茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1374回「バランスを保ちながら、ビシバシやる公共性だってあるんだよ」
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連続ツイート1374回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、きのうからきょうにかけて思ったこと。
2014-12-14 07:30:07昨日、二次会でワインを飲んでいたとき、ふだんならば酒のんだら真面目な話は面倒だあ、いえーい、みたいなモードになるのが、途中で、元気な青年が来て、こいつが気持ちのいいやつで、こちらが何か意見を言うと、ポンと気持ちよく自分の意見が返ってくるので、すっかり面白くなってしまった。
2014-12-14 07:31:23何か、強い意見(strong opinion)を言ったとき、周囲が、「この人はなんでこんなことを言っているんだろう」という様子見になるのはつらい/つまんない。テニスの壁打ちで言えば、ポンと打ったら、同じような強度で球が返ってくるのがいい。ズドン、と壁に球がのめりこむのはダメだ。
2014-12-14 07:32:54ところで、今回の選挙について、私は公には一切の見解を示さないけれども、プライベートではもちろん友人知人たちと意見を交換している。みな、案外強い見解を持っていて、それらの声を百二百と聴いていくと、はあ、みんな、こんなことを感じているんだなあ、ということはわかってくる。
2014-12-14 07:34:02ところが、テレビやラジオ、新聞といったマスメディアの中では、私の周囲では飛び交っている強い意見が、一向に表に出てこない。これは、メディアとして、控えめに言っても大いに物足りない、もっとはっきり言ってしまえば、機能不全なのではないかと思う。
2014-12-14 07:34:54選挙の度に、支持政党を明らかにすることもある、英米の新聞を見習え、とまでは行かないが、少なくとも、選挙について、巷で飛び交っているさまざまな意見(それらは、もちろん、異なる方向を目指している)の生々しい手触りが、メディアを通して伝わらないのでは、良い仕事をしているとは言えない。
2014-12-14 07:36:32テレビやラジオには、電波という有限の資源を使っているから、より強い公共性が求められるというのはもちろ。しかし、公共性を担保するバランスのとれた報道とは、意見を消して無味無臭にするということではない。0を並べるのではなく、+とマイナス、実数を虚数を並べて全体でバランスをとればいい。
2014-12-14 07:38:06この点、日本のメディア、特にテレビには、より一層の「技術開発」が求められるところである。一つ参考になるのは、今はBBCのRadio 4で放送されているWhat the papers say. en.wikipedia.org/wiki/What_the_… であろう。
2014-12-14 07:39:04腕立て、腹筋をしながらiPhoneのアプリで時々生放送で聴いているが、BBCのRadio 4の、What the papers sayは、その時々の政治家の言動や政策について、新聞を引用しながら、辛辣かつ苛烈な批評を紹介して、全体として、その時の英国の世論の見取り図が見える。
2014-12-14 07:40:35もちろん、BBCも公共放送だから、バランスのとれた報道が求められる。新聞で報道されたさまざまな意見を引用しつつ、アナウンサーが、冷静沈着な声でその「つなぎ」の部分を提供するというかたちで、一歩引いたバランスの中に、強い意見をビシバシ紹介することに成功している。
2014-12-14 07:43:01選挙が盛り上がらないと言うが、重要な意味を持つテレビ、ラジオが、微温的な報道をしていることも一つの要因だと思う。日本のメディア、総務省、政党などの関係者は、たとえばWhat the papers sayに見られる、ダイナミックな公共性のあり方を、研究してもらいたいと思う。
2014-12-14 07:44:53以上、連続ツイート1374回「バランスを保ちながら、ビシバシやる公共性だってあるんだよ」をテーマに、10のツイートをお届けしました。
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