【スーパーニュースアンカー】有本香さんのコメント 2014/12/02 #アンカー #anchor
【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(21)有本:官僚たちが20年弱の間に持ち出した総資産が15兆円、という数字も小さいと思う。1年間で100兆円の灰色収入があるのだから、もっと持ち出してるだろうと。灰色収入は税金を納めるわけでもなくそのまま入る。 #アンカー
2014-12-03 15:57:01【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(22)有本:灰色収入の約4分の3は都市部に住んでいる上位1割くらいの高所得者層が独占している。もちろん中国は下級役人までふくめて、あるいは役人でない人でも「心付け」を渡さないとなかなか人が動いてくれないという社会ではある。 #アンカー
2014-12-03 15:58:16【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(23)有本:しかし上に行くほど権限が絶大なので、集まる金額が全然ちがう。灰色収入の多くは上の人たちが独占している。だから格差が広がる一方。 村西:その構図なら、慢性的な格差で市民たちの中に不満がたまっている状態というのもしょうがない。 #アンカー
2014-12-03 15:58:53【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(24)有本:上の人たちへのうらみつらみはあるが、しかし下までそういう体質が浸透しているので、これを全部きれいにできるかというとなかなかむずかしいところがある。逆に若い人の間では、灰色収入のいっぱいある官僚はうらやましいなんて声もある。 #アンカー
2014-12-03 15:59:50【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(25)パネル:腐敗摘発キャンペーンは単なる権力闘争 有本:まだ習近平政権がはじまってそんなに経っていない。やはり権力を自分のところに集中させて、権力基盤をしっかりさせないといけないということがある。 #アンカー
2014-12-03 16:00:31【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(26)有本:中国の場合、こういう大義名分、つまり腐敗の根絶というような話が大きく出てきたときこそ気をつけて見ないといけない。本当にそれをやるとか、あるいは一般の人たちの不満を解消するというよりも、これを大義名分にした権力闘争。 #アンカー
2014-12-03 16:01:22【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(27)有本:たとえば最近、周永康という人が失脚した。この人は最高幹部の一人だったが、こういうところを見ても習近平氏にとってあまり都合のよくない人を、腐敗の根絶を大義名分にして失脚させることができる。これが本質ではないかと思う。 #アンカー
2014-12-03 16:02:23参考:周永康(Wikipedia)
【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(28)有本:たしかにそれによって民衆の不満もある程度和らげられるし、それから習近平氏に対して「なんかやってくれてるな」というようなある種の民意を集めることもできる。いろいろな意味において自分の権力を強くするための権力闘争と言えると思う。 #アンカー
2014-12-03 16:03:33【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(29)岡安:でも変な話だが、腐敗を撲滅しすぎると中国経済が回っていかないことはないのか? 有本:その通りで、この前も上海ガニが売れ残っているという話をした。灰色収入や接待などがなくなると、街場の景気も冷え込んでしまう。 #アンカー
2014-12-03 16:04:23参考:売れ残る上海ガニについてコメントのあった回
【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(30)有本:ひとつの指標として、灰色収入は中国のGDPの30%くらいに相当するだろうとも言われている。経済成長よりも大きな割合で、灰色収入がこの10年20年の間に成長してきたということ(一同、笑う)。 #アンカー
2014-12-03 16:09:41【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(31)有本:腐敗の撲滅は政権側にとって「諸刃の剣」になりかねない。あまりにやってしまうと、中国経済が縮小していくのではないかということ。それから派手な宴会などがなくなるので、気分もちょっと落ち込む。 #アンカー
2014-12-03 16:11:20【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(32)萱野:背景には中国経済の成長の減速もあると思う。先月、中国の中央銀行が再度の利下げを行った。これまで中国政府は経済成長によって人々からの支持を集めていたわけだが、経済が落ち込んでくると人々の不満がたまる。 #アンカー
2014-12-03 16:12:14【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(33)萱野:すると「なんだあの特権階級は」という話になる。だからまずカス抜きをしないといけない。それだけ経済が停滞しているのだろう。もう一点は、中国の高度成長も終わってそろそろ構造改革をしていかないと中国経済も次がない。 #アンカー
2014-12-03 16:12:47【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(34)萱野:そのためには権力者の秘書室に並んでワイロを渡さなければ経済活動ができないような社会では、中国経済の発展がない。健全な市場経済に移行させるためには、こういうことが必要になってくる。 #アンカー
2014-12-03 16:20:02【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(35)萱野:ただ中国はワイロの文化にあまりにも依存してきたから、今後これを脱却できるかどうかわからない。やはり不動産バブルもこういう構造が関係している。役人が不動産投資を後押ししているわけで、バブルの崩壊という問題も出てくる。 #アンカー
2014-12-03 16:20:20【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(36)萱野:今後、安全保障面だけではなくて、経済の中国リスクというものを我々は考えないといけない時代になってきたように思う。 有本:日本企業の中国への投資が減っている。それから欧米も減らしてきている。 #アンカー
2014-12-03 16:20:51参考:チャイナショックについて解説のあった回
【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(37)有本:やはりワイロというのもあるが、逆にワイロを贈って何らかの形で日本の企業が入っても、軌道に乗り始めたところで今度はいきなり「ルールを変えたよ」といって、会社をつぶされてしまう。日本の経営者が追い出されてしまう。 #アンカー
2014-12-03 16:21:09【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(38)有本:そして、そこに残った会社の資産などは共産党の幹部たちで分けてしまうというような、言ってみれば信じられない、野蛮な状況で経済が回ってきていた。これを全部やめるためには、何よりも腐敗をやめるためにはどうすべきか。 #アンカー
2014-12-03 16:21:28【熱点~中国の腐敗官僚摘発】(39・了)有本:独裁政権というのは必ず腐敗するから、それをやめないかぎり本当は腐敗なんて根絶できない。そういう当たり前のことに踏みこめないという点において、やっぱりこれは権力闘争ではないかという風に見るのが正解だと思う。 #アンカー
2014-12-03 16:21:40