空想の街～灯りの樹の夜～【色売り】

萌葱［moegi］ @hmoegi

トウコさん、運び屋さん、ありがとうございましたー！ 素敵な実も頂けて嬉しいです。@_kumoyuki_ #空想覚書

萌葱［moegi］ @hmoegi

「こんばんは、お嬢さん」胡弓を携えた少女に、帽子の下から微笑みかける。「色味はどんなものがお好みですか」籠の中から、かつて拾った色が覗く。#吐息菫（といきすみれ）、#暮時茜（くれどきあかね）、#言葉碧（ことのはみどり）、…… @pp26gmp #空想の街 #胡弓の歌唄い #色売り

萌葱［moegi］ @hmoegi

少女が問うたのは #言葉碧 。籠の中でも一際小さく静かな瓶だ。これは、と、眼を細めて思い出す。「この夏拾ったもののですよ。#色売り は色ばかり見ていますから、目に見えないものから得られるものは貴重です」音楽も似ていますかね、と笑う。@pp26gmp #空想の街 #胡弓の歌唄い

【垢停止】 @pp26gmp

「本当に、綺麗ですね…」小瓶を手に取り、光に翳して見る。「ふふ、そうですね。音楽も、ただ耳で聴くだけのものではありませんから。似ているかもしれません」 @hmoegi #空想の街 #胡弓の歌唄い 「#色売り さん、では、こちらの #言葉碧 を買わせていただきます」

萌葱［moegi］ @hmoegi

少女が翳した手の中で、#言葉碧 が煌めいている。森の奥のような、海の底のような、大切な詩のような、深い色。若い女性には深めの色合いだが、彼女には不思議と馴染んでいた。@pp26gmp #空想の街 #胡弓の歌唄い #色売り 「どうぞ。あなたにとても似合うと思いますよ」

【垢停止】 @pp26gmp

「えへへ、ありがとうございます！」#色売り さんから買った #言葉碧 の小瓶を眺めながら、私はハッと胡弓を抱いた。 @hmoegi #空想の街 #胡弓の歌唄い 「あの、良かったら、お礼に一曲弾かせていただいてもいいでしょうか！」

萌葱［moegi］ @hmoegi

それは嬉しい申し出だった。そうでなくてもこちらから乞うていたかもしれない――思わずにっこりと笑う。「嬉しいです。ぜひ、お聴きしたい」きっと柔らかくて優しい音を奏でてくれるだろうと、そんな安心感があった。@pp26gmp #空想の街 #胡弓の歌唄い #色売り

【垢停止】 @pp26gmp

椅子を一脚お借りして、胡弓を支える。そっと弦に弓を置き、ゆっくりと引いた。 @hmoegi #空想の街 #胡弓の歌唄い #色売り 深い森の中、不思議な光が輝いて。きっとそれは、静かな木の精。命を芽吹かす森の精。 その出会いは運命、その音は彼方に。そしてその色は、深く深く静やかに。

萌葱［moegi］ @hmoegi

不思議なうただった。森の中に佇んでいるような気がした。目に見えないなにかに触れられそうな気がした。ひかりだとか、いのちだとか、そんななにかの奥深く。#色売り は目を閉じた。@pp26gmp #空想の街 #胡弓の歌唄い

【垢停止】 @pp26gmp

歌い切って、ふーーっと息を吐いた。いつもは歌う時にほとんど緊張しないのに、今回は柄にもなく緊張してしまった。上手く唄えたかどうか。でも、そんなこともすぐに洗い流されるような、スッキリとした気分だった。 @hmoegi #空想の街 #胡弓の歌唄い #色売り

萌葱［moegi］ @hmoegi

ぱちぱち。手を叩く。「素晴らしかったですよ」うたも、そして、うたい終わったあとの爽やかな表情も。「素敵なうたをありがとうございます」@pp26gmp #空想の街 #胡弓の歌唄い #色売り

【垢停止】 @pp26gmp

#空想覚書 私、萌葱さんの言葉の選び方ほんと好きです……綺麗……色売りさんすごい素敵………

萌葱［moegi］ @hmoegi

#色売り の色は、基本となる色を決めてから、雰囲気に合わせて繋げる言葉を選びます。すんなり出てくる色もあれば、あれこれ迷ってようやく決まる色もあったり。どれも大事な造語です。#空想覚書

黒巣真音 @catnap_7

ふと、中央区の端で、大きな帽子を被った人を見つけた。妙に心惹かれる。「ねぇ、ジン」「おう。いいぞー」その笑顔にホッとしてその人に近付いてみた。@hmoegi #色売り #ヴェンディッタ #空想の街 「あの、何してらっしゃるんですか？」

萌葱［moegi］ @hmoegi

呼び止められて振り返ると、若い男女に出会った。燃えるような赤をまとったひと。ほんの少し見惚れてから、思い出したように、いつもの笑みで迎える。「私は #色売り 。色を集めて、お譲りしながら旅をしています」@catnap_7 #空想の街 #ヴェンディッタ 藤籠が煌めいた。

黒巣真音 @catnap_7

「 #色売り さん、ですか。不思議……。色って売り買い出来たんですね。ふふ。あ、もしよかったら、私の店を飾れるような色、譲って頂けませんか？」 我ながら、良い思い付きだったと思う。@hmoegi #ヴェンディッタ #空想の街

萌葱［moegi］ @hmoegi

お裾分けのようなものですよ、と笑ってから、#色売り は小さく首を傾げた。「お店をされているのですね。どんなお店でしょう？　色味のお好みはありますか」問いながら、やはり赤色が似合うのだろうか、と考える。@catnap_7 #空想の街 #ヴェンディッタ

黒巣真音 @catnap_7

「ウィア・アクア駅のそばで #ヴェンディッタ というダーツバーをやってるんです」 @hmoegi #色売り #空想の街 「基本的に静かな店です。色の好みは」とそこでジンが乱入してきた。「色は、赤系で」にっこり笑えば許されるのがジンだ。

萌葱［moegi］ @hmoegi

青年の言葉ににっこりとする。「解りました」ダーツバーなら夜の店だ。華やかに、けれど煩くなく、空間を彩る色にしたい。@catnap_7 「#粒紅玉（つぶこうぎょく）の深い赤はいかがでしょうか。宝石を散りばめたように、上品で華やかになりですよ」 #空想の街 #ヴェンディッタ #色売り

黒巣真音 @catnap_7

「お願いします」笑顔のジンにつられて笑ってしまった。それから #色売り さんは色を魅せてくれた。 @hmoegi #ヴェンディッタ #空想の街 「 #粒紅玉 」キラリと美しい響きを口内で繰り返す。ああ、きっと。店に合う気がする。

萌葱［moegi］ @hmoegi

彼女の顔を見て安心した。きっとぴたりと嵌まったのだろう。この表情が見たくて、小瓶を売り歩いているのだという気がする。「そのまま灯りにしても綺麗ですし、硝子の器やテーブルセンターを染めても良いと思いますよ」@catnap_7 #空想の街 #ヴェンディッタ #色売り