#トラ泊神戸支部～司令官は何者編

ですか @desuka_desuyo

予兆～Who are you? #トラ泊神戸支部

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4月。葉桜となった並木道を抜け、俺は鎮守府の正門をくぐる。執務室の椅子に座り一息ついていると、ノックの音と共に一人の艦娘が入ってきた。 「司令官、お疲れ様です」 そう言って軽くお辞儀をするのは、秘書艦である青葉だった。俺はおぅと軽く返事をする。 #トラ泊神戸支部

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「今日の業務は～」 青葉に今日の予定等を伝える。一通り話が終わったころ、勢いよく扉を開けて二人の艦娘が入ってきた。 「司令は～ん。遠征帰ってきたで~」 「ウチも演習終わったでぇ」 どうやら黒潮と龍驤が、それぞれ遠征と演習から帰投したようだ。 #トラ泊神戸支部

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「二人共お疲れ様」 俺がそう声を掛けると、黒潮が手をひらひらさせながら答えた。 「いやいや、いつものことやし、気にせんでええよ。それより司令はんもこんな時間からお勤めやなんて、お疲れやな～」 「まぁ仕事だからね。一日空けてしまうのもあれだし」 #トラ泊神戸支部

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そう答えながら時計を見ると、午後9時と表示されていた。業務が始まる時間としては、遅すぎにもほどがあるだろう。まぁ、ここではそこまで時間を気にする必要はないのだが。 そんなことを考えていると、龍驤が不思議そうな顔をして聞いてきた。 「キミ、昼間は何してんの？」 #トラ泊神戸支部

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「あ～！それうちも気になる～！司令はん普段は何してんの？」 「青葉も気になりますねぇ！」 龍驤の言葉に二人が食いつく。机の反対側から身を乗り出して聞いてくる三人の迫力に気圧された。 「そんなに面白いことじゃないよ」 そう言うと三人は勢いよく首を横に振って答えた。 #トラ泊神戸支部

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「「「面白くなくても良い。気になるだけ！」」」 「知らんがな！」 思わず普段の話し方でツッコミをしてしまう。この二人と話していると、ついつい話し方が関西弁へと戻されてしまうのだ。 俺の言葉に三人が文句を言う。 #トラ泊神戸支部

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「教えてくれたってええやんか～司令のケチんぼ！」 「せやせや。減るもんちゃうんやし、言ったらどうなん？」 「そうですよぉ。青葉たちだって司令のこと、もっと知りたいんですよぉ」 三人にそう言われると、黙っているのも申し訳なくなる。 #トラ泊神戸支部

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「いやぁ、隠しているわけじゃないんだけどさ。今更かなぁってのもあるわけで……」 「そんなん気にせんでええって。なぁ、言うてみって」 黒潮がそう言ってより身体をこちら側へと乗り出してくる。青葉の方は目を輝かせてこちらを見ているし、龍驤も楽しそうにニヤニヤしていた。 #トラ泊神戸支部

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これはもう言うしかないのだろう。あまり詮索されたくなかったので今まで伝えてきていなかったのだが仕方ない。俺は諦めて答えることにした。 「俺は……」 三人が期待の眼差しでこちらを見つめてくる。期待されるようなものじゃないので、それが余計プレッシャーとなった。 #トラ泊神戸支部

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「ただの大学生だよ」 一瞬の沈黙。数瞬後、頭が俺の言葉を理解したのか三人は驚きの声をあげた。 「えぇぇぇ！司令はんって大学生やったん！いやそら若いなぁとは思ってたけどえぇぇぇぇ！」 「嘘やん。えっそれホンマなん？キミなんで提督なんかしてんの？」 #トラ泊神戸支部

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「司令官、大学生だったんですか！青葉衝撃ですよ！これは一大スクープですね！」 こう驚かれるのが目に見えてたから言いたくなかったんだけどなぁとため息を吐く。多分この後は根掘り葉掘り問い詰められるのだろう。 「なんで？なぁなぁ、なんで司令になったん？」 #トラ泊神戸支部

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黒潮がもちろん食いついてきた。青葉はすでにメモ帳を用意しているようだ。本気で記事にする気かもしれない。出来れば勘弁してもらいたいものなのだが。 「はよ教えて～な」 そんなことを考えている間に黒潮が急かしてくる。もう言うしかないらしい。俺は諦めて口を開いた。 #トラ泊神戸支部

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トラ泊神戸支部～2nd season 司令官は何者編 次回に続く！ #トラ泊神戸支部