同居する森と月と反撃の伊月

伊「いつまでも森山さんだけが森山さんのことを考えてるって思わないでください」
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同居する森と月bot @doukyomi5

伊「最近森山さん居残り練多いな…。よくコーチとも話してるし。家でも、夜遅くまで試合のDVD見てるっぽいし。熱心なのはいいことなんだけど……」

2014-08-21 12:21:40
同居する森と月bot @doukyomi5

伊「今からちょっとだけ茶番パートが始まるので、連投がウザかったらミュートしててください!茶碗でするチャンバラは茶番だ!…うわっ、スランプだな、オレ…」

2014-08-22 19:05:30
同居する森と月bot @doukyomi5

森山さんのことを考えてる時に、そういえば思い出したことがあった。 森山さん、笠松さんと同じ大学を選ばなかったことになにか意味があるんだろうか? もちろんうちの大学で学びたい学科があったとか、尊敬してる教授なりコーチなりがいたとか、そういう理由なのかもしれないけど。

2014-08-22 19:10:32
同居する森と月bot @doukyomi5

でも、スカウトに来る時に、息の合ったチームメイト同士なら、二人揃ってうちの大学に、って声がかかることもある。(オレと日向も、そういう声かけしてくれるとこもあったし)

2014-08-22 19:20:27
同居する森と月bot @doukyomi5

実は、オレが進路を決めるときに、海常のSGだった森山さんが笠松さんと同じ大学に進んでいれば、そこに日向の場所はなかったんじゃないかって、――どうして二人は離れたんだろうって逆恨みじみたことを考えたこともあった。 笠松さんと森山さんは(もちろん小堀さんもあわせて)今も仲がいい。

2014-08-22 19:30:31
同居する森と月bot @doukyomi5

どうしてなんだろう? なにか事情があるんだろうか。それともなにもないんだろうか。 オレ、森山さんのことを案外知らない。 見ているつもりでわかってない。 今は住んでるところも一緒で、たぶんオレが一番森山さんの近くにいるのに。

2014-08-22 19:40:29
同居する森と月bot @doukyomi5

そのオレが森山さんの事情や気持ちを知りもしないで、サポート一つできないなんてどういうことなんだ。 ――――もっと、森山さんのことが知りたい。 なにを考えてるのか。なにが好きでなにが嫌いで、なにを許せないと思うのか。

2014-08-22 19:50:29
同居する森と月bot @doukyomi5

前髪の角度はこだわりなのか。あの3Pは我流なのか。海常ではどんな高校生活を送ってたのか。いつも朗らかなのに、最近の笑顔はどうしてさみしそうなのか。 どうしてオレと、バスケがしたいと言ってくれたのか。 ―――森山さん。

2014-08-22 20:05:29
同居する森と月bot @doukyomi5

――――笠松さんなら、知ってるんだろうか?

2014-08-22 20:15:30

伊「これくらいの時から食器が欲しかったらしい、オレ。という話。ショッキングな食器キタコレ!」

同居する森と月bot @doukyomi5

伊「部屋で使ってる食器なんだけど、森山さんは一人暮らしの時に使ってたのそのまま持ってきて、オレは実家で使ってたのとか、実家で買ったっきり使ってなかったのとかを使ってるから、テイストが見事にバラバラ。……一緒のデザインのが欲しいって言ったら気持ち悪いんだろうか?」

2014-08-26 11:22:01
同居する森と月bot @doukyomi5

伊「森山さん、今日も居残りしてるけど大丈夫かな……」

2014-08-26 14:21:44

伊「森山さんを訪ねて三千里、笠松さんのもとへ行く編」

同居する森と月bot @doukyomi5

伊「今からイベントパートが始まるので、連投がウザかったらミュートしててください!イベントで食べるのはいい弁当!キタコレ!」

2014-08-28 19:20:33
同居する森と月bot @doukyomi5

「よう、元気か?」 「お久しぶりです」

2014-08-28 19:30:41
同居する森と月bot @doukyomi5

オレと笠松さんは最近はメールもする仲だけど、あまり混みあった話はメールではできないので、時間を作って会ってもらうことにした。両方練習があるから、会うのはどうしても夜になる。 森山さんには、高校の友達と会うって言って来た。

