《植物園の女》

まるちゃんのやつです。
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hikari♡∞妄想♡ @love_kamome

《植物園の女》side-A 1 彼女のことは初めて会った時から意識してた。 ...いや、うん。正直に言います。 一目惚れです。 ええ年して恥ずかしいけど。 ほんま自分でも信じられんわ...。

2014-02-01 05:13:14
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《植物園の女》side-A 2 初対面は村上くんが主催したバーベキュー。 友達の多い彼らしく、河原に人が溢れてた。 知らん人ばっかやし、手持ち無沙汰になるのが嫌で、汗だくで火を起こしてたら「丸山くん?」 振り返ると信ちゃんの彼女。と、知らん女の子が居った。ふと、目が合う...。

2014-02-01 05:13:43
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《植物園の女》side-A 3 「なんかゴメンねぇ。やってもらっちゃって...」 喋ってる信ちゃんの彼女の声がフェードアウトしてく。 ...ちょ、やば...この子......めちゃくちゃタイプなんやけど...。 何この感じ?しかも何かめっちゃ笑顔やし...。

2014-02-01 05:14:16
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《植物園の女》side-A 4 何て言うんかな。 すごい美人さんとかじゃないねんけど、ふわぁっていう感じの笑顔がたまらなくかわいくって。 しばらく呆然と見つめてた。 っあぁ〜、癒されるってこういうことやんなぁ。

2014-02-01 05:14:43
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《植物園の女》side-A 5 ぼおっと考えてたら「じゃ、よろしくね」って信ちゃんの彼女の声。 「ぅあ...おぉ...」 完全上の空の俺を置いて、何をよろしくされたんかわからんままふたりは遠ざかってった。

2014-02-01 05:15:00
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《植物園の女》side-A 6 その辺の人と適当な会話をしながら彼女を目で探す。 彼氏おんのかなぁ...。 いや、普通おるやろな。だいたい普通にかわいい子に彼氏おらん方がよっぽど不自然やわ。 ...なんか...恋愛ってどうやって初めんのやったっけ。 ...忘れてもたわ...。

2014-02-01 05:15:22
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《植物園の女》side-B 1 別れたのは1ヶ月前。 一年間付き合ってた彼には奥さんと子供がいた。 言い訳するわけじゃないけど、本当に知らなかった。 最初の半年は。 後の半年は.........気づいていないフリをしてた。 彼の嘘にも、自分が気付いてることにも。

2014-02-02 00:14:23
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《植物園の女》side-B 2 結局、奥さんにバレて三人とも神経をすり減らして... ぐちゃぐちゃになって、終わった。 すごく好きで、好き過ぎたから、嫌いになれなくて。 何より全部が嘘で、騙されてたなんて、今だに信じられなかった。

2014-02-02 00:14:43
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《植物園の女》side-B 3 わかりやすく3キロ痩せた私を心配して、友達が誘ってくれたバーベキュー。 全然行く気なかったけど「気分転換になるから」って...。 到着すると、河原にはたくさんの人がいて。 そっか。忘れてた。

2014-02-02 00:15:03
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《植物園の女》side-B 4 ヘアメイクの仕事をしてる友達の彼氏は、まさかの芸能人で。 そのせいか、腰が抜けるほどかっこいい人や、この世のものとは思えないキレイな人がいっぱい...。 キツいな、今の私には...。 早くも来たことを後悔していると、友達が急に立ち止まった。

2014-02-02 00:15:18
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《植物園の女》side-B 5 「丸山くん?」 汗だくで火を起こしてた丸山さんらしき人が振り返る。 有名人? 見たことある顔。 そして何やら親しげに話してる友達。 すごいなぁ、こーゆーバイタリティ。 芸能人と対等に楽しく会話するなんて、私には出来ない。

2014-02-02 00:20:42
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《植物園の女》side-B 6 しみじみ感心してると... あれ?丸山さん?がじぃっと私を見てる。 え、あれ、初対面のはずだけど...どこかで会ったこと...あったっけ......? 咄嗟に笑顔をつくる。 必死で記憶を辿ってると、話が終わったらしい友達がまた歩きだした。

