沖縄・スコットランドの分離と国民国家の危機との関係 by屋代聡氏

取り急ぎです。 安倍内閣の沖縄軽視について by屋代聡氏 http://togetter.com/li/745636こちらと共にお読みください。
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屋代 聡 @yashirosatoru

琉球独立なんて(笑)とかいっている人は右翼や冷笑きどりに多いだろうが、彼らはスコットランドの情勢を予想できていたか? 少なくとも歴史学界では、90年代半ばから、かかる事態は指摘されていた。 もう少し自分の不勉強、見識の狭さを自覚されたほうがよいだろう。

2014-09-15 06:31:16
屋代 聡 @yashirosatoru

今回、スコットランドが独立しなかったとしても、この動きが局地的、一過性のものと思わないほうがよい。 21世紀における国民国家の再編、それにはいろいろなパターンがありうるわけだが、いずれにしろスコットランドの選択は世界政治・世界経済の 中期的リストラの一環と捉えるべきであろう。

2014-09-15 06:32:54
屋代 聡 @yashirosatoru

スコットランドもカタルーニャもケベックも沖縄も、国民国家体制の黎明期に暴力的に取り込まれたり、その枠内にいるほうが住民に有利であるから留まっていたりしたのであって、換言すれば国民国家のうまみが減り、また統合力が弱まれば、歴史的経緯にそって分離を志向し始める。当然のことだ。

2014-09-15 06:33:36
屋代 聡 @yashirosatoru

先も言ったように、歴史学の分野では、この事態はつとに指摘されていて、既存の国民国家が 採るであろう策も分析されていた。

2014-09-15 06:34:25
屋代 聡 @yashirosatoru

1つは国家内地域・地方の自治を認めて、緩やかに国家を再編する事。これはUKが行った地方への大幅な権限移譲策に典型的だ。 地方における郷土愛などをゆるやかに摂取・利用しつつ、統合力を高めるわけだ。

2014-09-15 06:36:47
屋代 聡 @yashirosatoru

ケルトの再評価、エンヤの大ヒット、映画「ウェールズの山」など文化面にも、そうした政策は影響を与えている。

2014-09-15 06:38:34
屋代 聡 @yashirosatoru

事実、90年代にこの政策は一定の効果があったし、今でもUKはこの路線を堅持している。しかしボーダーレス化は「国境」の意義を溶解しつづけているし、21世紀においていっそう加速している―もはや 地方への権利移譲だけでは、もはや国家を堅持することは立ち行かないほどに。

2014-09-15 06:39:19
屋代 聡 @yashirosatoru

そして、今一つ、21世紀に動揺した国民国家が地方を統制する手段として想定されていたのは、ナショナリズム高揚による国民統合の再強化。 実際のところ、手っ取り早いのはこちらである。 ただしこの手法は暴力的にならざるを得ず、思想統制を必然的に伴う。

2014-09-15 06:41:11
屋代 聡 @yashirosatoru

日本も他国と同じように地方への権力移譲政策、およびナショナリズム強化策を採用した。日本近代史において、この20年間ほど、地方分権が叫ばれた時代があっただろうか。 しかし近年ますますその傾向が強まっているのは、もちろん後者、上からの国家再編であろう。

2014-09-15 06:43:05
屋代 聡 @yashirosatoru

歴史を振り返る時、わが国において「地方の意見を中央に叩きつけること」さらには「独立の声をあげること」に、もっとも正当性があるのは沖縄である。 搾取・抑圧の歴史が余りにもひどい。

2014-09-15 06:45:18
屋代 聡 @yashirosatoru

沖縄への抑圧、とくに構造的なそれについては、以前、簡単に連ツイしたので繰り返さない。 twitter.com/yashirosatoru/…

2014-09-15 06:46:21
屋代 聡 @yashirosatoru

そして今、安倍政権および自民党が、かの地の自治を踏みにじり、教育を統制せんと試み、国内植民地・『辺境』として確保しようとする動きを強めているのは、決して偶然ではない。 それどころか、先述した国民国家の危機と密に関わっていると考えるべきである。

2014-09-15 06:47:58
屋代 聡 @yashirosatoru

スコットランドやカタルーニャの問題は、1万キロ以上離れた異国のそれではない。 私たちは今まさに同じことに遭遇しつつあり、いやもしかすると、既に直面しているのである。

2014-09-15 06:48:33