茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1355回【よい教育には、多くの人のアクセスを】連続ツイート
- riverland_c
- 3494
- 0
- 0
- 5
こんなことを書くと、またあんなことを言って、と言われそうだが、最近、時々気になって仕方がないので敢えて書く。私は大学で授業をすることがあって、それなりに準備をして、面白い話をしているつもりである。その時、この授業を、いろいろな人に聞いてもらいたいなあと感じることがある。
2014-11-12 07:14:44これは、大学関係者ならば、誰でもそう思うんじゃないか。準備をして、面白い授業をする。議論をする。そのような機会を、できるだけ多様な人に与えたい。このような視点から見て、現行の大学の入試のあり方はどうなのだろうと、敢えて問題提起をしたいのである。
2014-11-12 07:15:53視覚や聴覚などにハンディキャップを抱えている方や、車いすの方などにも、分け隔てなく、大学で学ぶ機会を与えるべきだという考えは、多くの方が自然に賛同するだろう。では、学習障害や、失読症など、脳の「個性」とでもとらえるべき多様性については、どの程度考慮されているのだろう。
2014-11-12 07:17:44失読症の方は、テクストが読みにくいわけだから、当然学校の「成績」は悪い。しかし、最近Gladwellが書いているように、法廷弁護士や、創業経営者として活躍する人がいるのは、読めない分、人の話を一生懸命聞くからである。そのような方も、大学の学びに参加できたら、素敵ではないか。
2014-11-12 07:18:47ペーパーテストの点数一本やりの入試が、学生の多様性を減らしているという議論はよく聞く。どちらかと言えば大学にとってのメリットの方だろう。視点を変えて、大学の教育への「アクセス権」を考えたらどうか? 小中高と勉強が苦手、ダメだった人にも、アクセスが与えられてしかるべきではないか。
2014-11-12 07:20:09本当に、よい授業、教育機会を与えていると大学関係者が自負するならば、ペーパーテストの点数で上からとっていくという選抜方法で、実質上、ある種の脳の特性を持っている人だけにアクセスを与えているという現状を、問題だと考えるのが、自然の流れだと私は思う。
2014-11-12 07:21:27もちろん、大学のキャンパスの物理的な容量には限界がある。その制約の中で、できるだけ多様なバックグランドの人に、アクセスを確保するという考え方に、これからの大学教育は変わっていくように私は考える。そうでなければ、社会の中で、意義のある役割は担えないのではないか。
2014-11-12 07:22:47EdXやCourseraのようなオンライン教育の発展によって、大学は、次第にuniversal accessの方に変わっていく。この際のuniversalには、経済状態や、視覚、聴覚のハンディキャップ、車いすなどに加えて、学習障害や自閉症、失読症などの脳の個性も含まれると考える。
2014-11-12 07:24:42