青るいさんの影菅カニバ

青るいさん(@rui4444)による影菅カニバリズムのお話をまとめました。
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青るい @rui4444

社会人になってスガさんは普通のサラリーマンで影山は選手として第一線で活躍してて。影菅は付き合ってるんだけど、マスコミとかが女関係とかでっち上げたりしてね。遠征とかで会えない期間が長くて影山がどんどん遠い存在になっていく。

2014-11-20 04:51:49
青るい @rui4444

「さみしい。行かないで。」とか本当は甘えたり我儘言いたいんだけど、影山の邪魔しちゃだめだって思って言えない。スガさんは毎日残業でへろへろで帰ってきてテレビをつけたらその中にはキラキラしてる影山がいて。ぼーと眺めながら、くたくたになったスーツを脱ぐ。

2014-11-20 04:55:13
青るい @rui4444

それでも、影山はそれはもう可愛そうなくらいに一途に自分のことを愛してくれてるなって分かるんだけど、本当にそれでいいのかな…っていう気持ちが強くなっていく

2014-11-20 04:59:20
青るい @rui4444

別れた方がいいんじゃないか…とかぬるくなったビールを飲みながら嫌な考えがよぎる。テレビから目をそらすと、自分の脱ぎ散らかしたくたくたのスーツが横たわっていて。ぼろぼろ涙がでてくる。「あ…もうダメだ。」って今までぼんやりしてた考えが一気に鋭くなる。

2014-11-20 05:02:54
青るい @rui4444

アルコールと涙で思考が霞んでいってそのまま床に沈みこむように眠りに落ちた。目が覚めたのはけたたましいチャイムの音で。時計を見ると3時すぎ。こんな時間に一体誰だよってちょっとイライラしながら、まだアルコールが残る重い体を引きずって玄関を開ける。

2014-11-20 05:10:55
青るい @rui4444

「っっ菅原さんっっっ!!!!!!!!!」ドアを開けると同時に勢いよく抱きしめられて視界が揺らぐ。「大丈夫ッスかっっ!!!????」恐怖と混乱にまみれた影山が息を乱しながら心配そうに顔を覗きこむ。

2014-11-20 05:16:09
青るい @rui4444

「…?なにが」「だってメールで『たすけて』って…!何かあったんじゃないかって…!!!!」どうやら思考がどろどろに溶けている間にとんでもないことを送ってしまったようだ。携帯を見ると恐ろしいほど影山からの着信履歴が残っていた。

2014-11-20 05:19:27
青るい @rui4444

「あー…これは…」影山のことだ、心臓がとびでそうな勢いで恐怖しながらここまで来てくれたのだろう。申し訳なさすぎて何と説明したらいいのか分からない。しかも泥酔しているというのに影山がすっ飛んできそうな、絶妙に含みをもたせた文面なのが、自分の性格の悪さを物語っている。

2014-11-20 05:25:41
青るい @rui4444

「ちょっとイタズラしてみようって思ってさ、ごめんな。」「…え、そうなんスか!俺冗談とか通じないってよく言われるから…こんな時間にスンマセン…」そこは怒らなきゃダメだろって思ったけど、予想とは裏腹に子犬のようにしゅんと落ち込んでいる影山に罪悪感が増す。

2014-11-20 05:33:36
青るい @rui4444

「影山さぁ…そんなんで俺がいなくなったらどうするんだよ。」って冗談っぽく言ったら一瞬で影山が凍りつくのが分かった。あ、マズイこと言ったかもって思ったけど、なんだか無性に影山を傷つけてぐちゃぐちゃに悲しませたい衝動がおさまらない。俺だけこんなにボロボロになるなんてずるい。

2014-11-20 05:38:51
青るい @rui4444

まだアルコールが残っているようだ、地面がふにゃふにゃの餅みたいで自分がちゃんと立てているのかよく分からない。「菅原さんどういうことですか。」「だから…そんなんだったら俺と別れたら死んじゃうんじゃね?」ダメだ、こんなこと言ったら影山は本気で傷つくのに。「…死にます。」

2014-11-20 05:44:13
青るい @rui4444

「はは、影山…」「菅原さんと別れるくらいなら俺は死にます。」真っ直ぐすぎる目に見つめられて少し酔いがさめる。眩しすぎる。やっぱり俺はお前になにもかも敵わないんだなぁ…そう思うと言いようのない悲しみと苛立ちがこみあげてきた。「ふーん…じゃぁさ証明してよ。」

2014-11-20 05:49:46
青るい @rui4444

「俺、お前と別れたいんだよ。」 影山は悲しみに滲んだ瞳でじっとこちらを見つめる。 「…菅原さんが…そ…いうのなら…」 喉の奥から絞り出された声は虚しく空気と溶けて消えた。 「…ッ!だから!!!!そういうのがっ!!!ダメだって言ってんだろ!!!」一気に体温が上がる。