2014-02-02 00:21:00
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《植物園の女》side-B 7 気のせい、か.........。 空を見上げると雲ひとつない快晴で。 そっか。もう夏なんだ。 閉じこもってる間に季節が進んだんだなぁ。 このままどんどん季節が変われば、忘れられるかな...。 大丈夫...だよね、私。

2014-02-02 00:21:15
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《植物園の女》side-A 7 普段は付き合いのいい方じゃない。 でもあのバーベキュー以来、信ちゃんからたまに誘われる飲み会やらパーティに参加するようになった。 「どしたん最近?」 ニヤニヤしながら聞かれたけど。 そんなん決まってるやん。 あの子にもっかい会えるかなって。

2014-02-02 23:12:16
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《植物園の女》side-A 8 そりゃ信ちゃんに相談して、彼女経由で紹介してもらうんが一番早いのはわかってんねんけどさ。 何か...言われへんかった。 そんな密かな営業努力の甲斐あって、何回かに一回は彼女に会うことができた。

2014-02-02 23:12:32
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《植物園の女》side-A 9 まぁいっつも信ちゃんの彼女と一緒やったし、会えても挨拶するのがやっとなんやけど。 でも、あの破壊力抜群の笑顔が見られると、なんかもうそれだけで幸せやった。 あれ、俺ってこんなオクテやったっけ...?

2014-02-02 23:12:54
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《植物園の女》side-A 10 そんで今日。 事件が起きた。 俺的には大事件。 信ちゃんと俺の共通の友達の誕生日パーティ。 例によって大人数でごったがえしてる会場の隅に彼女がいた。 しかもひとりで。

2014-02-02 23:13:10
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《植物園の女》side-A 11 これ...は...もしかしてチャンスちゃう? そう思って近づいたら、茶髪でえりあし長めのチャラそうな男が彼女の隣に現れた。 慌てて方向転換してる俺。 情けな...。 えりあし男が彼女に話しかけるのをこっそり聞く。

2014-02-02 23:13:24
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《植物園の女》side-A 12 「ひとり〜?一緒に飲もっ」 「......え...と...」 何やねんコイツ。 くっつき過ぎやろ。 イライラしながら背後の会話に意識を集中させる。 「え?じゃあ今彼氏いないの?」 !! おらんの?マジか!

2014-02-02 23:13:39
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《植物園の女》side-A 13 「じゃあじゃあ、好きなタイプ教えて」 ...おぉ、グッジョブえりあし! 「え?...」 「しいて言うならでいいから!」 ...めっちゃ気になる...。 「ん....ちょっとだけ...」 何?ちょっとだけ何よ? 「...強引な、ひと、かな...」

2014-02-02 23:13:58
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《植物園の女》side-A 14 .......ちょっとだけ、強引な、ひと...ですか...。 うわぁ〜、これまた俺にない要素やわぁ。 強引かぁ。 強引ねぇ...うん...。 ....アレ? 振り返ると、彼女とえりあしはすでにおらんかった。

2014-02-02 23:14:20
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《植物園の女》side-A 15 は? マジで? 消えた? まさかふたりで...? 人混みの中をあちこち探したけど、見つからんくて。 あんなチャラ男と消えたなんて思いたくなかったけど、彼女がおらんくなったら正直ここにおる意味ないし... 帰ろ。

2014-02-02 23:14:33
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《植物園の女》side-A 16 意気消沈で俯きながら地上への階段を上る。 と、突然何かにぶつかった。 「ご、ゴメンなさい!」 柔らかい衝撃に顔をあげると、目の前に彼女が立ってた。

2014-02-02 23:14:45
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《植物園の女》side-B 8 バーベキュー以降も、友達は私を人の集まるところに連れて行った。 本当はそういうの苦手だけど...。でも、家に居るよりはマシな気がして。 そして今日。知り合いの誕生日パーティに来た私は、お店の前で立ち尽くしてた。 地図見て嫌な予感してたんだ...。

2014-02-03 22:55:54
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《植物園の女》side-B 9 だって、彼と時々来てたお店。 追い打ちをかけるように友達からメールが入る。 「ゴメン!仕事で遅れる!先に入ってて!」 せっかく来たんだし....ね。 ふぅっと息を吐いて、地下へ続く階段を降りた。

2014-02-03 22:56:06
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