【9月】箱根旅行編

巻荒bot @mkar_7742

「なんとかナ」

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「ならイイけどヨ…はよ」 「おはよーさん」 「……」 「なんショ」 「いや、なんか違和感っつーか…ァ、」 「ァ？」 「同じ時間に起きるの久しぶりだからか」 「…」 「いつも俺が起きるとき巻島が寝てっから、こういうの久しぶりだネ」 「…昨日寝る前に言おうとしてたのもそれか？」

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「ん～～？ァ、…たぶん。あんま覚えてねーけど…帰ってきてんだなって、思った気がする」 「……」 「ぎゃ、っンにすんだヨ！朝から盛んな！」 「クハ、」 「クハじゃねぇよ！箱根行くんだろォ！」 「イテ、蹴るなっショ」 「おめー準備時間かかんだからとっとと起きろボケナス！」

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「あっちぃ…」 「晴れたナ、見事に」 「もうちょっと曇ってもイイんじゃナァイ」 「雨より良かったっショ…いやあちぃナ」 「けっこー走ってンなァ」 「ロードで来た方がよかったか」 「バァカ、交通規制かかってない箱根で巻島のダンシングじゃ幅取りすぎで登ってけねぇヨ…」 「クハ」

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「とりあえず荷物ロッカーぶちこんで、どっか観光する？」 「あ、俺アレくいたいっショ」 「なぁに」 「温泉まんじゅう」 「んじゃ湯本ぶらぶらすっか」

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「分かってたけど、人スゲーな…」 「一旦路地裏入るか」 「ンー」 「荒北」 「ナァニ」 「猫っショ」 「ほんとだ。…逃げないネ」 「飼い猫かァ？」 「どーだろナァ、人馴れしてるだけかも」

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「イテ、あ、こら猫」 「ぶ！く、髪、猫じゃらしにされてンじゃねーか」 「イッテ、ちょ、笑ってないで助けろっショ！」 「くく、あー…コラそれフヨフヨしてて気になるだローけど、オモチャじゃねーからダァメ」 「イテテ、絡んでるって！」 「オメーら暴れんな！」 「俺は暴れてねぇっショ！」

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「とれたァ」 「うげ、絡まった…」 「あー…アイツ行っちまったナァ…」 「…猫とじゃれてーなら荒北も伸ばしたらいいっショ」 「なに拗ねてンだヨ。ヤだ邪魔くせーし、何より似合わねぇし」 「わかんねぇっショ。あーくそ、がっちり絡んでる」 「わかるっつの。オラ、ほどいてやンよ」

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「まだ時間あるけどどォする？」 「ソコ、座って観光マップでも見るか」 「ここから徒歩圏内にゃ神社とか滝しかねーな」 「意外と近いショ」 「せっかくだから行っとくゥ？」 「おう」

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「…っ、マジか」 「俺もここまでとは思わなかったわ…観光なんてしなかったからナァ…」 「見事に坂ばっかっショ、しかもなんだこの斜面…」 「ハ、クライマーが聞いてあきれるぜ」 「歩くのとチャリとじゃ訳が違うだろ」 「そうネ…あー、くそ、巻島ァジャンケン」 「ハッ？なに、っショォ！」

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「っしゃ、俺の勝ちナ。押して」 「はァァ！？」 「次の電柱でもっかいジャンケン」 「マジかヨ…クハ、なんかそういうの懐かしいっショ」 「金城と、待宮と、今でもやるぜ。荷物持ちだけど」 「…ヘェ」 「だからその突然の真顔ヤメテくんナァイ」

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「ホラァ、早く。晩飯前にチェックインしないとなんだからさっさと見てこようぜ」 「ったく、俺もクタクタっショ…ほら」 「あ～～楽！」 「電柱ごとじゃねーのかよ！」 「もう一本先までオネガイ」 「…」 「ギャッ、ケツ！触んな！」 「押してやってるだけっショ」 「揉むなっつの！」

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「はぁ…っ、ついた…」 「なんか…、余計疲れてねェ…？」 「巻島がケツ揉むからだっろ！」 「ちょ、タンマ座りてぇ」 「休もっかァ…」 「滝涼しいな…」 「滝の前に寝てるあの鴨、なんでソコで寝ようと思ったんだろうネ」 「涼しいんじゃねぇ？」 「夫婦かなァ」 「どっちも雄ショ」