2014-08-28 19:40:28
同居する森と月bot @doukyomi5

ウソをつく、というより『森山さんのことを、本人には訊かずに森山さんの友人の笠松さんに尋ねる』ということが自分の中で色々と微妙だ。 けれどそうするって決めたんだから、もう腹をくくる。 「伊月がオレに訊きたいことってのも珍しいな。なんだ?あ、ここのコーヒーゼリー評判らしいぞ」

2014-08-28 19:50:31
同居する森と月bot @doukyomi5

「ありがとうございます。……それ、日向から?」 笠松さんがオレの好きなものを知ってるのは意外だ。 「いいや、森山」 しくった。と思った。色々と。 オレは笠松さんの前に立つと、どこか鳩尾が冷える気分になる。尊敬しているのに。尊敬しているからか。

2014-08-28 20:01:20
同居する森と月bot @doukyomi5

「その森山さんの話なんですが、……笠松さん、森山さんとお盆に会いました?」 「会ったぞ。まあ小堀も黄瀬も一緒だったけどな」 「そうなんですね。その時、森山さんなにかいつもと違う感じ、しました?」 オレに態度が違うってのは、まあ(気にはなるけど)どんな心境の変化でもいい。

2014-08-28 20:10:29
同居する森と月bot @doukyomi5

でも、最近の森山さんは練習に打ち込み過ぎてる。オレが言ったことも発端になってるようだから強く止めることはできない。 けれどこのままでは、森山さんは無理をしてしまうんじゃないんだろうか。オレはそれが怖い。 「森山がいつもと違うって伊月が感じてるんなら、まぁそうなんだろーな」

2014-08-28 20:20:30
同居する森と月bot @doukyomi5

「はい?」 「最近はあのボケ、会う度お前の話しかしてなかった。オレもダジャレを考えてみただの、伊月が本気で怒ってるかどうかわかるようになっただの、楽しそうだったぞ」 「え、……そう、なんですか?」 すごく意外だ。 まさか、笠松さんと森山さんの間でオレの話題が出るなんて。

2014-08-28 20:30:30
同居する森と月bot @doukyomi5

「ああ。森山はお前を理解したいって言ってたな。あれもナンパと同じく無駄な努力じゃねえかって気がするが……って、本人の前で言うことでもないか」 「いいえ。……いいえ、あの、」 どういう顔をしていいかわからないから、オレは咄嗟にうつむいた。 森山さんが。

2014-08-28 20:40:28
同居する森と月bot @doukyomi5

「この間会った時も、『伊月も調子戻ったし、笠松たちとあたってもうちが勝つからな!』って上機嫌だったよ。……まあ、あいつは昔っから後輩の面倒見は良い奴だったしな」 「笠松さんもそうですよね」  後輩の面倒見がよくなければ、黄瀬はあそこまで笠松さんに心を許しはしないだろう。

2014-08-28 20:50:29
同居する森と月bot @doukyomi5

「―笠松さん。笠松さんは、森山さんがどうして同じ大学を選ばなかったかご存知ですか?」 「…?つうか、何でオレと森山が同じ大学を選ぶと思うんだ。求めてることや求められてることが違えば、志望する先も違うもんじゃないのか?」 笠松さんは太陽のような人だ。日向とは違った意味で。

2014-08-28 21:00:57
同居する森と月bot @doukyomi5

「そう、かもしれません」 返事が遅れて、慌てて付け足す。 笠松さんと対峙してると焼き尽くされるような意志の強さを感じる。強く、正しい人だ。 森山さんが、笠松さんと一緒のチームにいて、笠松さんに惹かれるというのは、部外者のオレにだって容易に理解できることだ。

2014-08-28 21:10:35