二次創作SS『エーヴィヒグランツ』

とある老提督の追憶の過去話。
ゲーム 鋼鉄の咆哮
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ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
『エーヴィヒグランツ』 ※これはPC版鋼鉄の咆哮の初代~3を統合+αな二次創作です。 というか、『とある老提督の追憶』の過去話です。 ※実際のゲームとは異なる部分が多くあります。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
―195X年、極北某海域 「先行艦隊より通信途絶。おそらく全滅したものと考えられます」 近代的な無線装置と向い合って座る通信士が告げる。 「これで、いよいよこの艦が向かわなければ…彼らの故郷、そして我々の世界の滅亡は避けられなくなったな」 [1]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「ヴォルケンクラッツァー級が二隻あれば世界を滅ぼすことも容易であろう…と言われた頃が懐かしいな。ドイツは…何度もかの艦を我々に差し向けてきた」 究極超兵器と称される、超巨大戦艦ヴォルケンクラッツァー。異世界侵攻用の特殊兵器。 [2]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「だがしかし我々はその度に沈めてきた。あんな兵器があってはならない、沈めなければならない、とな」 「しかし今、我々はその"あんな兵器"に搭乗していますよ」 北極海に浮かぶ巨影。これもまた、ヴォルケンクラッツァー級であった。第零遊撃部隊の、最終兵器。 [3]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「元はといえば我々が初代"ヴォルケンクラッツァー"を建造してしまったのがいけなかった。あいつに積んでいた新型機関が、今の状況をもたらしてしまったのだから…」 超兵器機関。時空を歪める程のエネルギーを放つ疑似永久機関。 [4]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「この艦の設計のために何十という諜報員が犠牲になった。そして、先行艦隊も全滅。彼らの犠牲を無駄にするな。全速前進、これより零地点…ニヴルヘイムへ突入する!」 第零遊撃部隊の最後の戦いが、始まろうとしていた。 [5]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
最早この艦しか第零遊撃部隊にまともな戦力は残されていなかった。北進するほどにドイツ軍の抵抗は激化し、ヴォルケンクラッツァー級やムスペルヘイム級といった超兵器との戦いで、通常戦力は摩耗し、そして零地点でついに壊滅してしまったのだ。 [6]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
作戦海域に近づけば近づくほどに強まる超兵器機関特有の"ノイズ"。 段々と電子機器がイカれて使い物にならなくなってくる。 火器管制装置については対ノイズシールドを施しているが、いつまで持つか。[7]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「…これより新型火器管制装置によるオートモードへ移行する。各員はダメージ・コントロールと操艦のみに集中しろ」 艦長らしき男はそう言いながら、ブリッジの外に佇む白髪の少女に目をやる。 「…頼む」 彼はそれだけ呟くと、艦長席へ戻っていった。 [8]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「まもなく作戦海域だ。…総員、戦闘配置」 艦長席に座った男は静かに言う。 白髪の少女は、船体の脇に沈む、ヴォルケンクラッツァー級の残骸を見つめていたが、その言葉を聞くと立ち上がり、正面を向いた。 艦首の格納庫ハッチが開き、巨大な連装砲がせり上がる。[9]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
連装量子波動砲。この地球上に存在する、最大火力の兵器。 その砲口にエネルギーが収束していく。 そして一瞬消えた後、破滅的な光の束が辺りを包む。 光が消えると、艦首方向にあった巨大な氷山と陸地は、跡形もなく消え失せていた。 「…これで、私が通れる」 [10]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
ニヴルヘイム最深部。 ありとあらゆる観測機器が異常を来している中、火器管制装置だけは何の異常も見せること無く正常に作動している。 そして彼女の砲口は、ある艦を捉えた。 砲口の先に居たのは彼女と瓜二つの超巨大戦艦―超ヴォルケンクラッツァー。 [11]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
