ドボク鎮守府　 ～おくりぶね～ 起重機船の憂鬱

まも（C102お疲れさまでした） @Kojimamo

ドボク鎮守府　工廠… 提督「大型建造であきつ丸が来たぞ…」 初春「さ、三隻目でござるの。どうするのかや？」 提督「播磨造船も真っ青だな…　大発動機艇を産んでもらうか？」 初春「魂を入魂させる前にお主が判断するのじゃ。目が開く前に解体するのも情けじゃて」 #ドボク鎮守府

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この世界では海域でドロップした艦娘はサルべージ作業と呼ばれ、深海棲艦の骸等から救出される。 工廠で造られた艦娘は入魂式で祓詞「かしこみかしこみ～」をしないと魂が宿らないのだ。 大淀等のように海域撃破をした戦果として海軍本部よりプレゼントされる場合もあるが…。 #ドボク鎮守府

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工廠のドライドックの前で、建造されたあきつ丸を前に石炭煙草を吸いながら考える。 どうしたものか…。他の艦娘の対空補正の改良材にしてしまうのが一番の選択肢かも知れない。 魂はまだ宿ってないが、それがせめてもの情けだと思う。他の艦娘の体の一部として生き続けるのだ…。 #ドボク鎮守府

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私はクレーン船だ。沈んだ船魂を吊上げて輪廻させるんだ。それが仕事なんだ、クレーンの本能なんだ。 サルべージして生まれ変わらせる、解体と再生か…。 起重機船になった初代の那珂も言ってたな。「解体とは喜びである。建造に繋げる魂の輪廻転生の一部だ」と。 #ドボク鎮守府

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初春「解体もありかや？それも輪廻じゃのう…」 提督「心読まれたかな？」 初春「お主の心はようわかる。顔に出てるしのう」 提督「え～、バレましたか」 初春「起重機船とは因果な職の船よのう…創造と破壊、両方をするんじゃからな」 #ドボク鎮守府

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初春「いくらこればかりは慣れんもんは慣れんぞ。魂の輪廻に我々、船霊なぞが関わること自体、本来ならばおこがましいのじゃ」 提督「全くです。しかし我々は人間の心と体を持って、この世に生を受けてしまった」 #ドボク鎮守府

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提督「私は認めん！認めんぞぉォオオオ！！」 大潮「ひゃぁ！？」 提督「…｣ 大潮「また変な夢見たんです？｣ 提督「徴用船の娘らがターミネーターと化して艦娘らと血みどろの…、近未来を…｣ #ドボク鎮守府

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大潮「SFの見過ぎですよ。大潮とくっついて寝よう？大潮のボイラー、暖かいですよ｣ ああ、本当に温い…。 臨機調事件での海軍技術力が破局する危機を乗り越えた朝潮型の強さが、温もりを通し伝わって来るようだ。 大潮「司令官…、サッシー…。あったまろ？｣ #ドボク鎮守府

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朝潮型はガチだと言う言葉がある。 海軍工廠の重機械だった私も朝潮型はガチだと思う。 提督「…90ン年生きてきて、こんなこと言うのは変だが…｣ 大潮「？」 提督「私は恐い。恐いよ…」 #ドボク鎮守府

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｢私は恐い。起重機船として何百隻の船を造り、サルベージ船として何十隻も引き揚げてきた。船魂は輪廻転生しサルベージで救えると言ってきた…。でも、どうなのかな？一介の起重機船が船魂を弄んでいるようなもんだ。私は死神でもない！私は何者なのだ…？｣ #ドボク鎮守府

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#ドボク鎮守府 としては #食用艦娘 に取り組まねばなるまい。 近代改修で消えた艦娘らは何処に行く？ 食べるのだよ。 貴方は解体は哀しい事とお思いか？

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提督二五〇万を数えるこの世界、艦娘は最低でも二億隻と推定され、もはや艦娘文明と化した！故に食糧問題は深刻な影を引いていた。貴方の世界ではどうなっているのか知らないが 、このドボクワールドでは船魂は輪廻する。近代改修だ。古来から続いてきた食文化だ。 #ドボク鎮守府 #食用艦娘

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私は三光起、海軍工廠育ちの起重機船だ。軍艦として呉で沈んだ伊勢や榛名らを解体してきた。解体＝食事ではない。船の葬儀だ。誰がやるのか？起重機船や作業船の船娘がやるしかないだろう。私は解体に誇りを持っている。 #ドボク鎮守府 pic.twitter.com/O0IQVAte5H

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解体された船は資材ごとに分別されリサイクルされる。 これが船舶解撤ことシップリサイクリングだ。バングラディシュの解撤場の労働環境が最悪だと一昔前、ニュースになったが、海洋国家日本こそ技術で環境負荷の少ない船の葬儀ができるはずだ。それを切り開くのもドボクのチカラだ。 #ドボク鎮守府

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その昔、漁船がFRPでなく木造だった頃、手っ取り早い解体は浜辺や港の隅で「焼却」だった。ある程度、輪切りにし金属類を取り外して火をつけたり、中には丸ごと燃やしていた。 燃える自分の船を見つめていた漁師の顔は今でも覚えておる。命を共にした魂の一部だったからだ。 #ドボク鎮守府