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「今気づいたけどすぐ隣、神社っショ」 「鴨、この神社に住んでンのかな」 「鯉のエサ売ってるしおこぼれもらってるんじゃねぇ？」 「…縁結びの神様だってヨ」 「縁ねぇ…結んどく？」 「もう結んでンだろ、疲れたしそろそろ旅館向かおーぜ」 「…オウ、」 「ぁにニヤニヤしてんの」 「別に」

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「巻島ァ、泊まるトコどこォ？」 「あーそれが、どうやっていくのかメモしてきたんだけど、空港でモタモタしてるときに捨てちまったみてーなんだよナァ…」 「巻島ってそういうトコあるヨナァ」 「どういうトコっショ」 「キザなくせに抜けてるトコ」 「それかっこ悪ィだけじゃねぇか」 「くは」

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「お、ここっショ」 「な、なぁ巻島タンマ」 「？なんショ」 「男二人で宿泊とか、普通だっけ？俺どんな顔してりゃいーの…」 「そりゃ…普通だろ、他にもいるよ男二人なんて」 「そ、そーかァ…？」 「…いまさらっショ…つか前にも泊まったじゃねぇか」

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「あ、あの時はこーいうンじゃなかったろ…！」 「ハ？…ぁ、言われてみれば付き合う前だな」 「…」 「ッそう意識すると緊張しちまうじゃねーか」 「ウワ、オイ、顔！赤くすンな！」 「無理言うなショ！言っとくけど荒北も赤いからナ！」 「いーからさっさとチェックインしてこいバァカ！」

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「あー…チェックインだけでかなり疲れたっショ…」 「予想してたけど高級なとこ選んだネ巻島…」 「ああ、そうでもねぇ、早割カップルプランが安かったからナ」 「………まさかそれで予約したわけ？」 「ン」 「オマエほんとバァカチャンだな！あーも、いっそ隠れてりゃよかったヨ！！！」

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「お、落ち着けっショ…」 「っせ！もー次からは俺がこういうの予約するかんネ！」 「…次？」 「ンだよ…っだぁぁぁ！だからァ！盛んな！！！」 「部屋なんだからイーっショ」 「ダメ、これからメシ運ばれてくっからァ」

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「荒北ってほんと意外と食うよナァ」 「そー？巻島も今日結構食べたんじゃナァイ」 「いや…仲居のおばちゃんがスッゲーにこやかにすすめてくるから…」 「ああ…俺もお前もオバチャンに好かれっからネ」 「あのなんでもお見通しみたいな微笑みが怖かったっショ…」 「言うな…」

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「布団敷きに来てもらうからその間風呂いこーぜ」 「オメーの長風呂にゃぁ付き合わねぇゾ…」 「せっかくの名湯なのにざっとあがるなんてもったいないっショ」 「好きだねェ…まぁ箱根の湯も久々だしなァ」 「ほい、浴衣」 「アンガト。ほい、タオル」 「サンキュ」

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「大浴場、誰もいねーな」 「時間的にズレたのかもナァ」 「まぁその方が気楽でいいけど」 「クハ、違いねぇ」 「…盛ンなよ」 「俺だって公共の場じゃ弁えてるっつーの」 「…だヨネ」 「ナニ、襲って欲しかったのか？」 「バァカ」

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「巻島、背中洗ってやっから頭やったら？」 「いや、いいっショ…自分でやる」 「ンな事言ったって俺、もォ全部洗い終わったんだけどォ？」 「あー、わり。先浸かってな」 「あんま長く待たないかンねェ」 「オウ」

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「おまたせ…って、オイ」 「おっせーヨ…」 「っ、おま、真っ赤じゃねーか」 「ンー…っちぃ」 「なんで首までがっつり浸かってんショ！」 「あ、やべ、やばい」 「ウワ、マテ、待てって！とりあえずあがれ！掴まれ、」 「ぅ」 「っ、マジかよ…ここで倒れられんのはキツいっショ…」

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「荒北」 「…」 「ワリィ、大丈夫か…？」 「どこ、ここ…」 「休憩所。浴場で倒れたんだよ」 「…おめー、髪洗うのなげーんだヨ…ボケナス」 「湯中りする前に出りゃよかったっショ…」 「…っせ」 「待っててくれたのは嬉しいけどな、やべー時はちゃんと言えよ」 「…ン」 「水」 「ン」