『HARVEST vol.1』感想

小説誌『HARVEST vol.1』の感想をまとめたもの。
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すとらい @str017

『HARVEST vol.1』 (まぶたに桜の木を) :これは若干作品語りとは外れるが、最後のシーン以外は、案外「私」が「自分も大人になっていってる」ことがぼかされてるフシがある。(と思う) これは最初の段階で、「明」等性的象徴の各要素が「不在」或いは「機能しない」ところから。

2010-11-20 01:39:41
すとらい @str017

『HARVEST vol.1』 (Life goes on) :人間賛歌を歌うのは、真っ当な正しい人間よりも、元屑であった人間の方か説得力があるとは思う。しかし、あそこまでどうしようも無い展開で、あんなに綺麗に纏まるとは、思いもしなかった。

2010-11-24 12:56:31
すとらい @str017

『HARVEST vol.1』 (Life goes on) :人間のエゴイズムを中核にした作品は、当作品以外にも「やうやうしろく」がそうだったと思うが、「やうやうしろく」はにじみ出るエゴに対し、当作品はそのエゴをまるで隠そうとしない。

2010-11-24 12:58:23
すとらい @str017

『HARVEST vol.1』 (Life goes on) :その分、終盤の展開による「なにこのさわやかな読後感」って感覚がもたらされるが、それは初期の叔父さんとの綺麗な対比があってこそだと思うし、そこに畑を耕すという意味でも「HARVEST」とかかっている。

2010-11-24 13:00:08
すとらい @str017

『HARVEST vol.1』 (胡蝶の庭) :舞台は古のバビロンで、固有名詞も多く、一見難解な印象を受ける。だが実際には、認識、把握がとてもしやすく、ネブカドネザルと奴隷の若者の対話から、彼らが対話を重ねる度に、情報も整理され、結果実際には、とても読み易い印象を受けた。

2010-11-24 22:39:20
すとらい @str017

『HARVEST vol.1』 (胡蝶の庭) :陰謀に陰謀を重ね、王冠は血に染まってる。だが、不思議と彼らのやり取りと、その後に待つ顛末には、その血なまぐささは一切感じない。舞台となる空中庭園は、俗っぽい言い方にはなるが、そこはまるで天国のようにも思えた。

2010-11-24 22:46:48
すとらい @str017

(番外):あと、意図的にだろうけど、流れるような文章で書かれてるから、製本にする際はとても苦労すると思われる。なつめくんもたいへんだな!

2010-11-24 22:47:58
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

そういえば昼の10時台、京橋へ向かう電車の中で『HARVEST vol.1』読みました。一応全部眼を通したのだけど、中でもクガくんのと廠長のとが恐ろしく面白かった。たぶん普段からtweetみてるからっていうんじゃないと思う。

2010-11-27 20:48:50
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

ちなみにHARVESTの電子書籍版は、iPod touch(旧式,Retinaではない)のGoodReaderにPDFファイルの方を読込ませて、ファイルを横倒し表示にして拡大するとちょうどさくさく読むことができた。この読み方を編みだすまでに数日かかった。電書の組版って難しいね。

2010-11-27 21:15:35
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

.@Tamagawa_HQ さんの小説はヤン・シュヴァンクマイエル『スターリン主義の死』あたりを想定しながら読んでいたら、予想のナナメ上を行かれてしまった。そしてどのようにWWIIが好きなのかを目の当たりにさせられた感じであった。

2010-11-27 21:18:51
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

@joe_kuga くんの小説は、自分が『戦争の法』や『ミノタウロス』の一人称を呼んでいた時に感じた快楽が「どのようなもの」なのか掴みきれていなかった部分をはっきり再認させられた感じだった。もちろん似ているというのでは全然なく、題材も語りも違うんだけど、なぜかそう読んでしまった。

2010-11-27 21:23:26
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

単なる厭世観でもなければ単なる斜に構えた態度でもなく「屑を屑として論じる」でもなく、もっとあけすけで暴露的で、教訓という教訓を拒否するようなな何かを、なんでもないかのように説きつつ、語り手が状況の渦中に居続ける……といいった技巧をなんてよべばいいんだろう、ということを考えた。

2010-11-27 21:26:27
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

これはもう「文体」という言葉で語ってはいけないのだろうな。確かに文体はスイングしているんだけれど、表現したい語り手の思想の出力に対応したものを追求・研鑽した結果でしかないというか、たぶんそういうものがあって、そういうプロセスをきちんと踏むことが大事なのだろう。

2010-11-27 21:28:15