ヤズ劇場まとめ

ヤズ @yZJRtWQFk

気がつけばそこにジョルノの姿はなかった。目の前にいるのは、いわゆる養い人だけ。 「何故ここにいる？」 「何故って、ボスが呼んだんじゃあないの」 養い人はにこやかに笑いながら、腰を抜かして座り込むボスに手を差し出す。ボスは思わずその手に自らの手を伸ばして……直前で手を止めた。

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ボスは今まで一度たりとも養い人に触れた事がなかった。『信用』していないから。今この手を取ってしまえば、こいつを『信用』したも同じだ。こいつはドッピオとは違う、ただの他人だ。いつかは裏切るかもしれない。……やはりこの手を取るべきではない。信じさえしなければ、裏切られる事もないのだ。

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「…………いい、自分で歩ける。余計な真似をするなッ」 ボスは両足に力を込める。まだ少しふらつくが、なんとか立ち上がれた。それを見た養い人は手を引っ込めた。 「そう、じゃあ帰ろっか。外に出たの初めてだったね、家はこっちよ」 案内するように先を歩き始めた養い人の後をついていく。

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何故こいつは助けに来たのだろう。オレを助けたところで何の利益もないだろうに。オレを監視下に置かねばならない理由でもあるのか、それとも単なるアホか……何もかも、オレには理解できん人間だ……。 そうして思考に耽るうちにボスは目を覚ました。それ以来、無限死の悪夢を見る事はなくなった。

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養い人「ねえボス」 ボスin布団「何だ」 養い人「一緒に寝ていい？」 ボス「駄目だ」 養い人「あーー不安だなーー！こないだスタンド使いに襲われたしなーー！ボスと一緒なら安心だなーー！」 ボス「くそやかましいぞ黙れ」 養い人「わかった」ｺﾞｿｺﾞｿ ボス「おい入ってくるなきさまッ」

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養い人「あー♥あったかーい♥」 ボス「暑苦しい…マンモーニじゃああるまいし一人で寝ろ」 養い人「一緒の布団に寝ておけば、敵が現れたときにボスが起きて守ってくれるでしょ」 ボス「敵が現れたら対処するがな、オレはお前の寝相でも起きるぞ」 養い人「トロイの木馬だね」 ボス「出ていけ」

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養い人「そんな寝相悪くないから大丈夫だって」 ボス「…………フッ」ﾆﾔﾘ 養い人「？」 ボス「いいぞ、好きにしろ」 養い人「えっいいの？さっすがボス、話がわかるゥー！」 ボス「ああ…ただし、何かあったときお前はオレから逃げられないだろうが、それでいいんだな？」 養い人「？？？」

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養い人「何それ、実はもう敵スタンド使いと入れ替わってますとかやめてよね怖い」 ボス「それはないから安心しろ」 養い人「だよね。別にいいよ、ボスから逃げることなんてないし」 ボス「ほぉーう、ならここでオレに手籠めにされてもいいんだな？」 養い人「て…？？……！！？！？！？！！？」

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養い人「……あっはっは、まさかあ～。ボスに限ってそんなことしないでしょ。…しないよね？」 ボス「さあな…ただ、オレはやるときは徹底的にやるぞ」 養い人「…………」 ボス「…………」 養い人「………………ひ、ひとりで寝ます///」 ボス「賢明だ。フフフフ」 養い人「ぐぬぬ…」

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ボス「指令だ、ヘアカラー剤を買ってこい」 養い人「えっボス染めるの」 ボス「根元が伸びてきたからリタッチだ」 養い人「伸びてきたとか全然わかんないんだけど」 ボス「お前がわかる必要はないがな、生え際のこことここのポイントは染めないとダメだ」 養い人「わからん」

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養い人「ボス、カラー剤買ってきたよ」 ボス「よくやった」 養い人「一人でやるの？私が塗ってあげようか？」 ボス「ほう、お前は豹柄にカラーリングした事があるのか？」 養い人「あるわけないです」 ボス「なら黙ってろ、オレはもう10年以上この柄に染めてるんだ」 養い人「すげえ」

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養い人「ポッキーの日だからポッキーゲームしよ」 ボス「断る」 養い人「え～せっかくだしやろうよボスにチョコ側譲るからさ～」 ボス「そんなにやりたいならキング・クリムゾンを貸してやろうか」 養い人「いや、ボス本体で」 ボス「エピタフもいるぞ」 養い人「ボス本体で」

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ボス「スタンド使いは倒した、とっとと脱出するぞ」 養い人「ボス、その前に私の好きなところ１０個」 ボス「……オレの話を聞いてたか？」 養い人「私は言ったんだからボスも言ってよ！！　不公平でしょ！！！」 ボス「お前が自分で勝手に言ったんだろうが」 養い人「キィーーーーッ！！」

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養い人「じゃあ１０個じゃなくてもいいから言ってよ、私の好きなところ」 ボス「チッ」 養い人「舌打ち禁止」 ボス「そこまで言うなら言ってやろう」 養い人「わーい！」ﾜｸﾃｶ ボス「飯、掃除、洗濯」 養い人「……あっ、そういうのね、ハイ」 ボス「あとエスプレッソ」

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ボス「4つも挙げたのに不満か？」 養い人「いや、もっとさ…私自身のこととかさ…」 ボス「顔とでも言ってほしかったか？」 養い人「外見はいいよ、たいして可愛くないし…」 ボス「そうだな」 養い人「スタイルは悪くないけどさ…」 ボス「胸が足りないな」 養い人「ちょっとくらい否定して」

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ボス「理解できん思考だ、何が不満なんだ？」 養い人「うーん…もっと私だけのものを挙げてほしかったというか…」 ボス「言っておくがな」 養い人「なに？」 ボス「オレの飯を作れるのはお前だけだ」 養い人「！……」 ボス「……」 養い人「……」 ボス「帰るか」 養い人「う、うん///」