【テドイア】隠れ神【まだ途中】

重音テッド×IA。 子供にしかその姿が見えない神のテッドと、彼の巫女であり、妻だったイアの物語。
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大崎巧実(裏) @mboxtw2

娘は当然悲しみ、どうにか出来ないかとテッドさんに言うのです。 定められた死は変えられない。でも、たった一つだけ、方法があるとテッドさんは告げる。 それはまだ若くて生命力に溢れた娘の命を腹の子に渡す事。そうすれば腹の子の死を避ける事が出来る、と。

2014-10-25 22:14:01
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんのその言葉に、娘は一も二もなく頷くんです。どうかこの子を助けてください、この子が助かるのならば私の命をあげても構わない、そう言って。 そうして、娘の命を代償に産まれてきたのがイアだったんです。 死ぬはずだった運命を、テッドさんが移し替えた。それがすべての始まり。

2014-10-25 22:15:54
大崎巧実(裏) @mboxtw2

娘に身よりはなく、産まれてきたイアも引き替えに母親を失った所為で天涯孤独。 なのでイアはテッドさんの居る社で大きくなっていくんですね。 家族のいない子供に村人達も優しかった。可哀想な子、と一杯愛情を受けて育っていく。 そして彼女に一番の愛情を注いだのがテッドさんだった。

2014-10-25 22:17:28
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアが産まれてくる直前。テッドさんは娘と一つ約束をした。 娘がイアを産み、力尽きていくその時に。彼女は娘の幸せを願ったんです。 傍にいる神の手を取って、どうか、娘に幸せを。そう願って娘は死んでいく。 そんな彼女にテッドさんは幸せにする、と約束したんです。

2014-10-25 22:19:00
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そんな約束があったからこそ、テッドさんはイアに物凄く甘かった。 独りが寂しい、と泣くイアを抱いて夜はずっと傍にいて。 沢山の祝福でイアを満たした。イアが幸せになるように。 神の社で育ち、テッドさんに愛されて育ったイアはそのまま巫女になる事を願うんですね。

2014-10-25 22:21:00
大崎巧実(裏) @mboxtw2

小さい頃からずっと傍にいてくれたテッドさんの事。彼の為に何かしてあげたくて、彼の為に生きたくて大きくなったイアはそのままテッドさんの社に巫女として勤め始める。 といっても産まれた頃からいた場所だから、普段と何一つ変わらないのだけれど。 社の掃除もテッドさんの世話も昔からしてたから

2014-10-25 22:22:36
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんの社には他にも女の子が一杯居る。そしてやっぱりその世界のテッドさんはちらほらと手を出しちゃうわけで。 神官もいるけれど、やっぱり身の回りの世話は巫女達が多かったわけです。 その中にそのうちイアも混じってしまっていくわけなんだけど。

2014-10-25 22:24:50
大崎巧実(裏) @mboxtw2

年頃になって、イアはテッドさんにそのまま恋をする。小さい頃からずっとずっとテッドさんしか見てなかったから、イアにとってその恋は必然で。 でも信仰心と恋心は等しく、テッドさんが巫女に手を出しても特に何とも思わなかったんだけど。 むしろ神様に愛されていいなーくらい。

2014-10-25 22:26:22
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんに手を出されるって事は、すなわち『神様に愛される』って事だから、人間にとっては物凄い事だったりするのです。 当然、テッドさんはただ手を出すだけじゃなくて一緒に祝福も与えてくれるから、その人にはほんの少し良い事が起きる。

2014-10-25 22:28:00
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そんな背景もあるから、逆に巫女はテッドさんに手を出されたいわけですよ。 基本的に社に詰める巫女達は神様への信仰心が高い娘達だから、自分が信仰する神様に愛される事はとんでもない名誉なわけで。 そんな感じでたまーに女の子と遊びつつ、テッドさんは暮らしてた。

2014-10-25 22:29:36
大崎巧実(裏) @mboxtw2

基本的にテッドさんが手を出す女の子は信仰心が高い娘。何故なら神の力の源になるのは信者の想いだから。 人が強く、強く信じるからこそ神の力は強くなる。 信者を多数抱えてる神様はそれだけ力が強くなっていく。だから力をくれる信者の傍が神にとって一番気持ちいい場所なんですね。

2014-10-25 22:31:22
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テドイアのテッドさんは男に全く興味がないので、この世界のテッドさんも男の神官達にはあまり興味がない。普通に接するし、大切にはしてるけどそれだけ。 手を出したり自ら祝福を与えようとするのはやっぱり女の子。 で神の気質として信仰心の厚い、純粋な子、ってなっていくわけです。

