空想の街・灯りの樹の夜'14 二日目 #赤風車

#空想の街 (http://www4.atwiki.jp/fancytwon/)さんの「灯りの樹の夜」二日目(14/12/13) #赤風車 。公式様参加者様、お疲れ様でした。 他本編や番外などはこちら→http://nowhere7.sakura.ne.jp ※文章や画像の無断転載及び複製・自作発言等の行為はご遠慮ください。著作権はそれぞれの作者に帰属します。 二日目は皆様との会話中心。皆様有難う御座いました。何か問題など御座いましたら、お手数をおかけして申し訳ないのですが、ご一報頂けますと幸いです。すぐに修正いたします。
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不可村 @nowhere_7

@ce1039 「私も諦めません。どうぞお元気で。では、また」シャノワールと名乗った、黒髪の、耳と尻尾のある少女。 黒猫で、博識で話上手な女性。 こういうひともいるんだ、と徒華は勇気を貰えた気がしてショールを握り締め、お辞儀をしてその場を去った。 #赤風車 #黒猫 #空想の街

2014-12-13 23:23:59

街の中の友

不可村 @nowhere_7

一文字も徒華と同じく中央区にまで足を運んでいた。お八つ時にお誂えの匂いがするが、大きな買い物をしようかと予定しているので我慢である。 どうやら徒華も中央にいるらしい。ちらと姿を見かけたような気がした。 そして何やら後ろに列が出来ているのは気のせいか? #赤風車 #空想の街

2014-12-13 15:10:34
不可村 @nowhere_7

ちらと眼鏡を押し上げて肩越しに振り返る。 ――いない。気のせいだ。視線は感じるが列はない。あの街商殿にどう声をかけるべきか。 矢張り皆、この匂いにつられてくるのか、それともあの街商殿が噂に違わぬ傑物なのかと一文字はぐっと眉を寄せる。 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 15:12:45
不可村 @nowhere_7

あの御仁、具合でも悪いのか? 兎の耳をつけた愛らしい子供たちと別れたようだが、顔を赤くして一回しゃがみかけたように一文字には見えたのだ。冬場の歩き商売はきついよな、と、一応そういった商売の経験もないわけではない一文字が一丁前に思う。 さて、どうしよう、 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 15:16:30
すなお@創作 @rullino_s

「ゲッホゲホ、ううん!」というわざとらしい咳払いで雑念を飛ばしつつ顔を上げたとき、眼鏡をかけた和の佇まいの青年と目が合った。一瞬睨まれてるのかと思うような視線。なぜか数秒無言で見つめ合ってしまった。「…あ、何かご入り用で?」 @nowhere_7 #赤風車 #街商 #空想の街

2014-12-13 15:22:47
不可村 @nowhere_7

@rullino_s 街商の男性に目を見られ一文字は心臓がすっ飛ぶかと思うほどの驚きを受けた。じろじろ見て失礼を働いたこちらが悪い。素直に丁寧に、と呪文を唱えながら首巻を直して近づいていく。「その、不躾にすまなかっ」急に下駄が逆らった。一文字が転ぶ。 #街商 #空想の街 #赤風車

2014-12-13 15:28:25
すなお@創作 @rullino_s

クールな男前だなあと思って青年が近づいてくるのを見ていたら、目の前でそのクールな男前が転んだ。割と派手に。なかなか見られない絵面だった。笑いそうになりながらも「大丈夫か?」と駆け寄って手を差し伸べる。和装は汚したら大変だろうに。 @nowhere_7 #街商 #空想の街 #赤風車

2014-12-13 15:38:01

(同広場にいる徒華の行動と同時刻)

不可村 @nowhere_7

@rullino_s しまった。徒華に聞かれていなければいいと思いつつ一文字は眼鏡を気にする。無事だ。と、目の前に男性の手があるのが見えた。素直に取り、身を起こし、一文字の目が細くなる。この手は、本当に『働いている手』だ。 「済まない、初対面なのに」 #街商 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 15:42:47
すなお@創作 @rullino_s

「なんで?」何に謝られたのかわからなくて尋ね返しつつ視線を走らせてケガはなさそうだなと判断した。「こっちこそすみませんね、移動式でやってるんだから俺の方から近づけば良かったのに。何か要る物でも?」 @nowhere_7 #街商 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 15:54:58
不可村 @nowhere_7

@rullino_s 「ここに住むつもりで家具を探している。小さい卓などあるだろうか」間近で男性を見て一文字は思わず目を逸らした。食堂の女将の忠告を早速破らざるを得ない状況だ。自分は全くその気がなく本当に当分独りのつもりだが、この男性は何か、…何だ。 #街商 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 16:00:20
すなお@創作 @rullino_s

