明戸「例えば『ジャパニーズオンリー』の旗のように、他国でははっきり差別行為とされていることが日本では野放しになっている。なので、まずは法規制の前に人種差別禁止法について考えるべきだ、と最近では言っています」
2014-10-22 21:04:45明戸「例えば山谷えり子の発言で『在日特権』が注目を浴びましたが、あれに人種差別禁止法が適用できるかというと微妙。けれども『差別はいけない』という理念が共有されていれば、対抗言論はできる。野間さんの『在日特権の虚構』然り、対抗言論が今後さらに必要になっていくと思います」
2014-10-22 21:07:53続いて、朴順梨さん(『離島の本屋』『奥様は愛国』ほか著者)のお話。ラブホ特集なども手がけられたことがあるそう。ラブホ経営には外国人労働者の問題も関わっているというエピソードから入ります。
2014-10-22 21:11:23朴「みなさん今、嫌韓本やネットの煽り記事をよく目にされているんじゃないかと思います。でも、ライターの仕事は依頼があって初めて成立するところがある。だから自分のことを『小作人』と呼んでいる」
2014-10-22 21:13:49朴「例えば先日橋下会談を取材しましたが、その記事を初めて載せてくれたのが小学館のサイトです。反韓的な記事も載せているが、私の記事も載せてくれた。『なんでこんな記事を載せるのか?』と聞いたら、かえってきたのは『自分は究極の社畜である』と」
2014-10-22 21:17:01朴「思想性がないから仕事が来ているが、ネトウヨに対する危機感も持っている。2011年からネトウヨの影響力が大きくなってきたので、存在をおさえ、彼らがおかしいというような書き方はしておくべきだと思った、と」
2014-10-22 21:17:44朴「例えばシンシア・リーの記事はPVが取れるので載せている。それで儲けやがって、と言われてもそれは職業だ、と言っていました。その中で、書き手として何をすべきかということは考えました」
2014-10-22 21:18:51朴「私なりに考え、橋下会談の記事では会談が始まる前のメディアの対応、また被差別当事者(李信恵さん)のコメントを長めに入れました。そうしたら、出版社に『こんな記事を載せるな』と抗議が来ました。ヘイトスピーチをテーマにした記事を書くと必ず抗議が来ます。チョンコに仕事をやるな、と」
2014-10-22 21:24:46朴「付き合いが長いところだと記事を書かせてくれますが、浅いところだと『こんな面倒くさいライター使うのやめよう』と思われるのかな、と思います。私たちは依頼の仕事は依頼があって初めて成立する。主張に見えない主張を載せたりしますが、(状況は)非常に厳しいです」
2014-10-22 21:25:13朴「例えば編集者は(抗議が来ると)『書き手が勝手に暴走した』という言い方をしたりする。けれども編集者もある意味社畜なので、内心どう思っているのかな、とは思います」
2014-10-22 21:26:48ここから朴さんの仕切りによるフリートークへ。 朴「みなさん本屋に行くと嫌韓本あふれてると思うんです。私は当事者なのでそれを見るとすごく嫌な思いをする。嫌韓本が犯罪性を問われることはないのか、というのはすごく知りたいです」
2014-10-22 21:30:26神原「『誰の』犯罪なのか、というのを聞きたい。並べた本屋の罪か?タイトルだけで犯罪が成立するか?とか分けていかないといけない話だと思う。 僕がいつも思っているのは、タイトルと(本の)中身にギャップがあるということ。タイトルで気を引きたいんでしょう」
2014-10-22 21:37:16明戸「ヨーロッパではかなり厳しい規制があります。中身に対して判決が下ることもたくさんある。でも表紙だけ、とかだと厳しい」
2014-10-22 21:40:27岩下「僕らもこういう仕事をしてると必ず法規制について聞かれる。どういう基準で規制するのか?を考える。『韓国人死ね』という本はそれほど多くない。社会の中でコンセンサスがあれば、十分歯止めになると思ってるんですね」
2014-10-22 21:43:32岩下「社会のコンセンサスとして止めていくほうがいきなり法規制よりかはいいのかな、と。今それがないのが一番問題かと思っています」
2014-10-22 21:44:39朴「死ね、殺せだけがヘイトスピーチではない。『どうぞお帰りください』も丁寧な言い方だけど私はヘイトスピーチだと思ってる。そこを法規制と絡めるのは難しいけど、考えるべきことの1つだと思ってます」
2014-10-22 21:45:57会場からの質問時間へ。扇情的なタイトルについての話があったが、では対抗言論となる書籍を作るときにどう効果的なタイトルをつけるべきか?ヘイト本に対抗する本の良い売り方とは?
2014-10-22 21:47:32木瀬「出版業界には2つの文化がある。1つは羊頭狗肉、もう1つは柳の下にどじょうが100匹。後者だと、編集者は(売れればいいから)扇情的なタイトルつけることに罪悪感ないんじゃないと思ってます」
2014-10-22 21:49:11木瀬「あと考えるべきは値段です。消費税とのバランスで考えて、加藤さんの本は増税になってもお釣りのくる1800円にしました。そういう視点は大事だと思う」
2014-10-22 21:50:35朴「柳美里さんの原稿料の件が問題になってますが、原稿料が出ないと取材しないでネットで適当に調べた記事が増えてしまうのでは。おかしな言説が拡大していく一因になっていくと思う」
2014-10-22 21:52:23