2014-10-25 22:33:09
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その条件にイアはそらもー、ぴったりと当てはまるわけですよ。 テッドさんに育てられたようなものだから、イアはテッドさんにだけすべての心を預けてる。強く、強く信じるイアの心はテッドさんにとって一番気持ちが良い物なわけです。 ちなみに子供に優しいのも同じ理由。雑念がないから。

2014-10-25 22:34:25
大崎巧実(裏) @mboxtw2

強く、純粋に想ってくれるその気持ちが神を強くする。 娘との約束もあってテッドさんにとってイアが特別になっていく。 村に住む住人の中で、イアほど真っ直ぐにテッドさんの事だけを想ってくれる人間はいなかったわけです。 家族がいないイアにとっては本当にテッドさんだけだったから。

2014-10-25 22:35:59
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんがイアを嫁にする事になった出来事はほんの些細なこと。 村で結婚式が執り行われた。その主役は神官と巫女のカップル。二人は結構位が高くて、村の中での権力者だったから、村総出のお祭り騒ぎだったわけです。 でもテッドさんにはよくわからない。

2014-10-25 22:38:11
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんから見れば人間はみんな同じで。お祝い事だから祝福をかけてやるけれど、その盛り上がりが理解出来ない。 そんなテッドさんにイアはとても嬉しいことだっていうんですよ。 それが人にとっての幸せなんだ、って。

2014-10-25 22:39:37
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そしてイアは言うんですよ。テッドさんはお嫁さんをもらったりしないんですか?って。 神様の結婚もあることにはある。物凄く珍しい事ではあったけれど。 イアは純粋にテッドさんはその気がないのかな、って訊きたくて訪ねただけだった。 そんなイアにテッドさんは答えるんです。

2014-10-25 22:41:01
大崎巧実(裏) @mboxtw2

じゃあ、お前が嫁にならないか?って本当にあっさりとした口調でテッドさんがイアに告げる。 村人達はみんな結婚式に出払っていて、社に残っているのは神事が終わったテッドさんとその傍を離れなかったイアの二人だけ。 二人で結婚式を社から眺めながら、そんな会話をしてた。

2014-10-25 22:42:34
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんの言葉に、当然イアが拒否をするわけもなく。でもその真意がわからない。 どうして?って訊くイアに「お前ならいいと思った」ってテッドさんは答えるんですね。 人が言うそれは俺にはわからないけれど、でも一人を選ぶならお前がいい、って。

2014-10-25 22:44:22
大崎巧実(裏) @mboxtw2

昔イアの母親とした約束。イアを幸せにすること。始まりはその願いから。 でもイアが大きくなっていくその課程で彼女のことは物凄く可愛いと思うし、大事だと思うようになった。だからこそ、今まで何度も見てきて、けど興味がなかったその結婚式にほんの少しだけ興味が沸いた。

2014-10-25 22:46:56
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その関係は人が言う結婚ではないかもしれない。けれどそもそも神様であるテッドさんに人と同じものを求めるのは間違ってるのかも、ってイアは悩んで。けど、テッドさんの言葉に逆らう気はないから、はい、ってそれを受けるんですよ。 神様のお嫁さんになりたいです、って。

2014-10-25 22:48:28
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうしてイアたんはテッドさんの嫁になるわけなんだけど、しばらくはいつもと全く変わらなかった。 変わったとすれば、夜になればテッドさんが呼んでくれること。 巫女になってからテッドさんの寝所に入ることを止めてしまってたんですよ。小さい頃は良く一緒に寝てもらってたけど。

2014-10-25 22:51:14
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんの部屋に入れるのは許された人だけ。そして許された時間にしか足を踏み入れる事は出来なかった。それ以外はテッドさんが嫌がって扉を開けてくれないんですね。 けど、イアには開けてくれるようになった。そんな風に少しずつイアに『特別』を与えてくれるようになるんです。

2014-10-25 22:53:25
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そして最大の『特別』が名前。 実は誰一人としてテッドさんの名前を知らない。みんな神様、って呼ぶしテッドさんも自分の名前を教えることはなかった。 けど神様、って呼ぶイアに人の夫婦は名前で呼ぶんだろ?って自分の名前を教えてくれるんです。テッド、って呼んで良いよって。

2014-10-25 22:55:23
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうやって時間を過ごしていくうちに、テッドさんはどんどんイアが可愛くなっていくんですね。本当に好きになっていく。 で、自覚したテッドさんはイアをある場所に連れて行ってくれるんです。 それは『神様』だけが許された場所。

2014-10-25 22:57:43