《事故原発周辺住民のホールボディカウンター検査は必要で可能だったのではないか》

2011年5月16日の衆議院予算委員会での柿沢未途氏の質問に再度注目します。 柿沢氏は当時、「みんなの党」所属で、翌年の「子ども被災者支援法」成立にも尽力するなど、原発事故の責任追及と被害者救済のために奮闘してくださっています。 なお、まとめ内の肩書きはすべて、この国会当時のものです。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

0 2011年5月16日予算委員会 柿沢未途氏の質疑。 衆議院ネット中継 shugiintv.go.jp/jp/index.php?e… 今見直しても、、確認が必要な論点が多数含まれている。

2014-11-09 20:51:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 2011年5月16日の時点では既に、航空測量による 「80㎞圏内のセシウム134,137の地表面への蓄積量の合計」が公表されている。 radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/40… (別紙2) チェルノブイリ原発事故の後、強制移住となる汚染が広がっていたことが確認されていた。

2014-11-09 21:00:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 柿沢氏はそのデータを元に「以前の確認によると、『住民の避難等に関しては土壌汚染ではなく、人体が受ける被曝線量を用いる』という方針だったが、このマップをどう見るか?」と質問。 海江田経済産業大臣は「まさに人体が受ける被曝が問題という事で、避難指示の範囲を決めた。」などと答弁。

2014-11-09 21:06:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 続いて柿沢氏はSPEEDIに基づく2011年3月23日発表の、甲状腺被曝等価線量地図を示し、これをどう見るかと質問。 斑目原子力安全委員長は、「これは等価線量で、検査希望などの情報提供を福島県民に求めるために3月23日に公表した。(続く)

2014-11-09 21:09:50
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)その後原子力安全委員会から現地対策本部に、実際に子どもの甲状腺被曝線量を計測する依頼を出し、千数十人測ってもらい、結果として問題ないという結論を出した」と答弁している。 現在まで唯一の、事故発生直後の一般住民甲状腺検査である1080人のスクリーニング検査を指すのだろう。

2014-11-09 21:14:35
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 実際には1080人の中には、いわき市で最高80ミリSvを観測した子どもも見つかり、その子ども一人だけを詳細検査を行うかどうか検討された。しかし、被曝線量の高さではなく機器の輸送が困難だとか、差別されるのではないかとか、実際の健康影響とは異なる論点で詳細検査が実施されなかった。

2014-11-09 21:18:12
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 柿沢未途氏は「検査した人数が少なすぎる」と2011年5月に指摘している。 この時点でもし、福島県と近県すべての子どもに甲状腺簡易スクリーニング検査を行っていたら、現在の福島県民健康調査の甲状腺エコー検査の意味が、大きく異なっていただろうと推測される。

2014-11-09 21:20:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 2011年5月、福島県で子どもの被曝を心配する大人たちは、子どもの甲状腺だけでも、簡易検査だけでも行うように求めていたのだが。 原子力安全委員会も、政府の対策本部も、そして福島県の対策本部も、検査の有用性を否定していた。 今は「1080人の検査しか数字がない」と政府はいう。

2014-11-09 21:23:51
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 原発事故発生直後の検査人数を増やすことを政策的に拒絶しておいて、政府の「あり方検討会」の長瀧座長は、「これしか数字がないのだから、これで判断するしかない」と言う。加害者側が証拠を隠滅しておいて、「証拠がないからわからない」と開き直っているのだ。

2014-11-09 21:26:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 柿沢氏は続いて、「住民の内部被曝を知る上で、重要な数値がある。国内の原子力労働者の内部被曝を測るホールボディカウンターの数値だ。原発事故発生後、原発作業に入る労働者の検査をした所、福島県を通過した労働者がスクリーニングレベルの1500cpmを上回る数値が続出したとされる。」

2014-11-09 21:31:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 柿沢氏は続ける。「これらの数値は、福島県の原発で作業した人ではなく、立ち寄っただけの人の数値で、福島県内にいる一般の人の数値を推し量ることができる。原発事故発生後の検査で1500cpmを超えたのは何件か、そのうち福島県に立ち寄ったのは何件か、1万cpmを超えたのは何件か?」

2014-11-09 21:35:50
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 原子力安全保安院の寺坂院長が答弁する。(柿沢氏質問の12分過ぎ) 「各事業者からのデータを集計。1500cpm超は4956件。内、事故発生後福島県に立ち寄ったのは4776件。さらに、1万cpmを超えたのは1193件」

