シビュラシステムと天皇制とサイコパス鎮守府

ikanoshigai @ikanoshigai

芝村はガンパレードマーチの設定を作り込む際に天皇制への言及は避けたそうだけど、そういえばPSYCHO-PASS世界で陛下と皇室はどういう状態なのか。これ（ togetter.com/li/671324）における大正帝のようにシビュラシステムに組み込まれている設定もありな気はする。

来栖 @res_kurusu_scp

「シビュラシステム統治下における天皇制？　何故そんなことを聞きたがる」私は電に問い返す。「世界がこうなってしまう前の歴史が知りたくて……いけないですか？」上目遣いに問う電。私は僅かに顔を上げ「少し待て。検索する」とシビュラとの直結回路を繋いだ。

来栖 @res_kurusu_scp

完璧な統治システムであるシビュラシステムにおいて国民の調和統合の象徴たる天皇は必要ない、だがそれを取り除く際に掛るコストは高すぎる、総シビュラは判断していた。ゆえに、天皇制はシビュラシステムにおいて巧みに後景化され「象徴」以外の何物でもなくなった。

来栖 @res_kurusu_scp

いまや天皇制はシビュラの傀儡であり盲腸である。しかしこれの完全な切除は未だにコスト高として判断されていた。「このご時世でもなお切り捨てるより生かしておいたほうが良いという判断がなされるとはな。権威というものは失われたように見えてもそうそう簡単には消えないものか」私は感心する。

来栖 @res_kurusu_scp

「そういうことだ。コスト高だから処分できない盲腸、それが天皇制の現実だ。わかったか電」「何かがおかしいのです……天皇は国民の象徴なのです！」「今でも象徴ではある。シビュラの完璧な統治すらも、天皇の排除には至らなかった。だがそれだけだ」

来栖 @res_kurusu_scp

「シビュラは天皇制を管理可能リスクとして管理し、天皇はそれに応じた・だから、この国はシビュラを実質的に王と認めながらも、天皇をも報ずる二重権力状態にある。だがそれは、天皇制という形式が常に通ってきたものだ。シビュラが倒れても、天皇ある限り日本は天皇のもとに結束するだろう」

来栖 @res_kurusu_scp

「だが天皇は所詮偶像にすぎない。実質の統治は、天皇を取り囲む政治システム自体にある。政治システムが盲腸として取り込まざるをえない必要不可欠の虚無な中心、それが天皇だ」「……」電は目を白黒させている。「難しかったか？」「なんとなくわかったのです」辛うじて電は云った。

来栖 @res_kurusu_scp

「わかればよろしい。この国はそういうものだ」私が云うと、電は頭を下げて退出した。「大いなる空虚を取り囲む政治システム……」そのシステムに「生かされている」奴隷である私にとって、空虚自体を敬うなどという概念はハナから存在しなかった。