黒猫亭解説　灰羽連盟その２　報われないレキ

黒猫亭 @chronekotei

あの酬われない感じと、酬われない無償の善意だから尊いんだと謂うロジックは、まあ理屈なんだけど、そう謂う理屈で灰羽としてのレキを肯定してやらないと嘘だと謂う気はするよね。でも、レキは罪の輪に囚われているから、そんなのは無償でもないし善意でもないんだって言っちゃう。

黒猫亭 @chronekotei

レキが罪の輪に囚われているというのは、贖罪や救済の為の善意はあくまでその目的の為のものでしかないんだからどれだけ頑張っても贖罪も救済も購われないって循環論法に囚われているってことだよな。

黒猫亭 @chronekotei

「罪を知るものに罪はない」と謂う謎掛けは、自分は罪人だと思っているうちは罪がないけど、自分に罪がないと思ったら罪人になってしまう、というんだから、贖罪も救済もあり得ない。

黒猫亭 @chronekotei

ラッカの場合は「おまえには鳥という助力者がいた」から謎掛けを解くことができたんだけど、レキには誰もいない。ラッカを救おうとして壁の外から飛んできてくれた誰かがいるから、ラッカはその誰かの想いの値打ちを自分が許される根拠とすることが出来た。

黒猫亭 @chronekotei

許されるかどうかって、結局自分で自分に許されるだけの価値があると信じることが出来るかどうかってことなんだよね。

黒猫亭 @chronekotei

路傍の石として誰かの為の捨て石になることが尊いなんて、やっぱり子供に言うのは酷なんだと思う。だからレキは可哀相なんだ。/黒猫亭解説　灰羽連盟その２　報われないレキ - Togetterまとめ togetter.com/li/761074

黒猫亭 @chronekotei

子供ってさ、やっぱり嘘でも一人ひとりが特別に祝福された存在なんだって思って育って欲しいよね。罪を負って生まれて、自分は特別な存在でも何でもない路傍の石塊なんだと謂う自己認識の子供って可哀相だよ。

黒猫亭 @chronekotei

灰羽連盟を好きになる理由はグリの街と灰羽たちの掟みたいな世界観で各々のキャラに対する思い入れみたいな部分で説明出来ても、あれを最後まで見ると心に刺さる理由って、やっぱりレキの可哀相さに逃げ場がないからなんだと思う。

黒猫亭 @chronekotei

灰羽たちに罪が憑くとしても、それは決して思い出せない前世の因縁みたいなものが理由なわけで、罪のあり方の客観的な具体性が切り離されて、否定しようもなく心に残る罪にどう対峙するかと謂うふうに抽象化されたせいで、罪の輪に囚われたレキの可哀相さって逃げ場がなくなるんだよね。

黒猫亭 @chronekotei

少なくとも灰羽としてのレキは、回り道したとしても一生懸命善くあろうとして生きてきたのに、それがいつまで経っても罪からの救済をもたらしてくれないと謂うあの可哀相さはやっぱり辛いんだと思う。