「フー・キルド・ニンジャスレイヤー?」#3・再放送Ver(実況なし)

ツイッター連載小説"ニンジャスレイヤー 第3部 「不滅のニンジャソウル/Ninjaslayer Never Dies」"より @njslyrによる再放送「フー・キルド・ニンジャスレイヤー?」#3のまとめ(実況なし) #1 http://togetter.com/li/748053 #2 http://togetter.com/li/748074 #3 (今ここ) 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【フー・キルド・ニンジャスレイヤー?】(再放送) #3

2014-11-27 17:11:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スマッシュ!ハント、ブツン」……テレビモニタ映像が一瞬のノイズと共に消えた。フジキドはリモコンに手を伸ばした。反応が無い。彼は立ち上がり、ボンボリライトのスイッチを操作してみた。点灯しない。彼は冷蔵庫を開けた。真っ暗だ。1

2014-11-27 17:13:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブラインドの外は真昼。薄暗い室内であるが、彼のニンジャ視力には十分な光量だ。配電盤のカバーを外した。「……」焼き切れている。彼はソファーに座り直した。そして目を閉じた。 2

2014-11-27 17:14:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……だが彼は目を開いた。コートを着、ハンチング帽を被り、扉を押し開けた。彼は眩しさに目を細めた。曇天ではあるが、外の、真昼の明かりだ。カギをかけ、ポストの裏に差し込んで、彼はアパートの階段を降りて行った。 3

2014-11-27 17:17:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……「サーチ力。サーチ力を鍛え、あなたの作業効率が十倍になります」「ハッピー!ハッピー!困る!」「ヤルネー」……街路は常に広告音声で満たされる。さながら周波数域に余すところなく広告枠が設定されているがごとく。冷たい風が吹きつける。フジキドは帽子を目深に被り、横道に入る。 4

2014-11-27 17:19:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チン!チン!チンチンチンチンチン!」「カッポッ!カッポッ!カッポッ!」歯をむきだしたブリキのシンバルモンキー人形とウサギのマーチング人形が、棚の中で激しく旋回している。屋台めいた電子部品ショップの一角、頭に複数のサイバネソケット処理をした老人がフジキドを睨んだ。「買うの?」 5

2014-11-27 17:24:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハイ」フジキドは細かく仕切られた陳列テーブルを指差した。老人はそのヒューズを手にした。「規格これでいいの」「……一通りください」「一通りってねえ」「一通り」「困りますよ」「いや、いいんです」「勘弁してくださいよ」「さあ」フジキドは素子を出した。「わかりましたよ」と老人。 6

2014-11-27 17:30:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ザッケンナコラー!」「アイエエエエ!」路地の奥から悲鳴が聞こえてきた。「……」フジキドは帽子を直した。老人はしかめ面をした。「嫌ンなっちまうなァ」紙袋にヒューズを詰め、フジキドに手渡した。「スッゾオラー!」「アイエエエ!ヤメテ!」「スッゾー!」「アイエエエエ!アバーッ!」 7

2014-11-27 17:33:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チン!チンチンチンチンチン!」「カッポッ!カッポッ!カッポッ!」「ピッピッピッピッピッピッ!」ケースの中ではブリキ人形がけたたましく騒ぎ続けている。「アバーッ!アバーッ!」路地の奥から聴こえる悲鳴はそれを割ってこちらまで届いて来る。「死んじまうんじゃないかァ」と老人。 8

2014-11-27 17:36:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……でしょうね」「ハイ、ドーモ」「ドーモ」老人は興味も失せ、背中を向けてアンティークな小型テレビを再び眺め始めた。フジキドはその場を離れた。 9

2014-11-27 17:39:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバーッ!アバーッ!」「スッゾー!騒げばいいってもんじゃねえぞ?ア?」「アバーッ!アバーッ!」エクストリームチョンマゲ・パンクスが痙攣しながらのたうち回る様は、壊れた玩具もかくやという惨さだ。ダストボックスの横に正座させられ、それを痛々しく眺めさせられる二人もパンクスだ! 10

