余所者艦隊

CF型マシニーカhir @hir_CF

「提督。お腹がすきました」 このセリフを赤城や加賀が言い出したら何とも言えない気持ちになるだろう。 だが私の前にいるのはどう見ても少女な駆逐艦が一隻。払下げの頭がぶっ壊れた奴だ。聞いて驚け練度１３４。叢雲といったか。今日から開設するうちの鎮守府で働いてもらう。 #余所者艦隊

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「ぅ～？」 床にぺたん座りをしながら、艤装をバラしている姿がょぅι゛ょのようで微笑ましい。 見た目は凛としているのだが、中身はずいぶんと幼児退行を起こしている。機械的な修復は完璧だが、メンタルがやられてしまったらしい。知人から入手したのはいいが本当戦えるんだろうか？ #余所者艦隊

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「提督。ごはんおいしいです」 そうか、うまいか。 叢雲が艤装を整備？している間に軽く作った食事で腹を満たす。 #余所者艦隊

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深海棲艦の侵攻から２年。各地のコミュニティは閉鎖的になり、私のような余所者は食っていけなくなった。ツテをたどり、知り合いから艦むすと妖精さんの一団を譲り受けて今日が最初のお仕事だ。餓死しないためにもしっかり働こう。 「ごちそーさまでしたぁ」 可愛いなあ。うりうり。 #余所者艦隊

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さて。出撃である。 「叢雲、出撃します…」 槍にしか見えないアンテナを手に、艤装を背負った叢雲が海へと足を踏み入れる。 おお、浮いてる。すげえ。 がんばれよ。 「はーい」 波を立てて叢雲は出撃していった。 漁港のある湾の入り口に沸いた駆逐艦を潰しに行くのだ。 #余所者艦隊

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用意しておいた双眼鏡で彼女の姿を追跡 おお。出た 水中から湧いたのは、２ｍほどの巨体。駆逐イ級。今でこそ雑魚の代名詞のような奴だが、２年前、イージス艦がなすすべもなくこいつの大群に撃沈された化け物である。陸にも上がり、大勢食い殺された。私の左足を喰ったのもあいつだ。 #余所者艦隊

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流れるような動きで叢雲が動く。 砲が可動。発射。紙切れのようにイ級が引き裂かれる。一発では終わらない。２発。３発。都合８発命中したところで、イ級が爆発 叢雲はその周りをしばらく周回。敵がそれで最後だったことを確認しているのか。やがて、イ級の残骸を拾って帰途についた #余所者艦隊

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「提督、もどりましたー」 にぱっ。笑顔で叢雲。可愛い。前に見た他の叢雲とは大違いだ。 労うとまた笑顔。素晴らしい。 怪我がないのは見ていたので分かっていたが、心配になる。 「叢雲、大丈夫です」 そうかよかった。 さて彼女の手に提げているイ級の残骸もなんとかしないとな #余所者艦隊

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深海棲艦は資源になる。 血管には重油が流れ、体は鋼鉄。中には弾薬を満載している。イ級ですら２ｍしかないのに１０００ｔ以上の重量だ。奴らや艦娘の体内空間はねじ曲がっている―駆逐艦娘の場合は更に、艤装を格納すれば体重は１００ｋｇにまで軽減できる。１匹でもかなりの収穫だ #余所者艦隊

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計算では、経費込みでもこのイ級を１ダースも仕留めれば、鎮守府を暖簾分けしてもらった時に負った借金を返せる計算だ。さほど難しくはないのではないかと思える。 だがまずは、風呂を沸かしてやろう。一番働いた叢雲のために 「わあいお風呂ー」 #余所者艦隊

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@MIBkai #余所者艦隊 書いちゃった

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なお #余所者艦隊 は #暗礁艦隊 と同じ世界観である。場所は考えてない