2014-11-20 06:10:14
青るい @rui4444

気付いたら影山の首に手をかけてた。 影山は一瞬怯えた表情をしたけど、そのあとふっと優しい目をしてゆっくりと目を閉じた。 6時半。携帯のいつもの起床アラームが遠くで聞こえる。 「もう朝か、起きなきゃな。」 頭がガンガンする。 「ほら影山も…あ。」 影山は死んだのだった。

2014-11-20 06:19:07
青るい @rui4444

思ったより冷静な頭でどうしよっかなぁと考える。取り敢えずリビングまで影山を引きずってソファーに座らせてみる。死体ってめちゃくちゃ重てーんだなぁって思いながら何とか体勢を整えてやる。

2014-11-20 06:25:23
青るい @rui4444

いつもどおりテレビをつけると『人気バレー選手とあの有名女優Aさんの禁断熱愛スクープ!?』とかまさに今、隣でお行儀よく座っている彼の話題だった。「ふーん、嘘ばっかり…影山かわいそうに。」よしよし、と優しく頭をなでてやる。

2014-11-20 06:29:59
青るい @rui4444

「…なぁ?」頬を包み込むようにして顔を覗き込むと、肌は血の気を失って一層白くしっとりと冷たい。確かにこんなに整った顔ならば女優でもほっとかないだろう。そう思うとまた怒りが込み上げてきた。ダメだ、朝ごはんでも食べて落ち着こう。

2014-11-20 06:36:34
青るい @rui4444

何食べよう。と立ち上がると、ふと影山の手が目に入る。白くてスラリと伸びた長い指。うっすらと血管の浮き出た綺麗な手の甲。なんとなくものすごくやわらなそうな感じ。食べてみたらおいしいかもしれない。

2014-11-20 06:41:49
青るい @rui4444

取りあえず、ジャムでも塗ってみよう。 イチゴジャムを取り出して手の甲に乗っけてみる。 白い肌の上で血のような真っ赤なジャムがてらてら光っている。 「…うまそう。」

2014-11-20 06:45:14
青るい @rui4444

果たしてどうやって食べるか。試しにステーキ用のナイフを肉をそぎ取るように横にスライドさせてみたけど、つるんと滑ってジャムだけ床に落ちてしまった。「うーん…どうすんべ…。」6時55分、6時55分。とテレビからおなじみの声が聞こえて、「ヤベ、考えてる場合じゃねー!遅刻する!」

2014-11-20 06:50:24
青るい @rui4444

とりあえず歯磨きを済ませて、新しいカッターシャツを着て昨日脱ぎ散らかしたくたくたのスーツを羽織る。次は…影山をどうしようか。ふと見ると影山はちょっと傾いたままソファーに座っていて、床にはイチゴジャム。おかしな光景にちょっと笑えた。

2014-11-20 06:57:08
青るい @rui4444

「影山行儀悪いぞー」って体勢を整えてあげる。そういえば熱出た時は大きな血管があるところを冷やせばいいって大地が言ってたっけ…って思い出して冷凍庫にあるありったけの保冷剤を首と脇と足の付け根にどっさり挟んでやる。「間に合わせでごめん影山!帰ったらちゃんと考えてやるかなーっ」

2014-11-20 07:02:15
青るい @rui4444

外はもうちょっと霜がかかるくらい寒くって、寒がりな俺はコートのボタンをかっちり閉めて、マフラーをぐるぐる巻きにして半分うずもれた状態で小走りする。そういえば影山は代謝がいいのか、冬でも薄着で部屋の中じゃ半パンとかでうろうろしてたなぁ。足が布に覆われるのが気持ち悪いらしい。

2014-11-20 07:40:43
青るい @rui4444

一応外で会う時はある程度季節感合わせた方がいいぞ、って教えたら、俺にならってマフラーとかもちゃんとしてきてたけど、「菅原さん寒そうなんで。」って必ず俺に巻いてくれてた。別にマフラーまでは真似しなくてもいいのにって思ったけど、あったかいしその好意が嬉しくて甘えることにしていた。

2014-11-20 07:46:24
青るい @rui4444

そういえば、影山は手袋をつけていなくても、手はびっくりするほどあったかかった。俺がさむいさむいと嘆くと氷のような手を影山はいつも不器用に握ってじんわり溶かしてくれるのだった。 「めっちゃ、冷たかったな。」 朝の影山の体温を思い出す。あれは本当にまだ影山なのだろうか。

2014-11-20 07:50:11
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