「へえ、引っ越してくるのか。ちょっと待ってな」商品の山を引っ掻き回す。「俺生まれも育ちもこの街だけど、未だに『こんなやついた?』っていう人に会うから面白いよ」話しながら漆塗りの座卓と頑固親父がひっくり返しそうな卓袱台を見つけた。 @nowhere_7 #街商 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 16:13:38
不可村 @nowhere_7

@rullino_s 「御仁、商売中申し訳ないが、少々宜しいか」一文字はなんとかしっかり相手を見る。が、男性は背を向けて卓袱台を確かめている最中だった。「俺は一文字という。ここで商売をしたいのだ。そこで教えを、いや違うな、俺と友人になってほしいのだ」 #赤風車 #街商 #空想の街

2014-12-13 16:19:13
すなお@創作 @rullino_s

青年――一文字君の言葉に振り向くと、目が合った。視線が一瞬揺らいだが逸らされはしなかった。「俺?いいの?」知人は多くとも友人と呼べる相手が意外に少ないのでその響きに面食らった。「へー、嬉しい。俺はジロっていう。同業者歓迎するよ」 @nowhere_7 #赤風車 #街商 #空想の街

2014-12-13 16:28:14
不可村 @nowhere_7

@rullino_s 快諾されたのが嘘のようで、一文字はジロと名乗った街商にただ頷く。「有難い。時に御仁、俺が無礼者だと感じたら、容赦なく叱ってくれ」手短に、連れの友人に口調や態度を注意されたことや、食堂の女将はそのまま受け入れてくれた事を説明する。 #空想の街 #街商 #赤風車

2014-12-13 16:34:32
すなお@創作 @rullino_s

「食堂ってヒヨさんとこの?」彼女の歯切れの良い口調を思い出して笑う。「まあ土地柄ってのがあるから、きみの故郷の事は解らないけどここじゃ誰も怒りはしないだろ。ただなんだか誤解されて損しそうなタイプに見えるから勿体無い気はするかなー」@nowhere_7 #空想の街 #街商 #赤風車

2014-12-13 16:46:21
不可村 @nowhere_7

@rullino_s 「そう、おひよ殿だ」一文字は一瞬だけジロの肩あたりに視線を流す。故郷。「御仁。俺は長く放浪したが、まだ青いだろうな。友とは言ったが、こちらの出自はまだ明かせないかもしれん。……御仁のためにも」用意された卓袱台を受け取り金を出す。 #赤風車 #街商 #空想の街

2014-12-13 16:51:34
すなお@創作 @rullino_s

「…いや。俺はずっとこの街だから、外の世界をたくさん知ってる奴には敵わないと思ってる」心の底から言った。年齢に関係なく、経験の多い人間は尊敬に値する。「まあなんかあったら相談してくれよ。あ、オマケするから焼き芋持ってかないか?」 @nowhere_7 #赤風車 #街商 #空想の街

2014-12-13 17:00:04
不可村 @nowhere_7

@rullino_s 「有難う」一文字は徒華とその弟をふと思う。「厚意をむげにするようで悪いが、焼き芋は御仁を待つ他の者にあげてほしい。俺の奢りで」それと、と髪に挿したものを出す。「この赤い風車を持った黒い青年を知らないか。先に言った連れの弟なのだ」 #街商 #空想の街 #赤風車

2014-12-13 17:03:55
すなお@創作 @rullino_s

示された赤い風車を見て首をひねる。「残念だけど見てないな…お客に聞いておく。見つかるといいな」余りに多種多様な人間が暮らし誰にも咎められずに暮らすこの街は、それゆえに人探しとなると困窮する。首尾良く見つかる事を祈るしかなかった。 @nowhere_7 #街商 #空想の街 #赤風車

2014-12-13 17:10:00
不可村 @nowhere_7

@rullino_s そう上手くいくまいと思っていた一文字は礼を述べ、風車を戻した。挨拶をしてここは卓袱台と去ろうかと思い、一度立ち止まる。「本当は俺にはもう友などいないのかもしれん。だが奴らのために何かしたいのだ――これから世話になるよ」 ジロ殿。 #街商 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 17:16:04
すなお@創作 @rullino_s

「おう」どうも複雑な事情がありそうだな…と思って眉をひそめ、そのまま見送ろうとしてから、あ、と破顔して、去ろうとする背中に向かって付け足した。「転ばないように気をつけてなー」 @nowhere_7 #街商 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 17:22:13
不可村 @nowhere_7

@rullino_s 「ご、ご忠告、感謝する」ああ、普段は転ばないのに。思わず足踏みのように動きかける足を必死で一文字は抑えた。自分は酒に弱いが、ジロとはこれから色々と話すこともあるだろう。「これは大事に使うよ、有難う。では」勘定を済ませ立ち去った。 #街商 #赤風車 #空想の街

2014-12-13 17:31:11
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