木野龍逸さんのツイートまとめ(2014.12.19)「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」について

2014.12.18開催の「第14回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」及び会議全般について、木野龍逸さんのコメントをまとめました。
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リンク www.47news.jp 原発事故、甲状腺検査の充実を 専門家会議が提言 - 47NEWS(よんななニュース) 東京電力福島第1原発事故による放射線の健康への影響や、健康管理の在り方を検討している環境省の専門家会議(座長=長瀧重信・長崎大名誉教授)が18日、東京都内で開かれた
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

いや、見出しにあるような、まともな結論ではないです。甲状腺検査はデメリットを強調して福島県外での検診は不要と結論したし。子ども被災者支援法の主旨は無視だし。→原発事故、甲状腺検査の充実を 専門家会議が提言 47NEWS ow.ly/G8TmM

2014-12-19 10:02:19
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

2)検診のデメリットを強調する人たちに反対する臨床医の意見は、ほぼ無視。中間取りまとめの最終案では、対策型検診(一般の癌検診など)と任意型検診(人間ドック)に分類して、任意型はいいけど対策型は偽陽性や心身の負担のおそれとデメリットを強調。だから福島県外はやらないという。

2014-12-19 10:06:09
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

3)でも委員からは、そもそも汚染があるのだから一般的な検診と同一視はおかしい、チェルノブイリでも広範囲に長期間、実施しているという意見が出たほか、外部専門家からは甲状腺癌の多発の言及も。こうした意見は、中間とりまとめではすべてスルー。スルーの根拠は、議論を聞いてもわからなかった。

2014-12-19 10:09:35
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

4)もうひとつ意味不明なのは、中間とりまとめが線量評価を重視していたこと。これはもともと事務局案(所管は環境省だけど、担当室の部長、参事官、課長補佐らは厚労省からの出向)で出ていたものだけど、UNSCEAR報告書をどう位置付けるかの議論はまるで不十分。

2014-12-19 10:12:46
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

5)なにしろUNCEAR報告書の全文を読んでる人はほぼいない。事務局も全文若くはしていない。検討会では、UNSCEAR報告書の一部を、UNSCEARに関わった人が説明する場面があり何度か引用する一方で、WHO報告書は安全側に過ぎると、これもWHO報告書に関わった丹羽委員が批判。

2014-12-19 10:27:53
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

6)丹羽委員は7月の第8回検討会で、将来に受けると思われる被曝量を安全サイドに見積もろうとしたWHOの他の委員の意見に反対したが「多勢に無勢で押し切られた」のであって、WHO報告書は過大に評価してると持論を展開。こうしたこともあって、検討会ではUNSCEARのみを採用してる。

2014-12-19 10:32:49
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

7)丹羽委員が反対したからといってWHO報告書が否定されるわけでもないけど、なぜか委員会では否定意見のみを採用。この時点ですでに奇妙な非科学的な話になってるけども、前投したようにUNCEAR報告書にしても全文を和訳したわけではないので、委員らが短期間で目を通すのは不可能だろう。

2014-12-19 10:35:59
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

8)8)しかも検討会の初期段階で、日本医師会の石川委員から和訳の要請があったにも関わらず、事務局はしなかった。これでは報告書を検証して位置付けるという作業ができるわけがない。さらにいえば、そもそも初期被曝の線量評価のみを施策の基準にすることがおかしい。

2014-12-19 10:41:47
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

9)環境省の健康管理のあり方検討会は、子ども・被災者支援法13条(被曝線量の推計、評価に有効な検査等による被曝線量の評価、その他必要な施策を講ずる)などを根拠に開催されている。だから被曝線量評価をするのはいいけれど(結局はUNSCEAR報告を丸吞みだったけど)、施策は別。同法は…

2014-12-19 10:44:02
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

10)同法は第1条で「当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと」を前提に対象地域を決めることになっているので、被曝線量を根拠に施策内容を決めたりするのは本末転倒。でもとりまとめ案には第1条が引用されてない。なぜ?

2014-12-19 10:51:48
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

11)結果からすると、この検討会(原発事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議)は常に、放射線の影響を否定する意見を前提にし、影響がある可能性が出てくると「ユニーク」(第8回で座長の長瀧氏が、岡山大学の津田教授を評した言葉)な意見で片付けて議論を深めない姿勢があった。

2014-12-19 10:55:12
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

12)そんな摩訶不思議なこの会議の最後の締めは、傍聴者の完全排除だった。環境省は前回と前々回に不規則発言があり議事が止まったとして、最終回の傍聴を完全に排除。不規則発言をしなかった人まで排除するという暴挙に出た。会議設置根拠の支援法に透明性確保の条文があるにもかかわらずだ。

2014-12-19 10:57:21
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

13)環境省は取材に対し、最終決定したのは次官や官房長というので、名前を聞くと「すぐには出てこない」ととぼける等、珍妙な対応。普通の会社なら、社長の名前を知らないというようなものだ。しかもこの回は、臨床医として検査の必要性を訴えてきた清水氏や石川氏が欠席していた。日程調整も謎。

2014-12-19 11:00:37
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

14)非科学的な検討会ではあったけども、内容は、2011年12月に決まった低線量被曝のワーキンググループの結論から逸脱しないようなもので、そこに過剰診断が入り込んだ形ではないかと。線量評価は、影響ないことを説明するための材料になっただけ。新たな調査結果は採用してないし。

2014-12-19 11:03:11
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

15)こんなことで健康に関する施策を決めていいわけないけども、、、それにしても環境省はどこを向いてるんだろう。出身母体の厚労省だろうか。その厚労省では、緊急時作業者の長期的健康管理の施策を決める検討会が始まる。事故から4年、影響はない、を確定させたいような動きが本格化な感じ。

2014-12-19 11:05:26

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