2014-11-27 17:43:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「これが教育だ!ワカル?」両手にナックルダスターを装備したスモトリ崩れの男は意気消沈した二人の顔を覗き込んだ。「……ワカル?」「アッハイ」「ハイ」「アバーッ!アバーッ!」Eチョンマゲ・パンクスは声をからして叫んでいる。「あの……死んじゃうんじゃ」とクロスモヒカンパンクス。11

2014-11-27 17:48:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スッゾオラー!」「グワーッ!」Cモヒカンパンクスが顔面をいきなり殴られた。歯が数本吹き飛び、Cモヒカンパンクスは地面を舐めた。「アバーッ!」「これが教育!ワカル?」スモトリ崩れの男は繰り返した。「若者はね?軟弱な格好しちゃダメなの。ワカル?あとカネだ。授業料出せ」12

2014-11-27 17:51:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スッゾー!」スモトリ崩れはCモヒカンパンクスを蹴った。「アバーッ!」「アバーッ!アバーッ!」今や地面に二人のパンクス!悲鳴を上げてのたうち回る!なんたる理不尽暴力行使の現場か!「あ、あ、」コーンパンクスが泣き顔になった。「アワアーッ!」跳ね起きるように立ち、飛びかかる!13

2014-11-27 17:54:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナムサン、悲壮かつ無謀な突撃に対し、おそらく三倍以上の総体積を持つスモトリ崩れがナックルダスターを振り上げた。「スッゾオラー……ア?」拳が振り下ろされる事は無かった。「ア?」彼は訝しんだ。「アーッ!」そこへコーンパンクス!スモトリ崩れの肥満した顎にパンチが命中!「グワーッ!」14

2014-11-27 17:58:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

顎を殴られたスモトリ崩れは脳震盪を起こし、ぐるりと白目を剥いた。「ムン」「あれ……?」コーンパンクスは意外そうに己の拳を、そして相手を見た。「ナンデ?」攻撃の成功が自分でも信じられぬ様子だ。15

2014-11-27 18:00:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

気絶したスモトリ崩れが膝から崩れると、後ろに立つ者があきらかになった。「ア……」コーンパンクスはスモトリ崩れが拳を振り下ろせなかった理由を知った。後ろに立つ者……つまりフジキドが、スモトリ崩れの振り上げた腕を後ろから掴んで止めていたのだ。「……」フジキドは怪訝な顔をしていた。16

2014-11-27 18:04:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

フジキドが手を離すとスモトリ崩れは倒れ伏した。「ドーモ」コーンパンクスは手を合わせ、数度、頭を下げた。「ホントドーモ」「ああ、いや」フジキドは気まずそうに生返事をした。「友達は?大丈夫ですか」「アッハイ。オイ、平気?」「アバーッ?……アー痛え」Cモヒカンが素早く起き上がった。17

2014-11-27 18:08:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバーッ……え?マジかよ」生と死の境をさまよっていたかと思われたEチョンマゲすらも、勢い良く起き上がった。「スッゲエな!ノシちまったの?」「いや、助けてもらったんだよ!この人!」コーンパンクスが指差した。「アリガトゴザイマス!」「マジかよ!」「スッゲエな!痛え!」 18

2014-11-27 18:13:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「この辺でパンクスやるの、命がけなンスよ!」コーンパンクスが言った。「髪を立ててるだけで、ああいう連中にイチャモンつけられるンスよ!」「説教と暴力ッスよ」「ヤバかったな、え?サイコ説教強盗野郎だったぜ。痛がれば許してもらえるかと思ったけど、ミスったな。殺されるとこだった」19

2014-11-27 18:19:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヤバかったよな!」「な!」パンクスは口々に言い合った。そしてフジキドに再び礼を言った。「アリガトゴザイマス!」フジキドはこらえきれず苦笑した。パンクス達も目を見交わし笑った。「オッサンも逃げた方がいいッスよ!仲間が来るよ、コイツのさ!」コーンパンクスがスモトリ崩れを蹴った。20

2014-11-27 18:24:29
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