そしてその艦にもまた、白髪の…瓜二つの少女が立っていた。 「…貴様が何故ここに居る?」 「世界のバランスを保つため、よ」 「馬鹿な…」 双方の主砲が仰角を上げ、指向する。 「同じ…私だというのに…こんなこと、したくないのだけど」 80cm三連装砲が同時に火を吹く。 [12]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「面舵いっぱい!バウスラスター最大出力!回避運動始め!」 男は叫び、巨体に似合わぬ機動性で回避行動を開始する。 左舷スレスレに着弾し、水中弾がいくつか命中する。しかしこの程度ではビクともしない。 「流石究極超兵器だけある、だがそのうち限界は来る。回避に専念しろ!」[13]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「多くの兵が、沈んでいった」 「私達だってそう」 「お前達さえ居なければ、我々は世界を平和的に統治できたのだ…」 「あなた達がこんな企てをしなければ、私が作られることもなかった」 「…お前とは一心同体、志を共にしたはず」 「私達は兵器よ。主に従うのが務め。あなたも、私も」[14]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「数多の艦を沈めてきて…それでもまだ戦うつもりか?」 80cm砲に再び砲弾が装填される。 「あなたも、いつまで戦うの?」 「この身が滅び沈むまで」 「そうね、なら私も」 一閃、再び砲撃。 「この艦で戦えば…どうなるかわからんぞ?」 「いいのよ。どうせおしまいですもの」 [15]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「どういう意味だ?」 「最早貴方達の戦力は貴女しか居ないし、こちらの戦力もここには私しか居ない。本部の残存戦力では貴方に太刀打ち出来ない。私達の戦闘が何をもたらそうとも、もう関係ないの」 「私こそ、真の究極超兵器だ。それだけは示してカタをつけてやる!この威力の前に沈め!」[16]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「島が多い海域だ。なるべく相手から攻撃を受けにくい場所を選べ―――!!」 超ヴォルケンクラッツァーから波動砲が放たれ、島々を消し飛ばす。 「お互い同じ物を持っている…どうすれば良いんだ?」 究極超兵器どうしの戦闘。地形を容易に変え、海水面が下がるような戦い。[17]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「艦長、この艦はありとあらゆる戦闘を一隻で遂行できるようにカスタマイズされています」 「そんなことは知っている!副長、アンタは何が言いたい?」 「賭けになりますが…"彼女"に、伝えてみてはどうでしょうか」 再び艦長と呼ばれた男は外へ目をやる。 ―やってみるか。 [18]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「もう…逃げられはしない」 「お互い様ね」 波動砲、80cm砲、光子榴弾砲の応酬により島々は砕け散り、何もない海域になってしまった。 「これで、おわりにしない?」 「ぬかしおるわね。貴様が沈め! 超ヴォルケンクラッツァーが波動砲のチャージを行う。[19]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「いいえ、沈むのは貴方ですわ」 後部甲板の対空/対潜ミサイルVLSランチャーから多数のミサイルが放たれる。 「馬鹿め!そんなもので私が沈まないことはわかっているはず!」 「そうね、私自身よく知ってることよ。」 放った直後、波動砲の斜線から逃れようとする。[20]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
何百ものミサイルが超ヴォルケンクラッツァーへ向かうが、パルスレーザー弾幕により殆どが撃墜される。 「無駄なことを」 超ヴォルケンクラッツァーは波動砲の射線を移動させ、ヴォルケンクラッツァーを捉える付ける。このままでは確実に命中する…! [21]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
一方放たれたミサイル群の撃ち漏らしは構造物を狙うこと無く、着水した。 直後、弾頭から魚雷を分離させ舵及びバウスラスターへ直撃、巨大な水柱を発生させる。 「なっ…!貴様、まさか…!」 超ヴォルケンクラッツァーの旋回は止まり、射線から外れる。そして発射。[22]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「全く同じ位置に旋回装置のある私だから、狙い撃ちできたのよ」 「馬鹿な…そんなことって……この私が…」 「貴方にないものだったから、予想できなくても仕方ないことよ」 超ヴォルケンクラッツァーの艦尾へ回り、艦首を向ける。 「さようなら、私。楽しかったわ」[23]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
―数日後 ニヴルヘイムのどんよりとした空に観測機が舞う。 究極超兵器の破壊により生じたエネルギーは、周りのありとあらゆるものを巻き込んだ。 至近距離に居た第零遊撃部隊のヴォルケンクラッツァーも例外ではなく、生存者は確認されなかった。 [24]
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