【詩のレシピ9】ツイッター連詩 #pwGT組 始まりました。
放たれた火が畔を駆け上ると、飛び火した闇が手の上で暴れている、鬼に似た姿が崩れた瞬間に一番杉の上で赤ん坊の泣き声がした、ああ、またひとり誘拐された、忘れ去られた大陸への鍵を渡されし者よ、言葉は邪魔でしかない、猛禽類の首が真後ろにふたつあった (詩のレシピ9)#pwGT組
2014-09-29 22:46:14葉を食べるから葉虫で、甲羅を背負うから亀の子なのか。 亀の仔を食べる羽虫なのか。 咬め鋸葉虫なのか。 亀の仔はムシということなのか。 アカザについた小虫を見ながら、 自分の何十倍も大きな食い物にしがみつく気持ちを考えた。 (詩のレシピ9)#pwGT組
2014-09-29 22:55:43冷たい風にふかれて 鶏は啼くだろう 喉をおもいきりふるわせ 離れた彼の地に住まうものを思うだろう 樹々もなく山もない荒地を どこまでもどこまでもどこまでも (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-29 23:17:20一行目を書けばすでに過去となる。 振わせる大気を伝える音を発した俺はすでに過去となる。 瞬息、弾指、刹那、 時がつかめないのであれば俺は断片を千切り世にばら撒こう。 それが何になるのかも知らずに。 (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-29 23:19:18乾いた風の響きを聴きながら育った乳飲み子は 乾いた風の聲をききわけ 「砂嵐がくるよ」と告げる それはまるで預言者のような 諦念と信頼と慈しみをもつ瞳で告げるものだから 集落の人々は皆信頼して 数日を戸をとざしてすごすのであった。 (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-29 23:21:59展がる稲穂の海 六本のアンテナを鋭利になびかせ 今を踏んでいく イタイっ。 無数の棘は未来を結ぶ傷 無数の痛点はひとつの儀式 (詩のレシピ9)#PWGT組
2014-09-29 23:23:52揺れる稲穂、それは黄金の神 美しい田園の波、祈り 美しく実り、美しく枯れる 88手の神の手で作られ 大和の人々へ届けられる 秋に終わり、秋に始まる命 食され蘇る命 神は働き、神は夢見、神は蘇る 美しき黄金の国、光の国、豊穣の国よ 命見つめ、命送る秋 (詩のレシピ) #pwGT組
2014-09-29 23:26:21あかざの杖を振りかざして 野犬を払った 野犬はおもいのほかしつこく 何度も何度もくらいつこうとした 少年は思い切り杖でぶったが 野犬は伏してもまた執念ぶかい目で 少年から目をそらすことはなかった。 (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-29 23:26:28ゆけどもゆけども石ころとちっぽけな草ばかりの 荒野だった 目をたのしませるものは何もなく ただわたしたちはうつむいて黙々とあるきつづけた わたしたちがなぜこの季節に荒野へむかわされたか わたしたちはわきまえていたが 乳飲み子はただ泣いていた (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-29 23:31:28ブラックホールの世界は2次元のメモリー 3次元のモノたちは吸収されて 信号になっていく 方程式は未だわかっていない 誰かの脳を覗き見できないように例え 自らの内に世界が爆発しようと 圧力鍋で炊くには まだまだ足りないローズマリーの用意はあるのに (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-29 23:40:27もっと遠くに行きたかった 枯れたあかざの枝のみが頼りであった 膝をついては杖にすがって立ちあがり 数歩あるいてはもう進めずに 嘆息をつくばかりだった 冷たい風は細かい砂をまきあげ 目を刺し鼻腔を塞いだ 喉はひぅひぅというばかりだった (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-29 23:54:40未だ見ぬ 未だ知らぬ 未だ手に入らぬ まだ まだ 飢えているのは 口ではなく 体でもなく 果てしない欲望 未だ荒涼とした 未だ枯渇した 求める 求める Spring SpringSpring SpringSpringSpring 1つだけ (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-29 23:55:56豊穣の墨流しのケイラクを追って べれーどんぐりをころんぶす流儀で突き立てる 踊れ猛れ痛快濃度がりんぱの弁を破くまで 今日の祝いを胸に鎮める 任意のシラカシから11358132134… フィボナッチの数え唄の実践 金槌と鎌はしのぎの雄叫びを上げる ( 詩のレシピ9 )#pwGT組
2014-09-29 23:59:14白から黒 から白から紺 から青からピンク から水色から 下に 青から白から黄金 から緑さらに緑 そこから逆戻り 信仰から 事実 剥がれない網膜 イメージは 体の中に留まる (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-30 00:02:12水土は水土のままである、足跡を落とすと拾ってくれる手は枯れてしまった、ただ棘だけが残りそれを焚く、煙よ高く上がれとここにいることを、知らせる 振るっても振るわれても変形するだけで謝らぬ、肩から生えてきた草に名前をつけた時、滴ったものが涙だと知る (詩のレシピ9)#pwGT組
2014-09-30 00:38:45旅立ちは逃走を意味する はじめて扉を開けた日 喉を震わせ あれほどまでに 伝えたかったことは 何だったのか 希望の絶えた道だけが 歩くに値する ぼくは今日も逃げ出し 海沿いの白い町や 都市を貫く水路 水の音が佇む場所を 荒れ果てた街の外側に探す (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-30 01:15:15見物客とも言えぬ野草がのび放題の脳天を抜ける噴水のように仰け反って飲み干す杯に青ざめた一行の行間の端から走り書きのメロスがフライングする (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-30 02:00:28あなたに告白したいことがあります あなたに告白したいことがあります 枯死、光ゆらめく方角へ 病まう風 死ぬのは嫌だった 裏切りと呼ばれても 偽ることでこの生を全うできるなら 食いしばる音だけが 夜明けを告げるとしても 捏造された私の影が 光る秋 (詩のレシピ9)#pwGT組
2014-09-30 02:08:26噛み千切れそんなもの 重湯に溶かされたのは 探す乳も持たない 脆弱なまなざし 靴音だけが遠ざかる 四叉路にまつわる 日々の調べ 啜れ 採譜した翅を 着色しながら 唇に絡む言葉を 宿を持たない傷は 舐めまわすだけで 罅われていく 少年期の繭 (詩のレシピ9)#pwGT組
2014-09-30 02:25:26あすに向かい渡った橋を 踏みしめて帰るあし並み 咆吼のなかを彷徨い 迷路の庭に忍び入り 番犬アリエノールの 牙に噛まれ追われ 倒れ乍ら、 斃れ乍ら、 仆れ乍ら、 だが、 終に、アシェラトは唯真直ぐに 常緑の木となってこの荒地に樹つ (詩のレシピ9) #pwGT組
2014-09-30 04:51:18声調を気にしすぎてはだめだよと やんわり諭す掌のかさつきが 右手の甲に貼り付いて消えない 面影は翻した袖の通り道に埋めた 花壇にアベリアが咲く間は 目印になるから 冬までにはおいで (詩のレシピ9)#pwGT組
2014-09-29 14:37:08