連城三紀彦・全作品紹介

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

前半は娘の奇妙な言動の謎をめぐるミステリとして読める（文庫裏表紙のあらすじはネタバレ注意）が、後半はそれを放りだして、祖母の遊廓時代の話が延々続き、長編としてはバランスが悪いという印象は否めない。ミステリ読者にも恋愛小説読者にもちょっと勧めかねます…。 #連城三紀彦全作品紹介

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53【ゆきずりの唇】（中公文庫）★★★☆ 家出を決意した48歳の晶子の元に、娘の婚約者の村瀬から電話が入る。娘が浮気しているらしいという。晶子は27歳の村瀬を、娘から奪いたくなる……。 [電子書籍有] amazon.co.jp/dp/B00I7PNK20/ #連城三紀彦全作品紹介

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中年女と若い男の浮気小説かあ、とか思いながら読んでみるとこれが意外と掘り出し物。嘘と隠し事を積み重ねていくミステリ的な筋運びで読ませる。中盤、銀婚式の熾烈な心理戦の盛り上がりはすごい。連城恋愛大衆小説長編の掉尾を飾る秀作。 #連城三紀彦全作品紹介

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54【夏の最後の薔薇（嘘は罪）】（文春文庫）★★☆ 電車の中で突然、高価な花束を渡してきた、見知らぬ年下の男の真意は？（「夏の最後の薔薇」）浮気ものの恋愛短編12編。 amazon.co.jp/dp/4167420155/ #連城三紀彦全作品紹介

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元々は『恋愛小説館』第三期シリーズだったらしい文春文庫20ページ恋愛短編集4冊目。これは全部浮気の話。友人のふりをして旦那の浮気相手に会いに行く「嘘は罪」や、この系統の連城短編では珍しくハッピーエンドで後味がいい「仮橋」あたりがいい。 #連城三紀彦全作品紹介

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55【白光】（光文社文庫）★★★★ 真夏のある日、4歳の少女が殺され庭に埋められた。明らかになるのは平凡な家庭の裏に隠された秘密。犯行動機は家族全員にあったのだ……。 [入手可] amazon.co.jp/dp/4334744648/ #連城三紀彦全作品紹介

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芥川龍之介『藪の中』の本質を維持したままミステリとして収束させるという最高難度の離れ業を成立させた超絶技巧の傑作。ただ話が非常に地味で陰鬱なうえ、その超絶技巧は一般的な話の面白さとは別次元のところにあるので連城初心者にはお勧めできない。いや凄いんですけど。 #連城三紀彦全作品紹介

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56【人間動物園】（双葉文庫）★★★★ 大雪の中、政治家の孫娘が誘拐された。被害者宅に仕掛けられた盗聴器に警察は身動きがとれない。追い詰められていく母親、流される動物の血…奇妙な誘拐事件の真相は？ [入手可] amazon.co.jp/dp/4575510440/ #連城三紀彦全作品紹介

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極めて独創的な誘拐ミステリの傑作。誘拐事件そのものの真相も唖然だが、もう一段の真相は笑うしかない。ただ回りくどい文章や頻発する比喩が驚愕の真相を成立させるための仕掛けになってるんだけど、それ故に読みやすいとは言いがたく話も地味なので連城初心者向けではない。 #連城三紀彦全作品紹介

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57【さざなみの家】（ハルキ文庫）★★★ 「家を棄てる決心はつきましたか」ある日吉川家に届いた一通の手紙。これは誰に届いたものなのか？（「春ささやか」）ひとつの家族の数年間を描く24編の掌編連作。 amazon.co.jp/dp/4758430047/ #連城三紀彦全作品紹介

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10ページほどの掌編24編がひと繋がりとなり、ひとつの家族に起きるさざなみを描く連作短編形式の家族小説。僅か10ページでさえ連城ミステリ的な反転劇がいくつも決まる。連城らしさが色々と詰まった、地味ながら円熟の佳作。 #連城三紀彦全作品紹介

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58【流れ星と遊んだころ】（双葉文庫）★★★★☆ 大スターの花ジンに隷属させられるマネージャーの梁一はある夜、危険な魅力を持った男・秋場と出会う。秋場をスターに仕立て上げようと梁一は企むが――。 [入手可] amazon.co.jp/dp/4575516481/ #連城三紀彦全作品紹介

