《友達の恋》

hikari♡∞妄想♡ @love_kamome

《友達の恋》side-A 148 ぷしゅってビールを開けると、あいつはおもむろにソファの上に正座する。 「よろしく、お願いします...えへ」 そう言って、缶ビールをコツンってぶつけてきた。

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《友達の恋》side-A 149 こいつ、こーゆー顔すんねや...。 今までの10年間は何やったんやろってくらい、初めて見る表情が新鮮で愛おしくて。 や、さすがにもう...限界やって...。 缶を取り上げて、テーブルに置いて。 肩を引き寄せて顔を近づけると、目を閉じた...。

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《友達の恋》side-A 150 突然、テレビから聞いたことある声がして、咄嗟にふたりとも振り返る。 ったく、今度はなんやの...。 テレビの画面には、空港でなんかしゃべってるあの男。 海外のコンクールで、手掛けたCMがデカい賞を受賞した、らしい。

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《友達の恋》side-A 151 「...すごいな」 認めるわ。さすがに。 「うん。すっごいね...」 画面にくぎ付けなんが悔しくなって、リモコンで消した。 「...後悔、してんの？」 あいつが俺を見上げて、笑う。 「してないよ」 コテっと肩に頭を乗せてきた。

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《友達の恋》side-A 152 お、ぅわ。 なんかじわじわこみ上げてきて、あー、めっちゃ幸せやなぁってかみしめてたら。 「あー、でも」 あいつが急に身体を起こす。 「指輪」 「は？」 「あの指輪、ハリー・ウィンストンだったんだよなぁ」 ...なんか悔しそうやし。

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《友達の恋》side-A 153 もう。 ジョンでもハリーでもなんぼでも買うたるわ。 やから。 「どこにも行くな」 きつく抱きしめた。 「ええな？」 俺を選んだこと、後悔させへんし、絶対幸せにしたる。 「返事」 「...はい」 恥ずかしそうに俯く顔を捕まえてキスをした。

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《友達の恋》side-A 154 俺とお前やったらきっと、ずっと、死ぬ直前まで楽しいから。 この先ずっと、俺の隣におって。 なんてことは...まだ言われへんけど。