ついに来たかと言った所。取るとは言われてたが、毎年残念賞だったからね。しかも固体物理で以前出たからもう無いんじゃないかとも
2014-10-07 20:55:58私の研究分野でもあるガリウムナイトライドがノーベル賞を取りました。赤崎先生、天野先生、中村先生おめでとうございます
2014-10-07 21:16:49何故取れたのか?ですが、昨今の白色LED市場の大きさから言っても、待望されていた技術だからです。交差点にあるオーロラビジョンはこのLEDで出来ています,
2014-10-07 21:19:05光には3源色があります。赤、緑、青です。全て混ぜると白になります。この色を使って、全てのディスプレイは美しい山、美味しい食べ物などを表現しているわけです。
2014-10-07 21:20:58赤は既に開発されています。緑も後に作られました。しかし、青色はなかなか出来ませんでした。綺麗な結晶が出来なかったからです。
2014-10-07 21:22:51今回のノーベル賞は主に3つの点で選ばれたと思います。 ・ガリウムナイトライド結晶の成長 ・ガリウムナイトライドの制御 ・結晶の高品質化
2014-10-07 21:25:46ガリウムナイトライド結晶の成長。ガリウムナイトライドとはガリウムと窒素でできた物質です。元素記号でGaNとします。GaNはバンドギャップが丁度青色に適しており、青色LED候補として研究されていました。
2014-10-07 21:29:36しかし、GaNの結晶成長は非常に難しい物でした。シリコンは加熱して液体にし、固めると結晶になりますがGaNは加熱すると分解してしまいます。
2014-10-07 21:32:54そこで、基板を用意してそこにガリウムの窒素を供給する事で結晶成長を試みました。しかし問題が。GaNの足場に適する基板が存在しなかったのです。
2014-10-07 21:36:13初期は真っ白な物しか出来なかったと言われています。そこで、赤崎、天野先生が考えた低温バッファ法があります。これは低温成長により、足場を一旦組み直す事で、GaNの成長に適する足場を作ったら訳です。
2014-10-07 21:41:33この、低温バッファ法で、サファイア上のGaNが高品質にできるようになりました。ここからGaNの半導体としての研究が始まります。
2014-10-07 21:45:13ここで2番目のGaNの制御、に入ります。LEDは半導体です。半導体はp型とn型が有ります。pとnをくっ付ける事でダイオードになります。そこに電流を流すと、電子が半導体の境目で光になります。そのためにはp型とn型を作り分ける必要があります。それを制御と言います。
2014-10-07 21:51:42GaNは何もしなくてもn型になります。逆に言えばp型になりにくいと言う事です(p型になりやすい半導体もあります)。半導体に不純物を混ぜるとp型になるはずですが、一向になりませんでした。
2014-10-07 21:57:01ある日電子顕微鏡でその結晶を観察していると、何故かp型になっていました。結晶に電子を当てるとp型になると発見したのです。その後、加熱でp型になる事がわかり、その原因も詳しく調べられました。
2014-10-07 22:00:44目出度くn型とp型が揃ったので、LEDを作る事に成功しました。ガリウムの上下の元素であるアルミニウムとインジウムを使う事で、紫外線から赤外線まで幅広く発光できる素材である事がわかりました。
2014-10-07 22:04:22三番は中村先生の仕事です。発光効率の向上にはまだまだ先の長い研究が必要でした。装置を改良し、サファイアに綺麗に均一につけられれば商品として販売出来ます。中村先生はツーフロー法と言う装置を開発し、青色LEDを市場に出しました。
2014-10-07 22:07:44更に黄色の蛍光体を使う事で、白色LEDを開発しました。これにより照明、ディスプレイ、オーロラビジョン、あなたの使っている携帯にも、青色、白色LEDが使われるようになりました。今や100円ショップの懐中電灯にも並んでます。
2014-10-07 22:11:02