないんじゃないかしら。大丈夫よ」 （それとも無意識の純粋な悪意なのか、わからない。けれど、実渕の言葉を信じるなら、きっと）

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「まこちゃんと一緒に作って、まこちゃんから貰って、……そうね、一緒に食べましょ？そしたらまこちゃんにあげる事になるものね」 ぁ、　っ　…… 「……ごめんなさいね。正直に話すと、嫉妬があるわ勿論よ。だから、ちょっと酷くするのは、許してね」

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（吹き出した血の色。何処かから湧いた花弁。わらう実渕。オレは （……もしかして、お花さんから、奪ってやれたのかしら。そんなに甘くはないんだろうけど。 首筋から噴き出す血の色は、まだチョコレートには程遠い赤色だった。きれい、だなんて陳腐な表現に浸っている場合じゃない）

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（まこちゃんの左目から、ずぞり、と花弁を一枚抜く。右目に生えたものを使っても良かったけど、このおぞましい美しい姿を壊すのは、気が引けた） 「…ねぇ、寝てるんじゃないわよ。頭蓋骨に穴開けて蔦生やして平気に会話が出来るような生き物が、これ如きで死ぬ訳無いじゃない。」