モーツァルトの葬列を分析する

名曲「ラクリモサ」(涙の日)を分析します。
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It happens sometimes @ElementaryGard

再び『アマデウス』から。 youtu.be/gcdVorIE6Yg モーツァルトが息絶えているのに気がつき叫ぶ奥方。ここの曲を分析してみます。ちなみに史実ではモーの弟子が師匠のメモを元に後で加筆したもので、つまりモーの作曲ではないのですが、とても印象的なイントロです。

2014-09-29 03:02:31
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youtu.be/4qO4NPfrd58 原曲はDマイナー調ですが譜面ではAマイナー調として記してあります。実際に鳴る音は原曲と同じ調です。

2014-09-29 03:07:36
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和声はですね、トニック→トニック→ディミニッシュ(ドミナントと同じ機能)→ディミニッシュ(ドミナントと同じ機能)→トニック→ディミニッシュ(ドミナントと同じ機能)→トニック→トニック と進みます。もっとも転回したりとけっこう凝ってますが。

2014-09-29 03:12:59
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倚音の使い方が独特。♪ミファ♪のときのみ、和音の構成音→倚音 に流れるのです。他だと倚音→和音の構成音か、和音の構成音→同じ和音の他の構成音 になる。

2014-09-29 03:17:16
It happens sometimes @ElementaryGard

足を引きずりながら歩んでいく印象、ありませんか。葬式の列のように。

2014-09-29 03:18:08
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映画でも葬列が描かれます。この曲とともに。 pic.twitter.com/E4jwMLEcC3

2014-09-29 03:21:29
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ここにいる女性は、モーのドイツ語オペラで主役を張り、関係も持った方。映画では描かれませんが原作の戯曲ではその後アントニオの愛人になります。こうやって抱き留めてあげるしぐさは、その暗示でしょうか。 pic.twitter.com/jERu5RPwor

2014-09-29 03:24:49
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戯曲ではアントニオはモーの死に「憐れみを感じた」と観客に語り掛けます。映画ではそういう説明なし。ここでかかる音楽「ラクリモサ」(涙の日)がすべてを語っているから。

2014-09-29 03:26:25
It happens sometimes @ElementaryGard

Your merciful God. He destroyed his own beloved...rather than let a mediocrity...share in the smallest part of his glory.

2014-09-29 03:28:19
It happens sometimes @ElementaryGard

慈悲深き神? 最愛の子を破滅させ、凡人には神の恵みなぞカケラもくれなかったではないか。

2014-09-29 03:31:58
It happens sometimes @ElementaryGard

ここ、吹き替えでは「破滅させる道を選んだ」でしたが、原語ではthe smallest part of his glory(恵みのカケラ)と語っています。指でつまむしぐさが、「カケラ」ではなく「モーをひねりつぶした」に読みかえられてる。 pic.twitter.com/gYMABNqBH3

2014-09-29 03:37:57
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吹き替え台本は故・額田やえ子。彼女はこのしぐさ読み換えを計算して台本を作ったのか、それとも何も考えていなかったのか。計算なら大したものです。もっとも私なら原語どおりに訳すけど。

2014-09-29 03:40:28