ヒサクニヒコ×久正人 マンガ家親子対談 @横浜市民ギャラリー まとめ
久先生「フランク・ミラーの、コントラストのはっきりした白黒の陰影で構成された画面は独特で目を引くし、新作の「ジャバウォッキー」の舞台である19世紀の世界観にも合うだろうと考えた。だからそのテイストを導入し、試行錯誤のすえ今の絵柄になった」
2014-10-20 16:24:08久先生、ヒサ先生にときたま話題のはしを投げることがあったのですが、その際敬語を使おうかどうしようか迷って不思議な言葉遣いになり、ヒサ先生に笑われるというシーンもありました なかなか親子でトークするというのは特に子供側にはハードルが高いのでしょうか
2014-10-20 20:06:15さてこちらtwitter.com/ycag1964/statu… のツイートのように、久先生、このトークイベントのために漫画を2p書き下ろされてまして、なんとそれを使って、漫画のコマ割り表現の講義をされました!なんと贅沢!
2014-10-20 20:09:511.ズームイン 書き下ろし漫画に沿って解説すると 冒頭の大きく拡大されたガラケーから一コマ目がはじまります ふたコマ目にはカメラが引き、電話をしている久先生とおぼしき男性がうつされます カメラの切り替えをおこなうためのコマ割り表現です
2014-10-20 20:19:302.アングル変え 続いて、突然の話にとまどう主人公の男性が、ふきだしの会話が一呼吸おくたびに違う角度からうつすコマ割りになります 映画とはまた違う漫画独特のカメラの回り込み表現です
2014-10-20 20:22:424.時間経過 コマがきりかわり、主人公の男性がまたうつされます 話をきいていくうちにうなだれていく男性が同じアングル、同じ形のコマが三つ連続することで表現されます これで男性がくよくよ悩んでいることが強調されます
2014-10-20 20:26:345.動きを表現 主人公の男性と話をつけた電話の相手の女性が、電話を置き、次の瞬間よびかけられてふりむきます。この間を2コマで描き、アニメ的な演出を行います ちなみにこの表現だと同じ絵が続いて飽きる?ため久先生はめったにやらないそうです
2014-10-20 20:29:136.真相の暴露 次のコマでは、女性に話しかけていた黒幕の驚くべき正体がうつされます。この驚きをドラマチックにするため、通常は次のページに描くこともあります (ちなみに久先生、さすがに3p描くのはおいやだったそうで、次のコマにまとめられたそうです)
2014-10-20 20:32:29久先生「実際描いている時はこんなに意識してコマ割りはしていないし、読者もおそらくそうだと思う。しかし、今回は基本的なコマ割りを紹介するため、意識してみた。また、もちろん本当はもっといろいろなコマ割り表現がある」
2014-10-20 20:35:51ちなみに今はいったふらぎ先生の情報によりますと、久先生のこちらの漫画、ヒサクニヒコ先生のフェイスブックページで閲覧できるそうです
2014-10-20 20:42:13ヒサ先生、久先生それぞれ一コマ漫画、コマ割り漫画の表現方法についてのトークでしたが、いよいよ本格的な「対談」に まず久先生「一コマ漫画の表現でできないことを考えてたんだけど、時間の経過、が難しいような気がする」 確かに先ほどのコマ割り法、ほとんどが時間を表現するためのものでした
2014-10-20 21:59:02たとえば、一コマだけで「長い時間をかけて悩んでいる人間」を表現するのは難しい そこをどうやってするか。置いてあったスケッチブックをとりあげて描き始める久先生 生ドローイングだ!とざわっと沸く会場の一部勢
2014-10-20 22:00:46久先生が描いたのは横に長い四角いコマ。ひだりはじにぎゅっとよせて長考する人物を描き、「たとえばこのコマの空白の長さで、時間経過を表現できると思ったんですが…」 ヒサ先生「いや、そういうとき一コマ漫画ではこうだよ」おもむろにペンをとり、人物にクモの巣をつけたし、時間経過を表現します
2014-10-20 22:04:31ヒサ先生「他にもこの人物が白骨化してるとか、一コマで時間表現できる手段はあることはあるよ」 そこから「絵における身体感覚」の話題に
2014-10-20 22:09:24「絵における身体感覚」とはすなわち絵をみて、体の動きに脳内で結びつけること。それにはいろんな個人差があり、正確に伝えるのは難しい。たとえばエレベーターの開閉マークで、「閉まる」をあらわす ▶️◀️も、ヒサ先生には開いた扉を遠近法で表現したように見えるそうです
2014-10-20 22:14:21久先生「雑誌に掲載されるときにはすかすかに見えてしまいそうな絵作りでも、単行本になればそれなりにまとまって見える。紙面のサイズというのはやはり重要。だから原稿を描くときも、『コミックスになればちょうどよくなるかなー』とか思いつつ描いてますね(笑)」
2014-10-20 22:23:14久先生「漫画は、ページをめくる行為こみが漫画だと思っている。それを想定して描いているところもあるので、デジタル化が進む現在、ページをめくる行為そのものがなくなっていくかと思うと怖い。しかし一方で、Web掲載漫画特有のスライド?を利用した表現もこれから出てくるのだろうなとは思う」
2014-10-20 22:27:27久先生「展示される前提の絵画に近い人(ヒサ先生のことか?)と、何度も直す可能性のある漫画の人間とは、やっぱり感覚が違うんだろうな」 ヒサ先生「いや、一コマ漫画の原画もよくみると、ここまでやるかってくらいかなり修正してあるよ 原画は作業場だからね」
2014-10-20 22:37:59