日中関係改善の合意の問題点@前田宏子

今夏発売の共著『開発主義の時代へ 1972-2014』(岩波新書)もキレキレだった前田さんによる分析。オススメです。
アジア 日本 日中関係 中国
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Hiroko Maeda @hongzi99
日中合意についてそれなりに評価する声が多いようだが、私は日本は妥協の仕方を間違えたと思っている。海上連絡メカニズムなどの危機管理に関する話し合い他、日中間の対話が再開されるのは歓迎するが。譲歩したとか、どっちの譲歩が大きいとか、そういうド素人的な批判をしているのではない。
Hiroko Maeda @hongzi99
尖閣危機が起こってから、いつか関係修復をする際の落とし所として、日本は領土問題とは認めないまでも尖閣について摩擦があることを認め、日中双方が国内に対して言い訳の立つような説明をできるようにするしかないと言われてきた。「領土問題とは認めていない」といっても、日中間の公式対話や文書に
Hiroko Maeda @hongzi99
「尖閣」を書くこと自体が譲歩である。その代わり、中国は挑発的行動を控えるような何らかの条件を飲む、というのが本来あるべき形だった。もちろん、中国が「もう船や飛行機を送りません」と約束するわけはないが、「両国は東シナ海の平和に責任を持ち、挑発的行動を起こさないことで一致した」くらい
Hiroko Maeda @hongzi99
書き込んで欲しかった。そうすれば、中国が船や飛行機を送り続けた時、日本は少なくとも中国や国際社会に対し「合意に違反している」と中国を批判することができた。合意2項目の「対話と協議を通じて」でその点は担保しているということかもしれないが、これだけでは弱い。現状の侵犯行動に対する抗議
Hiroko Maeda @hongzi99
の意も読み取りにくく、日本は現状を追認いるように見える。また中国側はこの項目を「日本は尖閣の領土問題を認めた」と故意に解釈しているから、いつでも「日本は対話を通じて解決と言いながら、相変わらず領土問題はないという二枚舌で、協議で解決する気などない」として侵犯行動を再開・正当化する
Hiroko Maeda @hongzi99
可能性がある。なぜこんな内容で譲歩したのか、日本は代わりに何の譲歩を得たのか、といえば、靖国で中国は譲歩したということなのだろう。しかし、尖閣と靖国問題は質が違う。尖閣は誰が見ても国益に関わる問題だが、靖国参拝の重要性はそれに劣る(そんなことはないと考える人もいるだろうが、私は
Hiroko Maeda @hongzi99
し、そう考える人は少なくない) 尖閣に関する譲歩は、尖閣で得るべきだった。安倍総理が個人の信条を犠牲にし、国益のために逆の交換(譲歩)をしていたら、私は拍手喝采しただろう。まぁなされてしまったものは仕方ない。積極的な側面を強調して、日中が良い方向へ動いていくよう努力するしかない。

コメント

七味あられ @sitimi_arare 2014年11月13日
尖閣問題というのは、米一極支配から多極化への移行期に地政学的リスクが具現化したものです。したがって尖閣問題を口実に自衛隊を増強し、米・豪・印との連携を実現する事で、そのリスクをコントロール可能な状況を作れれば問題ないです。安部はなかなか良い仕事をしたと思います。
七七四未満六四以上 @zy773 2014年11月15日
sitimi_arare そうですかね?…… 世界が多極化していくのは同意ですが、日本がその中で「一極」になれるとは思えないんですが……、 一位アメリカ、二位中国で勢力が拮抗し、三位に少し差が付いてインドが入るのでは?…… 日本は残念ながら上位十位に残っていればマシな方だと考えていますが……
七味あられ @sitimi_arare 2014年11月15日
@zy773なんの序列を言っているのか分かりませんが...多極化した世界では尖閣の様にぶつかり合わないと交渉の席につけないわけで...日中合意は大したものではないけれど、そもそも領土問題は解決出来るものでもない。それを利用して地域覇権ゲームのプレイヤーになりうるポジションを確保出来れば良いと思います。
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