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嘘と演技で騙し合う登場人物たちの、複雑にして色気に溢れた三角関係。連城長編の迷宮感と短編の大ネタの驚き、そして恋愛小説としての美しさの全てを兼ね備えた、連城恋愛ミステリーの総決算たる大傑作。連城同性愛小説としても最高峰にある。必読。 #連城三紀彦全作品紹介

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59【造花の蜜】（ハルキ文庫）★★★★ スーパーで見失った息子は、誘拐されかかったといい、犯人が「お父さん」だと言った。その一ヶ月後、前代未聞の誘拐事件の幕が開く。生前最後の刊行となった傑作長編。 [入手可] amazon.co.jp/dp/4758435146/ #連城三紀彦全作品紹介

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『人間動物園』の発展形というべき誘拐ミステリの傑作。特に二転三転の前半の面白さは天下無敵。たいへん読みやすい一気通読のエンタメなので晩年の作品では初心者にも勧めやすい。賛否両論の最終章は、ミステリ作家・連城三紀彦のあくなき挑戦心のあらわれか。 #連城三紀彦全作品紹介

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60【小さな異邦人】（文藝春秋単行本）★★★★ 大家族の元にかかってきた「子供を誘拐した」という電話。だが、8人の子供は全員が家に揃っていた…（表題作）。生涯最後の短編である表題作ほか全8編。 [入手可] amazon.co.jp/dp/4163900306/ #連城三紀彦全作品紹介

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没後に刊行された未収録短編集。最晩年にして誘拐ミステリと交換殺人ものの新境地を開く「小さな異邦人」と「蘭が枯れるまで」はミステリ読者絶対必読の傑作。他にも「無人駅」「冬薔薇」「白雨」とあくなき天才性を見せつける作品が並ぶ。早すぎる死が惜しまれる傑作集。 #連城三紀彦全作品紹介

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～終了～ #連城三紀彦全作品紹介

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Ｑ：長い。オススメだけ教えろ。 Ａ：『戻り川心中』『夜よ鼠たちのために』『宵待草夜情』『敗北への凱旋』『恋文』『私という名の変奏曲』『ため息の時間』『美の神たちの叛乱』『落日の門』『流れ星と遊んだころ』が俺選ベスト10です。ほか★★★☆以上は読んで損なし。 #連城三紀彦全作品紹介

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はい！というわけで #連城三紀彦全作品紹介 終了です！おつかれさまでした！ これから連城作品を読もうという方のひとつの参考になれば、それに勝ることはありません。 「○○を評価しないとかコイツわかってねーな」とか思われた方は是非それを周りに勧めてくださいね！

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連城三紀彦の作品は60作中46作が品切れ・絶版ですが、極めて入手困難だとかプレミアついてるとかはほぼ無いので頑張れば今からでもそんなにお金かからず揃えられます　皆様が豊かな連城作品ライフを送られますことを #連城三紀彦全作品紹介 pic.twitter.com/TuB9SERpaD

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そういえば連城三紀彦・全作品紹介 togetter.com/li/729362 をやってから1年以上になるんですが、あれから再読して評価の変わった作品がけっこうあるので、最新版の連城作品評価リストを挙げておきます（時間がかかりすぎるので短評は省略）

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『暗色コメディ』★★★☆ 『戻り川心中』★★★★★ 『変調二人羽織』★★★★ 『密やかな喪服』★★★☆ 『運命の八分休符』★★★★☆ 『夜よ鼠たちのために』★★★★☆ 『宵待草夜情』★★★★★ 『敗北への凱旋』★★★★☆ 『少女』★★★☆ 『恋文』★★★★☆

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『私という名の変奏曲』★★★★☆ 『瓦斯灯』★★★★ 『夕萩心中』★★★★ 『日曜日と九つの短篇（棚の隅）』★★★ 『残紅』★★★☆ 『青き犠牲』★★★☆ 『もうひとつの恋文』★★☆ 『離婚しない女』★★★☆ 『花堕ちる』★★★☆ 『恋愛小説館』★★★ 『螢草』★★★