風の子氏が書評　矢部宏治『日本はなぜ基地と原発を日本はなぜ、基地と原発を止められないのか』

風の子 @makeanovel

（本メモ）「日本はなぜ基地と原発を…」の筆者は、米軍基地に関わる裁判を取材していたので311が起きたが、2011年夏には、「沖縄=福島」という構図がはっきり見えたという。米軍機墜落事故が起きても日本は政府も一般人も誰も介入できない構図と同じだと。

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（本メモ）沖縄のヘリ墜落事故では、加害者である米軍が現場を封鎖して情報を隠蔽、被害者（市民）が裁判をしても必ず負けた、しばらくすると加害者・米軍が安全性が確保されたといって平然と危険な訓練を再開。福島原発事故とそっくり。

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（本メモ）311が起きて、信じられないことが次々と起きていく。これほどの歴史的大事故を起こして無数の人々の家や田畑を奪っておきながら、その責任を問われた人物が一人もいない。ふつうの工場が事故を起こせば必ず責任者は逮捕されるはず。

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（本メモ）それなのになぜフクイチ事故では加害者は罰せられないのか。警察はなぜ東電に捜査に入らないのか。なぜ家や田畑に正当な補償が行われないのか。2011年末、被害者がどうやって年越しすればいいのか悩む一方で東電にはボーナスが支給。

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（本メモ）「現在、私たち関東や東北に住む人間がもっとも気にしているのが、子どもの被曝問題です（そのまま抜粋）」⇒この筆者は関東の子どもも被曝による健康問題が起きる可能性のある対象としてわりとふつうに書いてますね。

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（本メモ）2013年の集団疎開裁判の判決で仙台高等裁判所は「とりわけ児童の健康について由々しき事態が懸念される」とはっきり書いてる。つまり確実に健康被害が起きると認めた。しかし基地の裁判と同じで結果は市民の敗訴。判決文が矛盾してるがお構いなしという沖縄の裁判と同じ。

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（本メモ）沖縄で積み重ねてこられた裁判の研究から類推して、こうしたトンデモな矛盾判決文が出る原因は「統治行為論」しか考えられない。しかし311後、3件だけ住民側が勝訴している。そのうち一件が大飯原発再稼働差し止めの判決を書いた福井地裁の樋口英明裁判長。

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（本メモ）樋口英明裁判長の判決は日本の司法はまだ死んでいなかったと思わせてくれる素晴らしいものだったが、あっさり直後に、自民党が大飯を再稼働する方針を打ち出したのは記憶に新しい。最高裁までいけば、あっさり覆されることをみんなよく知っているからだ。

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（本メモ）この世はオモテの社会と、その背後のウラの社会が存在する。目には見えにくいそのウラの社会こそが、法的な権利に基づく「リアルな社会」なのが現実。⇒つまりこれまでどおりに新聞やテレビ（オモテの情報しか言わない）だけ見てても、次々起こる不可解なことの意味がわからないまま。

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（本メモ）日米安保・法体系が日本国憲法・法体系の上位にあるという関係は一般人には見えにくいが、きちんと明文化されている。しかし複雑なことに、さらに明記されていない隠された法体系が存在。それが「密約法体系」。最高度に重要な合意事項は日本国民の知らないとこでずっとサインされてきた。

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（本メモ）なぜ沖縄や福島で起きている明らかな人権侵害がストップできないのか、裁判所が誰か考えても不可解な判決をだすのか、なぜ政治家は選挙に通った後、公約と正反対のことばかりするのか。「密約法体系」を知らないと意味がわからない。

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（本メモ）「日本には国境がない」日本中にある米軍基地というバックドアから、米軍関係者はノーチェックで出入りしている。そもそも日本政府は現在日本国内に何人のどういうアメリカ人がいるのかも把握できていない。そこから数多くの工作員が出入りしている。

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（本メモ）工作員（エージェント）を言うと、ほらお前は陰謀論者だという向きもあるかもだが、これは在日大使館の報告書に文書として書かれている紛れもない事実。「数多くのアメリカの諜報活動員がなんの妨げも受けず日本中で活動している」と。

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（本メモ）現在でも米軍・CIA関係者は横田基地や横須賀に直接やってきて、そのまま六本木のヘリポートへ、そのまま街や、大使館へ（大使館へは徒歩5分）。自由に動き回る。パスポートチェックもなにもなし。

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（本メモ）駐在アメリカ大使と日本の最高裁が米軍基地問題に関してあみだした「統治行為法」という「日本の憲法を機能停止に追い込むための法的トリック」が、前述の砂川裁判で確立してしまう。それが今の原発問題にも暗い影を落とす。

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（本メモ）ナチスは憲法に違反する法律を制定することができるとした。しかし法律が憲法に違反できるというような法律は今はどんな独裁国家にも存在しないというのが世界の法学の定説。しかし現在の日本の現実はナチスより酷い。官僚が作った政令や省令でさえ憲法に違反できるのが現状。

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（本メモ）2011年8月例の、「放射性物質は無主物であるので東電はゴルフ場を除染の義務はない」というトンデモな主張が東電側弁護士からなされる。ふつうに考えたらキチガイ沙汰だがこれがまかり通り、無主物という謎の言葉にみな幻惑されて、(　゜д゜)ポカーン状態に持ち込まれた。

風の子 @makeanovel

（本メモ）しかし、沖縄の基地問題を知っている人ならすぐにピンとくる。こうしたどう考えてもおかしな判決がでるときは、その裏に必ず別のロジックが隠されている。無主物も、統治行為論などと同じく素人の目をごまかすためのブラックボックス。

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（本メモ）そして、日米原子力協定というものが存在して、これが日米地位協定とそっくりな構造を持つ。廃炉も脱原発も日本側だけでは決められない。条文を分析した専門家曰く「アメリカ側の了承なしに日本側だけで決めていいのは電気料金だけ」だそうです。

風の子 @makeanovel

これらは矢部宏治著「日本はなぜ、基地と原発を止められないのか」を読みながら個人的にとったメモです。いずれまた時間がとれたら続きをやります。。