#トラ泊神戸支部~迷子妖精編②

Twitter上で書いている、自分のところの鎮守府をモチーフにしたSSのまとめとなります。 12月29日更新
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ですか @desuka_desuyo

前回のあらすじ 妖精「迷った」 提督&青葉「お、おう」 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:07:17
ですか @desuka_desuyo

二人と一匹?で空母寮の廊下を歩く。誰かいるだろうかと考えていると、ちょうど目の前の扉が開いた。中から出てきたのは一航戦の赤城だった。 「あら、提督。それに青葉まで。何かあったんですか?」 「まぁな。とりあえずこの子が誰のところのかを探しているんだ」 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:13:21
ですか @desuka_desuyo

真剣な表情で問いかけてきた赤城だったが、俺の返事を聞いてその表情を緩めた。普段は放送で召集をかける俺がわざわざ出向いているため、一大事なのかと思わせたのだろう。 青葉が赤城に妖精を手渡した。 「この子の言ってることを聞けばいいんですよね」 赤城の問いに頷く。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:19:39
ですか @desuka_desuyo

「えーっと、どこから来たのか教えてもらえますかね?」 赤城が手のひらに乗せた妖精へと問いかける。妖精が何か答えているが、やはり俺には全く理解することが出来なかった。隣の青葉を見ると肩をすくめるポーズを見せた。彼女を同じことを考えていたのだろう。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:23:55
ですか @desuka_desuyo

じっと妖精の言葉を聞いていた赤城は、少し考える様な素振りをしてから首を横に振った。 「提督。残念ですが私にはこの子の言う言葉が分からないです」 「「……えっ?」」 思いもよらぬ言葉に青葉と二人で間抜けな反応をしてしまった。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:31:12
ですか @desuka_desuyo

「ってことは艦載機の妖精さんじゃないってことですか?」 青葉が慌てて問いかける。赤城は頷いてから妖精を青葉に差し出した。 「力になれなくてごめんなさい」 「いやいや、こちらこそ邪魔して悪かった」 申し訳なさそうな赤城にそう言っていると、後ろから声を掛けられた。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:35:21
ですか @desuka_desuyo

「どうしたのだ?」 声の主は航空戦艦の日向だった。どうやら帰投して部屋に戻ってきたのだろう。 青葉が日向にこれまでの経緯を簡単に説明をする。 「なるほど、事情は分かった。私も協力しよう」 「ありがたい。助かるよ」 「君が困っているんだ。当たり前だろう」 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:43:12
ですか @desuka_desuyo

「君はどこから来たんだい?」 日向が手のひらに乗せた妖精へと問いかけた。妖精がその問いかけに答える。 「ふむふむ、なるほど」 日向がそれに相槌を打つのを見て、ホッと胸を撫で下ろした。これで一件落着だろう。だが、それも一瞬の間だけであった。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:49:14
ですか @desuka_desuyo

「なるほど。つまり君は瑞雲に乗りたいわけだな」 日向の言葉を聞いた妖精は驚いてから勢いよく首を横に振った。だが、日向は妖精のそんな様子に構わず、どこからか取り出してきた瑞雲を妖精に押し付けようとする。妖精は顔を青くして両手を前に突き出して拒否の意思を示していた。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:53:56
ですか @desuka_desuyo

「ちょっと日向さん!ホントに妖精さんの言葉分かってるんですか?」 日向の手から妖精を奪い取った青葉が問い詰める。日向は自信満々に答えた。 「言葉は分からない。だが、彼女の言いたいことは理解できた」 「いや、絶対ちがっていたでしょう」 赤城が冷静にツッコむ。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 00:56:44
ですか @desuka_desuyo

「そんなことはない。瑞雲に乗りたかったんだろう?」 そう言って懲りずに瑞雲を差し出す日向を見て、妖精はガクガクと震えながら青葉の手にしがみ付いた。青葉がよしよしと妖精の頭を撫でる。 「やめなさい。どう見ても怖がってるでしょう」 赤城が二人の間に割って入る。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 01:00:04
ですか @desuka_desuyo

赤城に制止され、日向はようやく瑞雲を仕舞ったようだった。 「君の力になれなくて残念だよ」 そう言って日向は部屋に戻って行った。力になるどころか足を引っ張っていたように思ったのは言わないでおこう。 「困ったことになりましたね」 「確かになぁ」 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 01:05:12
ですか @desuka_desuyo

「ごめんなさい。私もそろそろ行かなきゃならないので」 赤城はそう言ってどこかへ行ってしまったので、再び二人と一匹へと戻った。戦果はほとんどなく、まさに振り出しに戻ったようだ。途方に暮れて二人で溜息をつく。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 01:10:32
ですか @desuka_desuyo

「手当たり次第聞いていくしかないですね」 「そうだな」 重要な手がかりをなくし肩を落としながら、手がかりを求めて他のところへ向かうことにしたのだった。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 01:12:46
ですか @desuka_desuyo

トラ泊神戸支部~2nd season 次回:迷子妖精編③ 気が向いたら年内に更新します。 #トラ泊神戸支部

2014-12-30 01:14:01