2014-11-09 21:39:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 柿沢氏が状況を説明しながら追究する。「3月以来、こういう数字を出すように繰り返し要求してきたが、今日(2011年5月16日)の委員会でようやく出していただいた。精密検査が必要な1500cpmを超える人が、4956件。その中で4776件が福島県内に立ち寄った。」

2014-11-09 21:43:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 「1万cpmを超える数値が1193件。こういう数値が出ている段階で、福島県の一般住民の内部被曝検査を行ってしかるべきだ。」その通りだ。この時点でWBC検査をすれば、有意義な検査になったはずだ。しかし。私の記憶では、この柿沢氏の質疑は福島県内メディアでは、報じられなかった。

2014-11-09 21:47:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 ただ福島県内に立ち寄っただけ(短時間しかいない人も含まれる)の原発作業員が5000人近くも精密検査が必要な内部被曝の数字を示していた。そのままでは原発の作業に入れないレベルだった。言い換えれば、原発の被曝労働環境よりも、福島県の一般環境の汚染がはるかに深刻だった。

2014-11-09 21:51:19
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 それを基にして柿沢氏は「周辺住民のWBC検査や採尿測定をする必要があるのではないか」と管総理に質問した。代わりに細川厚生労働大臣が答える。「計測は2種類行っている。住民に対するサーベイで10万cpmを超える人は4月以降いない。甲状腺は1080人の子どもの簡易検査をした」

2014-11-09 22:04:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 細川厚生労働大臣答弁(続き)「周辺住民のWBC検査や採尿等の検査は必要ないと考える。今後、文部科学省、放射線医学研究所、経済産業省等と話し合い、住民の被曝線量を推計する。」

2014-11-09 22:06:33
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 柿沢氏「原発労働者のWBC検査で、非常に重要な数値が出ていると考える。さらに、内部被曝検査については、どれだけの数値が出たらどうするという基準が存在しない。基準が存在しない以上、評価はできない。こういう基準作りについては喫緊の課題だと厚生労働副大臣の答弁もある。今後どうか」

2014-11-09 22:14:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 細川厚生労働大臣答弁「外部被曝内部被曝双方の評価については、取り組んでいる。内部被曝については、飲料水と食物の暫定規制値を今後、暫定でないものにするために、関係の会議で検討をしてもらっている」 これは、完全に違う話にすり替えている。WBCの数値と飲食物の基準は直接関係ない。

2014-11-09 22:18:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 柿沢氏「大臣の答弁は、質問に答えるものになっていない。(原発労働者のWBCという)重要な示唆を与える数字が出ている以上、広範な周辺住民の検査が必要だと考える。 菅直人首相「外部被曝内部被曝、単位も複雑で色々と理解が難しい部分もある。何が必要な調査か、考えていく」

2014-11-09 22:23:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

18 柿沢氏「今回の原発事故では、事後的な検証が様々に必要な事態になっているが、事後的な検証に耐えうるだけの資料が残されているか、心配だ。政府と東電の統合連絡会議が中心になっていると思われるが、その会議の議事録は残されているのか」

2014-11-09 22:27:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

19 海江田経済産業大臣「会議はテレビ電話を使ったもので、ある程度は既に公開されている。議事録等はないが、私も含めて多くの人がメモを取っているので、請求があれば、進んで開示したい。」 柿沢氏「枝野官房長官も認めているように議事録が存在しない。国勢調査件に基づく調査委員会発足を」

2014-11-09 22:31:25
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

20 ここで時間切れ。答弁ももらえなかった。 この柿沢氏の質疑は、非常に重要な論点を、大きく分けて2つ、含んでいる。 最後の話になっているが、国勢調査権に基づく、超党派の調査委員会設置を、という話は、その後の「国会事故調」として結実する。調査は行われた。が、結果はたなざらしである

2014-11-09 22:34:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

21 国会事故調で調べたことは、国勢調査権に基づく内容なのだから、 たかが1つの政府ごときが、たかがその時点の官僚組織ごときが、 もみ消して良いような内容ではない。 形式的にであっても「民主主義」を標榜するならば、「民主的に選ばれた」国会が設置した調査委員会の内容は尊重すべきだ。

2014-11-09 22:37:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

22 前半で柿沢氏が質問したことは、現時点から考えると、非常に重要だ。 事故原発周辺で生活させられていた住民の内部被曝に関しては、原発事故発生直後の、最も汚染が深刻だった時期の情報が、政府によって認められたものは、たった1080人の子どもの甲状腺簡易サーベイしか存在しないのだ。

2014-11-09 22:40:25